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上砂理佳のうぐいす日記

阪神百貨店の女流版画家5人展無事終了。多くの方にご高覧いただきました。ありがとうございました★

夕凪の街★

2025-08-15 | アート・音楽・映画・本・舞台・ドラマ


ある人にオススメされて「夕凪の街・桜の国」という漫画を読了。ご近所の友達が持っていて貸してくれました。広島での原爆がテーマの物語で、ちょうど終戦記念日の今日、この漫画を眺めていると、切なく泣けてきます。
こうの史代さんは「この世界の片隅に」で有名ですが、細かくも優しい線描の作画が特徴で、空の雲が流れる様子、桜の花びらが舞う街の空気、朽ち果てた原爆ドーム、戦後の市電やトタン屋根の家々など、町並みや自然描写が素晴らしい。
人々の表情も豊かで、映画やドラマを見ているかのようです。

戦後10年が過ぎた昭和30年、皆実さんは広島で会社員として働きながら、お母さんとつつましく暮らしています。若く明るいな皆実さんですが、会社の先輩打越氏に想いを寄せられ、ドギマギ。ほのかに先輩に想いを寄せてはいますが、彼女には苦い原爆の体験がありました。。。
「夕凪の街」と更に時間が経った「桜の国」はリンクしていて、「原爆後の人々」がこんな生き方をしていたのかと、更に重い気持ちになります。でも、明るい作者の画風のおかげで、飄々とまるで「風のごとく」物語が吹き抜けていきます。

忘れがたい一冊になりましたがそれにしても終戦記念日に見る「火垂るの墓」は辛い。あれ、関西人は血も涙も無いような書かれようですが、実際は親切であたたかい人もたくさん居たと思いますよ。。。(親戚のおばさんよ。。。)★
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今年の氷艶は★

2025-07-06 | アート・音楽・映画・本・舞台・ドラマ

宙吊りの荒川静香様。何の役かな。(画像はフィギュアスケートLifeさんからお借りしました)


増田くんと大ちゃん(画像はモデルプレスさんからお借りしました)

アイススケートミュージカル(?)の「氷艶2025」が始まってますね。関西ではやらないのよねー。勿体ないわ。全国ツアーで回ってくれないかな。 
今回は大ちゃんの故郷である岡山の「桃太郎伝説」と「温羅伝説」に基づいた「正義と悪をめぐる壮大な叙事詩」らしいですが…想像がつかない~。
「ミュージカル」と書いたのは、大輔さんが前回に続き歌って演技するから。NEWSの増田貴久くんもスケート滑っちゃうから。
つまり、本職と違うことに挑戦するんですよね~。挑戦するだけじゃなく、お客様からお金をいただけるレベルまで持っていかねばならないのよね。
昨年もすごいな、思ったけど、今回大輔さんとW主演の増田くんがちゃんと滑ってる!ところを動画で見てビックリしました。滑りながら殺陣を演じる!なかなか出来るこっちゃないです。
フツーの初心者ならリンク一周だけでも大変なのに、やっぱり芸能に秀でた方たちは習得能力がハンパない。運動神経も並やないんやなあ。なんて感心してしまった。
大ちゃんはスケート指導や座長としての仕事も忙しかったことと思いますが、今年はどんな出来なのでしょうね。演技力はあると思うんだけど歌は。。。去年は「頑張ってる!」と思いました。更なる進化を願います。
アイスショーの魅力ってやっぱり圧倒的なスピード感と、フォーメーションの面白さ。次々と変化していく万華鏡みたい。宙吊りで上方向への立体感が出るのもいい。
ただ、脚本が堤幸彦氏らしいので、どうなんだろ?と若干の不安も感じますが(笑)、SNSを見ると上々の評判らしいので、ラストまで怪我なく滑りきって欲しいです★
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「なにもない」心地よさ★

2025-06-23 | アート・音楽・映画・本・舞台・ドラマ

(写真は映画.com さんからお借りしました)

