嶋津隆文オフィシャルブログ

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勾玉を幾つも発掘、その青い光にワクワクさせられる

2015年01月16日 | Weblog

【勾玉と衣笠の発掘現場】

「勾玉が出ました、勾玉が幾つも出ました。首飾りの一部と思われます」。いやあ、新春早々にワクワクする報告がわが教育委員会の文化財グループから入りました。田原市役所の近くの衣笠(きぬがさ)地区の道路工事現場の一角です。

早速に現場に飛んでいきました。まだ土が付着したままのブルーの勾玉です(写真左)。まさに旬な発掘に出くわすというのですから、教育長に身を置く醍醐味と言えましょうか。

渥美半島は遺跡の宝庫といわれます。吉胡貝塚、伊川津貝塚、保美貝塚の3つの縄文遺跡が戦前から考古学研究に大きな寄与をなしています。東大寺の瓦を焼いた窯も発掘されています。今回発掘の勾玉は古墳後期で6~7世紀の頃の勾玉ではないかと担当の学芸員が説明します。

しかし大きな石室のなかから発掘された装飾品には、それ以外にも須恵器や耳飾りなども発掘され、埋葬された時代や一族の息遣いが伝わってくるようです。この渥美半島にもこうした贅をなす豪族がいたかと想像すると胸が高ぶります。

それにしてもキラキラした勾玉の青い光に、私は思わず「衣笠ブルー」と名付けてはどうかと口にしました。30年前に尋ねたシルクロードで、かつての城壁やミナレットの屋根に光る青色レンガを「サマルカンドブルー」と称していたことを思い出したからです。渥美の青い空に似合った呼称とも言えましょう。

渥美の空が出たところでもう一言付け加えます。「フーテンの寅」の渥美清。彼はかつて渥美を訪れ、その透き通った青空に感銘し、そこから渥美清を名乗ったと伝わります。ブルーはわが渥美半島の空と海と歴史の象徴なのです。


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