嶋津隆文オフィシャルブログ

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サンデー毎日が使い始めた「人生100年時代」

2015年04月17日 | Weblog

先日の朝、新聞を開き思わずオッと声を出してしまいました。サンデー毎日の今週号の表紙です。「人生100年時代を豊かに生きる」。人生80年でなく、人生90年でもなく、いよいよ大胆に人生100年時代と言い切っていたからです。

私が政府のシンクタンクであるNIRA(総合研究開発機構)に身を置いたのは30年前の1986年。当時の下河辺淳理事長から「人生80年時代の社会システム」について研究せよと指示されました。当時は人生60~70年の感覚の時代。しかし迫る高齢化社会を前に既存の社会制度をどう改革していくか、強い危機感があったのです。

そして今、わが国の平均余命は男80.21歳、女86.61歳(平成25年厚労省)となりました。もっともこれは無機質な平均の数値です。50歳の坂を越えたそこここの日本人は中々死なない時代になっています。それをサンデー毎日は人生100年時代になったと突っ切ったのです。高齢化社会の深刻化を考えれば、実に正鵠を得た表現というものです。

しかし超高齢化社会は個々人にとって本当に豊かか不明です。両親の面倒見を抱える子供や孫たち、社会の拡大するコストを負担する次世代の若者。彼らの高齢者への反発は日増しに大きくなっているのです。

「死ぬことを期待される世代」。特に大量の高齢者層となる団塊世代は大いに迷惑視されます。早く逝ってくれればいい。そうした気運からひょっとしたら現代の姥捨山が再現される日が来るかも知れません。この懸念を全くの空想だと笑い飛ばす、そう断言できる人はいないはずです。


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