週末は夏至なので「一番長い昼間」を味わおうと思っていたら、思わぬ雨でした。考えてみたら梅雨真っ最中でした!カンカン照りの日が続き忘れていました。

そんな初夏の日に見たくなる「めがね」という映画があります。
「かもめ食堂」の荻上直子監督で、小林聡美さん、もたいまさこさんという荻上作品レギュラー?の俳優さんたちが出てきます。
友達に勧められ正直あまり期待しないで見始めたのですが、これがめっちゃハマる!
小林聡美さん演じる主人公は、海辺の小さな民宿に、デカイ重いスーツケースを引きずりながらやってきます。あまりウキウキしてない感じ…都会で仕事に疲れたキャリアウーマンか、失恋したシングルか。
フツーの家みたいな民宿は開放的で、夏だからか、半分野外みたいなスペースで、お客もオーナーも一緒にご飯を食べます。風が吹き抜けていきそうな気持ちいい食卓。
オーナーは自由人で時々居なくなっちゃうし、海岸で謎の体操を老若男女がやってるし、遊ぶとこもないからボーッとしてるだけ…。
とにかく劇的なことは何ひとつ起こらない!
恋愛もなけりゃ事件もない!
なのに退屈じゃない。不思議とこの世界にのめりこんじゃう。
「なにもない」のに、満たされているんです。過不足なく「ちょうどいい」んです。

最初は「なにもない」毎日に戸惑いを覚えていた主人公ですが、少しずつ変化していきます。
私も映画の中の時が止まったような世界にすっかり馴染んでしまい、ずっとここにいてもいいかも…と思うように。ということは現実世界に疲れているのでしょうか(笑)。
小林聡美さんの着ている服が素敵で、白と黒のシンプルな組み合わせばかりなのに、さりげなくしゃれてる。ピンクの花柄とかじゃないとこがいい。
毎朝小さな壺に入った梅干しを「梅はその日の難逃れ」と言って、一粒ずついただくとこもいい。私も朝に「難逃れ」と真似するようになりました。
荻上監督の感性が素晴らしいんだろうなあ。撮っているもの、情景のひとつひとつに味がある。
ラストで主人公がある行為をするんですが、それがタイトルの「めがね」とリンクして、ここへ来た日とは格段に違う心情を表していて清々しい。

「かもめ食堂」が大丈夫な人なら楽しめる、なんだか自分が浄化されるような映画です★
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天王寺かいわい★

2025-06-08 | アート・音楽・映画・本・舞台・ドラマ


このワンコさん、めっちゃ可愛くないですか~。
大阪市立美術館のお土産コーナーにあったポストカードです。
作者は書いてなくて、「蒔絵子犬形香合」とあります。腕のいい、そしてお茶目な?職人さんが作ったのでしょうか。日本は、絵画や彫刻といった美術作品から庶民の使う日用品まで、時々「可愛い」キャラが出てきて悶絶モノです。「可愛い」や「綺麗」を感じとる感覚が優れていると思う。そういう文化が現代のアニメや漫画につながっているのではないか。
そんなことを時々思います。

今週は抗がん剤16回目。最近はカートを押して外出するようになりました。
杖の代わりのカートなんですが、そうすると看護師さんも薬剤師さんもしゃがんで(私を立たせないように)対応しはるので、なんか申し訳ない感じです。
腰痛はだんだん前に来て?右の骨盤から右脇腹、右背中あたりが、歩いてると10分ぐらいで痛くなり、座って休まないと耐えられなくなりました。そして最近咳が出るので、呼吸的に苦しくなってくる。
道端でうずくまる訳にもいかないので、買い物用のカートを使って途中休憩を入れれば、遠出もなんとか行けるなーと解ってきました。
迷ってましたが、招待券をいただいていたので、大阪市立美術館の春陽会巡回展を見てきました。
春陽会は芸術の団体で、版画部門に先輩作家さんや友人が出品しています。
絵や彫刻といった作品は、その人その人の内面が如実に表されるので、自分にはない感性が面白い。世界の見え方が違うというか、「どうしたらこんな絵を思いつくんだろう?」と不思議な気持ちになります。
私もまた挑戦したくなった。人のエネルギーに触発されるというのはいいですね。

実は先日、「ウィキッドのチケットあるから行かない?」と友達に誘ってもらってたのですが、舞台の静かな場面で咳が止まらなくなると困るので、こちらは辞退。
しかし久々に天王寺に行って、変貌にびっくり。
公園はカフェが増えて、芝生でファミリーがいっぱい遊んでる。フードトラックはアサイーボウル祭り?やってるし。遠足の子供たちいっぱい。市立美術館前は入場待ち行列。
あの、路上カラオケでうるさかったイメージは、ハルカス誕生以降ガラッと変わったなあ、と。
昔ながらの天王寺もいいんですが、少なくとも美術館は断然行きやすい環境になりました。

