![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/32/fb/1d3b4d7b09888a32a4bf37f4a5d68850.jpg)
写真:「水汲み場に並ぶカトマンズの女たち」本人撮影
耳を疑うような慄然とする話しもネパールでは聞きました。
ガンジスの上流が街を走るカトマンズでは時おり川岸から荼毘の白い煙が上ります。ヒンズー教徒が8割と言われるこの地では火葬が一般的で、しかもその火葬は骨にするのでなく白い粉にまで焼き、そしてその粉を川に流しあるいは山に撒くというのです。
そんな葬送の説明の際に、ふいに地元のガイドがこう付け加えたのです。
「山の方ではチベット系の人たちがいて、現在も鳥葬を行っています。しかし最近では鳥葬をしても、鳥たちは遺体のホンの一部しか食べず大半を残すようになりました」。
えっ、なぜですか?
「人間の身体に有害な物質が入っていることに警戒しているようです。水葬も行う地域もありますが、ここでも魚たちが死体を食べなくなったと言われます。やはり魚たちも人間の身体の変化を警戒しているのです」。
本当にそんな事態が生じているのですか?
「ネパールでは、ホンの最近まで全ての汚物は自然の土に帰りました。しかし近代化が進みプラスチックごみが入ってから、そうした生態系が崩れて廃棄物が街に溢れるようになりました。人間も同様で、その身体に自然には戻らない有害物が浸透し、そのことを鳥や魚たちが気付き始めたといえるのでしょう」。
文明を進化とみる現代人に対する何という残酷な警告でしょうか。これもヒマラヤの神々の、我々へのメッセージの一つと捉えねばなりません。