醜悪も ここまでくると 芸のうち
。。。と思わず駄句を詠んでしまいました。
例の吉野家元常務取締役の方の講義発言騒動です。
ひどすぎて声も出ないのですが、そもそも今の若い人はヤクザ映画とか見ないから「生娘をシャブ漬けに」ってフレーズの醜悪さが、イマイチ伝わってないのではないでしょうか。
私はわかりますよ。オバチャンですから(笑)。
三池崇史監督の「初恋」という映画。カンヌに出品された3年ほど前の作品ですが、窪田君が主人公の若いボクサーで、ヒロインはまさにその「生娘シャブ漬け」という設定でした。
つまり、「ヤクザにクスリ漬けにされ、売春させられる。ヤクザはその売り上げを巻き上げる」。
クスリが切れると苦しいので、女の子はヤクザにまた薬を求める。「へっへっ。クスリをやるからな、せっせと(売春して)働きな」という無限ループで、最後には身体はボロボロ、ヤクザも売り物にならない女の子は殺すか追放するか。
「初恋」では、ヒロインは主人公と逃亡して、最後に病院で薬物中毒を治し、更生して幸せになったのでした。
とまあ、「世間知らずの若い女の子をだまして薬物中毒にして売春させる」パターンは、ヤクザ映画の王道?なので、元常務取締役の男性もよっぽどヤクザ映画のファンなのでしょうか。
それともヤクザさんと関わり合いがあるのでしょうか。。。だって普通に生きてたら、まず出てこない発想ですよ。若い女性に入店して欲しかったら、「メニューがヘルシー」「お店がおしゃれ」「清潔感」そこらへんでしょ。普通。
「わかりやすくしようとして過激な表現になってしまった」と伊東氏は釈明されましたが、受講料を払って講義を聞いている目の前の若い女性(もいたのでしょう)がそれを聞いて、不快にならないか、それほど真剣に考えなかったのでしょう。
「ご不快になられる方がいらっしゃるかもしれませんが」という前置きがあったそうですが、保険をかけておけば何を言ってもいい、誰も俺を非難したりしない(はず)という驕りが情けない。
よくぞSNSで、講義を聞いた方が抗議して下さったと思います。その勇気と瞬発力を讃えたい。
「生娘」って「きむすめ」と読むんですよお若い方。「なまむすめ」じゃないよ(笑)。
今どき死語じゃない!って、「街の声」で年配の女性がおっしゃってましたが、ほんとうだ。
「性体験の無い処女」的な意味合いで使われてきましたが、古い漫画とか見てても、この「生娘」表現はあります。手塚治虫さんの漫画で「山奥の村で風習として、他所からやってきた新参者(の男)に“村の生娘”を提供してもてなす」みたいな描写がありました。今考えたらひどいやん。人権無視。
団塊の世代以上のおじいさんは、まあ仕方ないか。。。そういう価値観で育ったものね。今更価値観変えられるほど柔軟じゃない、と思わなくもないけど、当該の伊東氏は49歳って。そんな若い人でも偉い地位の人でも、「世間知らずの女をだまして上手い汁を吸おうぜ」って価値観なのですか。情けないよ。
それをしゃべるのが居酒屋の個室で、同じ道徳レベルの男友達とワハハと笑うのなら、ご自由に、ですよ。人が「思う」ことは止められないから。でも早稲田の有料ビジネス講座でしょっぱなから話すことか。
吉野家さんは速攻「うちはこの人ともう無関係ですから!うちに責任ありませんから!」と伊東氏を切りましたが、それも恐ろしいよ。内部でそんな空気があったのかなーとか。そういう調査はしないのね。無責任。
権力を持った男はロクなことがない。。。って今まさにウクライナ侵攻で身に沁みているわけですが、伊東氏とプーチンが重なるよ。自分には非がない、これが俺の正義、という思い込みは狂気だ。
「マーケティング」って、「世の中に必要とされているのに無い」箇所に需要を見出してモノを売っていく、というもんで、「だまして売ってお金を取る」のは詐欺なんす。詐欺推奨を見ぬこう。
昔、兄が吉野家さんでバイトしてて、内部事情を知った私は実は一度も入ったことがありません。。。でも兄は吉野家の体質はともかく牛丼自体が好きだったから、しばらくは働いてましたけど。
今現在は、吉野家さんも優良企業になっておられることを願っております。
しかしなんで「若い女性客をターゲット」にしたいんだろ?
吉野家はもう、忙しくてガッツリ食べたい男性客に特化したらいいだけやん?
と思っていたらピンときた。
若い女性が店に沢山いたら、吸い寄せられるように男性客も増えるからなのね(笑)。
そりゃオッサンより可愛い女の子が隣にいた方が、ひとときの癒しですよね。。。いやー。
つくづくと罪深いというかあきれる一件でした★