【直指庵の庭(筆者撮影)】
タンポポの「嵯峨野さやさや」(昭和50年発売)。いつの頃からかこの歌の哀しい短調さが耳について離れず、憑かれたように、しかし40年ぶりにやっと訪れる機会を得ました。直指庵(じきしあん)。8月3日の月曜のことです。
一見何の変哲もないかのようなこの小寺を、多くの人に静かに深く浸透させた名曲です。作詞は小林亜星。去った恋人を嘆く心情を辿るこの作詞家の想像力には感服する外ありません。敬意を表しその全歌詞を掲げます。猛暑の昨今です。一服の清涼剤にしてほしいものです。
(一) 京都嵯峨野の直指庵
旅のノートに恋の文字 どれも私に よく似てる
嵯峨野笹の葉さやさやと 嵯峨野笹の葉さやさやと
(二) 雨の落柿舎 たんぼ道
藪の茶店で書く手紙 きのう別れたあの人に
京都嵯峨野の笹が鳴る 京都嵯峨野の笹が鳴る
(三) 朝の祗王寺 苔の道
心変わりをした人と 責める涙がぬらすのか
嵯峨野笹の葉さやさやと 嵯峨野笹の葉さやさやと
(四) 京都嵯峨野に吹く風は
愛の言葉を笹舟に のせて心にしみとおる
嵯峨野笹の葉さやさやと 嵯峨野笹の葉さやさやと さやさやと