阪神の展覧会以降、体力がガクンと落ちた感じで、出来ないことも増えてきましたが、まだまだ出来ることはいっぱいあるので、プチ・チャレンジを楽しもうと思います★
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追悼楳図かずお先生★

2025-05-29 | アート・音楽・映画・本・舞台・ドラマ


昨夜、ふと「楳図かずお」とXで検索してみたら、なんと楳図先生の「お別れ会」が昨日だったのですね。知らなかった!先生が私を「検索すべし」と呼んでたのかな。
一般の方の参列が500mにもなったそうで、私も東京にいたら行きたかったなあ。。。
里中満智子さんも弔辞を読まれたそうですが、アシスタントをしてらした高橋のぼるさんのお話で「楳図先生は、『トレースをしちゃダメ』と、イチから自分で描いておられました」というエピソード。普通、背景とか描く時は写真をトレースしたりする作家もいるんですが。手を抜かないんだなあ。
「たとえば瓦屋根の作りとか、ひとつひとつ観察しておられた」との証言からも、あの圧巻の画力は「観察力」と「創造力」の賜物だったということが伺えます。

一般的に「楳図かずお」というと「ホラー」「グロ」とみんな連想するでしょ。あるいは「まことちゃん」のギャグとか。
私もそうだったけど、それ以上に、楳図先生の画力のスゴさに圧倒されちゃうんですよ。「どうしてこんなん描けるの!?」「ああ、私には到底描けない」と、天才にひれ伏しちゃう。世間の皆さん、もっと騒いでよ!と叫びたくなる。
例えば最後の長編「14歳」の終盤で、もうすぐ14歳の誕生日を迎える少女がいるんですが。
なぜか14歳になると「先祖がえり」して、恐竜になってしまうんです!
そら人類のご先祖様は恐竜でもあるけど、その発想ってブッ飛んでませんか~。
そして少女は誕生日当日を迎えました。するとバリバリと身体の表皮が破れ、中から恐竜が現れる~。恐竜になったら周りの人間を攻撃して殺してしまうから、少女は変身する直前「どいて!どいてー!」と叫びながら全速で走っていきます。
全速で走りながら恐竜に変身していく少女…って、そんなん描ける人が地球上に何人いるだろか。描けん!無理!
でも楳図先生が描いたら、「バリッバリッ」と表皮を破る音や、ドタドタッと巨大恐竜が走る音まで聞こえてきそうなんですよ。凄いッス。

他にも「錆びたハサミ」という作品では、寝てる少女の両眼を突き破って中からハサミが「ズボッ」と出てくるし、口からでかい骸骨が出てくるし(顎が外れるっつーの)、トホーもない描写が。
蜘蛛が大量に口から目から鼻の穴から出てくるコマは、もう首すじから背中がゾワーッと寒くなって、以後、そのページは決して開けないようにしてました(楳図先生の漫画は、開けてはいけないページが頻繁にあります。夜中にそのページを思い出したりしたら最悪です)。
でもヒューマンドラマもあって、泣ける作品もあり。「漂流教室」なんかはお母さんが一途に、窮地の息子を助けようとする姿に泣けましたね。
単に怖がらせるだけのホラーではなく人間ドラマでもあるし、心理描写や社会批判も凄いんですよ。

でも普段の楳図先生はお茶目で優しい方だったということが、近しい人からの証言でもわかります。天才でも最後まで偉ぶらず、少年のような方だったんですねえ。
と、楳図先生を語ったら止まらないので、また各作品については別の機会に語りたいです。
画像はあべのハルカスの「楳図かずお展」で買ったポストカードで、「わたしは真吾」の扉絵です。これってパソコンじゃなく手描きですよ~★
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オススメ映画「教皇選挙」★

2025-05-09 | アート・音楽・映画・本・舞台・ドラマ

(画像は、映画.comからお借りしました)

