写真:「赤羽根小HPより」
渥美半島の赤羽根海岸は太平洋ロングビーチとも言われ、プロサーフィン世界大会も開催されるサーフィンのメッカとして全国的に有名です。当然のことながら地元の小学校でもサーフィン人気は高く、毎年夏には高学年の子ども達全員がボディボード体験学習を楽しみます。
しかし今年は事情が違いました。6月はじめ、豊橋の表浜海岸でサーファーがサメに腕をかまれ大怪我をしたとの事件があったからです。危険な場所には子ども達を入れるべきではない。海の体験学習は中止すべきだ。当然そういう声が出たのです。
この事態を受け保護者たちと学校は話し合いました。伝統のこの事業を止めるべきではない。子ども達も楽しみにしている。そこでアンケートをとりました。すると保護者の8割が賛成し、難色を示したのは2割だったというのです。
私が驚いたのはその数字だけではありません。実施に当たっての地域や学校がとった安全対策です。①まずサメが来るとは考えられない浅瀬でこれを行う。②子ども達には保護者が必ず一人に一人が付いて守る。③しかもその子ども達の周りをサーフィン協会の人たちが取り囲んで警戒する。この三段階のガードを徹底することで実施したのです。
この体験教室は昨日の22日に赤羽根海岸で行われました。現場に足を運んだ私は、文字通り子ども達を地域が守るというテーゼを数十人の大人たちが見事に実現している光景に、少なからず感動しました。じりじりと照りつける日差しを受けながら、気持ちは大いに爽やかになったものです。