上砂理佳のうぐいす日記

7月18日(木)~23日(火)まで、茶屋町の「ギャラリー四匹の猫」で「夏への扉」展に参加します★

哀しい桜

2005-04-14 | うぐいすよもやま日記
造幣局の「桜通り抜け」がスタート。
大阪名物?かな。ホントただ単に「通り抜ける」だけ。
でもいろんな名前の八重桜が「ドン」と満開です。夜桜のほうがイイ!絶対!昼間は平日でも団体客のおばさま方でラッシュよ。身動きできねえだ…。
水曜に年上の友人達と「お花見最終戦ツアー」敢行。またもご近所です。
ソメイヨシノが雪のように、はらりはらりと舞い散る中をそぞろ歩きました。満開の桜もイイけどこうしてはかなげに舞うのも最高に美しい。平日の桜の森は人も少なくて、かすむ木々と柳の緑、桜の淡いピンク…が溶け合って、さながら桃源郷の絵画です。
帰りに私の実家に友人をお招きして、桜餅とお茶で一服。みんな遅くまでしゃべり合って、「桜の花びらじゅうたん」の道を踏みしめて帰途を見送りました(写真は古~いカメラ携帯で撮影してるんで、色が良くないよ~)。

お花見中、車椅子に乗ったお年寄りを多く見かけました。押しているのは娘さんか奥さんか。
去年の今頃。父親の余命を案じた私は、遠方へ嫁いでいる姉がダンナを伴って帰省したチャンスに、一家で父親を車椅子に乗せてお花見に連れて行きました。
その頃の父は食事量がガクンと減り衰弱して、痴呆もかなり進行状態。自分が今どこにいるのかもわかっていない。無理やり引き回されてわけわからん、迷惑じゃ、といった表情。
でも桜を見て観光客の群れを見ているうちに、だんだんゴキゲンになってきたのか「ビールとポップコーンを買って」と言うではあ~りませんか。あわてて購入するとおいしそうに生ビールをグイグイ。家では全然お粥とか食べないくせにね~、と皆で大笑い。
興の乗ってきた父は、近くでブレイクダンスの路上パフォーマンスをやっていた高校生の一団に向かい「おねーちゃん達!かっこいいよ~!」なんてゲキまで飛ばすではないか。おいおいアンタ、そんな大声出す体力あったんかいな…。近くで見たい、というので見物人の最前列へ車椅子を押す私。ニヤニヤして若い子のダンスに釘付けになっている父の頬は紅潮さえしている。ああ、やっぱ「色と花」は人間を活性化させるのね。
その日は春の嵐が吹きまくり、花びらと共にポップコーンがふわふわ空中に舞い飛ぶのでした。姉は私に「お父さん最後の花見だと思うよ」とコッソリ。うなずく私。だから今日、ゴーインに連れてきたのよ。

姉夫婦が帰った翌日、桜はきれいさっぱり終わってしまいました。
そして父のいなくなった今年、桜の森で同じように車椅子の親子の方を見かけると、懐かしいような哀しいような、じんとしたものを感じて、ひとりポロポロと涙が出てくるのでした。
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