嶋津隆文オフィシャルブログ

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台湾の総統選挙に思う、台湾語を禁じた国民党政府

2016年01月18日 | Weblog

【旧台湾総督府】

正月明けから「廃校活用」の原稿の仕上げ作業に集中し、簡単なブログも書けずに半月が過ぎてしまいました。一昨日、やっと1次原稿を出版社へ送付しました。200枚の原稿整理に精も根も尽き果て、朝起きあがれない日が続きます。

ふと気がつけば今日は台湾の総統の選挙です。口直しにその台湾に旅した折の出来事を記しておくこととしましょう。

総統選は予想では与党の国民党でなく、野党の民進党が確実に勝利するといわれています。中国に急接近した現政権への不満から、台湾「独立」志向の野党候補に民意が向かっているようです。

何年前だったでしょうか、台湾の田舎町を家人と歩いていた時のことです。一人に年配の女性が近づいてきて、突然に日本語で話し掛けてきたのです。「あのう、日本人ですよね。私は日本が好きです。しかし中国人は嫌いです」と。

突然の出来事に驚くのですが、彼女は歩きをとめず、私らに語り掛け続けます。
「たしかに日本人は台湾を植民地化しました。日本人は学校で日本語を義務付けましたが、しかし台湾語の授業もそのまま認めてくれていました。でも大陸から来た蒋介石は、国民党は台湾語の授業を禁止したのです。ひどいことです」。

今回の台湾選挙での、国民党の落ち込みが確実視されていることを聞くと、この台湾の人たちにしみ込んだ歴史を知らされるというものです。

失政の多かった日本の朝鮮統治下でも、講義は日本語でであったもののハングル語の授業があったと聞きます。民族からその言語を奪う。もっとも過酷で屈辱的な支配形態と言ってよいかも知れません。

その後も幾度か訪れる台湾ですが、この年配の女性の言葉が、私にはもっとも強く記憶に残っているのです。

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