嶋津隆文オフィシャルブログ

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ベトナムで聞かされた中国の覇権主義というもの

2010年09月13日 | Weblog

写真:「ベトナム戦争で米大使館に突入した戦車」

尖閣列島の界隈で、操業中の中国漁船の船長が逮捕されました。日本の領海内ですから当然のことでしょう。しかし中国政府はこれを激しく批判。しかもこうした漁船の侵犯操業に呼応して艦船を派遣し、事実上、領海域を拡大していく姿勢を見せています。

東シナ海の石油や天然ガスの埋蔵が明らかになった70年代に、突然に領有権を主張するようになったといわれます。しかし中国のこうした姿勢は、もっと根深いところにあるように思うのです。

何年か前、ベトナムの地を訪れたことがありました。その旅の途中、「この前の戦争でベトナムに日本人は悪いことをした。許してほしい、許してほしい」と言い続けたメンバーがいました。謝り続ける高校教師のその男に辟易し、現地のベトナム人ガイドがこう言い放ったのです。

「確かに日本はベトナムを侵略しました。しかし5年です。アメリカは10年、フランスは60年です。いえ、ベトナム人がそれ以上に許せないと考えているのは中国です。何百年も支配してきた挙句、いまだにわが国を属国とみているのです」。

なるほど、と思わされました。中国の覇権主義はこうした反発をこの地で受けているのかと。そしてその根っこに、東アジア地域のすべての国々が中国文化圏であり、中国そのものとみなす中華思想のあるのだと。そう実感を持って知らされたのです。言い換えれば、覇権主義が中華思想の属性として中国のDNAの一つになり、それが今日も常に首をもたげてくることを痛感させられたのです。

そう考えるとベトナムだけでなく、高句麗も中国だと主張された朝鮮も、尖閣諸島を領海内だとされる日本も、同じ属国扱いとされるのも当然となるのでしょう。おぞましいという外ありません。

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