嶋津隆文オフィシャルブログ

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紹介します、故郷渥美のイラストレーター

2009年04月01日 | Weblog

(写真):表紙と同じ「春の伊良湖岬」(mahiroo作)

今日から4月になりました。大学ももうじき入学式です。今年はどんな学生たちが入って来るのでしょうか。若い彼らの一人ひとりが、それぞれの故郷の香りをもって、集まってくるというのですから、何とも楽しみというものです。

ホームページの写真が4月から変わりました。表紙のバックは、私の故郷である渥美半島の伊良湖岬の風景イラストです。このイラストを描いてくれたのは、伊良湖岬の中学時代の同級生の娘さん。mahiroo。まひろさんです。

大学の美術科で、デザインを学んだという彼女は、卒業後は故郷へ戻り地元で就職します。渥美の風景、とりわけ伊良湖岬の空と雲を眺めることが好きという彼女にとって、この地以外での人生は選択肢としてなかったのでしょう。それにしても故郷の四季を描いた多数のイラストは、その大胆で鮮烈な色遣いで、横尾忠則風のまひろワールドを形成し、渥美と彼女の魅力を十分に伝えているものといえます。

この渥美半島の田原藩の家老として生まれ、安政の大獄で自殺した郷土の経世家渡辺崋山。1昨年、その生涯を描いた小説「渡辺崋山」で日本文学者のドナルドキーンは、この地をこう表しています。「砂地ばかりで、ほとんど特徴のない半島に位置する田原は、蟄居の身である崋山にとっては極めて寂しい土地だった。」

崋山の苛烈な人生を表現するためとはいえ、かように渥美半島の風景を殺伐とした感じで表すのは抵抗があるというものです。しかし島崎藤村の、“名も知らぬ遠き島より流れ寄る椰子の実一つ♪”との歌「椰子の実」で知られる詩情豊かなこの地を、誤解されることがあってはなりません。まひろさんの、故郷への愛着とその魅力を示す力強いイラストは、間違いなくドナルドキーンへの異議申し立ての、爽やかなメッセージと言ってよいのです。

そのmahirooさんの作品集は、折にふれ私のHPに登載することを許可してもらいました。末尾のリンク集にも「渥美の風景」として貼り付けアップしておきます。ぜひ諸作品をお楽しみ下さい。

http://www.shimadzu-ryubun.com/link.htm


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