今月から私は、訪問診療と訪問看護の契約をして、抗がん剤の外来治療と並行していくことにしました。「通院」と「在宅」の二刀流。
痛み止めの薬をたくさんもらいました。
「なるべく痛み止めは飲まないようにしてるんですが。。。(慣れると効かなくなる?)」と訪問の看護師さんに言ってみたら「いやいや!これは一番軽い痛み止めだから、毎日頻繁に使って全然大丈夫なんですよ!」というお答え。なので上手く使って外出もしようと思います。あとは腰痛に効く体操の本とYouTube動画を見て、自己トレーニング。
結局、腰痛の原因って、何なのかよくわからない。
でもどっちにしても対処方法って、薬という「他力」と、自分でなんとかする「自力」の組み合わせなんで。動かないとますます筋肉が固まるから、動けるなら動いた方がいい。
そういうことが相談出来るのも、訪問診療の良いところだと思います。

ということで前から興味のあった映画「教皇選挙」を見てきました。面白かった~!\(^∇^)
タイムリーなせいか平日なのに満席で、滑り込みセーフ。
今朝、現実世界でも初のアメリカ人の方が教皇に決まったそうで、いやはや映画の方はどれだけリアルなんだろ。内部世界は面白いです。様々な陰謀がうごめいていて、聖職どころじゃないよ。マフィアの巣窟かい!と思っちゃったよ。
選挙期間中はドアを閉じて外界とは遮断されますが、事務方のシスターは立派なパソコン使ってるし、全然遮断になってないやん~。
世界中から枢機卿が集まってきて、みんなゴロゴロでっかいカートを転がしてくる様は圧巻です。
爺さん達がみんな、赤い法衣で赤いちいちゃいベレー帽みたいなの被ってて可愛い。

主演のレイフ・ファインズって、昔はイケメンアイドル的なポジションだったような。
今は立派な?イケオジとなられまして、なかなかの存在感でした。
彼は教皇選挙を仕切る「首席枢機卿」なのですが、ある意味「普通の人」です。「普通の人」らしく考え、いろいろ動きます。
終盤、そんな堅実な彼の感情がちょっと揺れた時、「ある事」が起こり、そこからはトンデモ展開となります。人間の悲哀や滑稽さが滲み出る上手い脚本・演出。
今、「多様性」が叫ばれていますが、世相反映という意味でも大変興味深く、テンポも良いのでエンタメ映画としても楽しめました。
ただ、大量のおじさんとお爺さんが同じ服でゾロゾロ出くるので、なかなか顔の見分けがつかない(笑)★
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一年生きたわ★

2025-04-01 | アート・音楽・映画・本・舞台・ドラマ


これは私の版画にも出てくる「スノーフレイク」の花です。可愛いでしょ。
昨年4月1日に手術してからちょうど一年経ちました。
「一年」はとりあえずクリア。
「二年」はわかりませんが。
でも私は先日の世界フィギュアを見て「ミラノ五輪は絶対見届ける!」と強く思いましたよ。
もしマリニンくんが金メダル獲るとトランプ大統領から祝福を受けるハメになる。そんな図は見たくないぞ~。
トランプさんてプロレス好きで「フィギュアスケートなんて女がやるもんだ」って言いそうやもん。
ネイサン金メダルの時、バイデンさんにホワイトハウスに招待されて祝福されたんですよね。
日本勢はなんとしても、マリニンくんの金メダルを阻止してください(笑)。

今日は12回目の抗がん剤で、あまり気持ち悪くもならず済みました。次にMRI撮ることになりました。ちょっと腰が痛いので、前にやった圧迫骨折なのか骨転移なのか、原因を知りたい。
そんなことを言ってたら、窪田くんと森山未來氏が舞台で共演!というニュースが。
しかも「チ。」じゃないか!
「チ。」て漫画原作のSFつうかファンタジーつうか?哲学?なんですけど。
最近までNHKでアニメをやっていたのに見逃してしまった…と思ったらEテレで4月5日から再放送と。見なくちゃ。
10月の舞台を東京まで見に行けるかしら。でもモチベーションにして頑張れるか。とりあえず頑張る★
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ブラボー!カーネーション★

2025-03-23 | アート・音楽・映画・本・舞台・ドラマ


↑カーネーションではなく乙女椿ですが。

半年間、毎朝椎名林檎の三拍子のテーマ曲と、赤いドレスのお人形のオープニングで楽しませてもらった朝ドラ「カーネーション(再放送)」。
遂に完走。いやー。素晴らしかった~!
デザイナーのコシノ3姉妹の母である小篠綾子さんがモデルの「糸子の波乱万丈洋裁人生」。面白過ぎました。脚本が神!キャストも演出も完璧。
糸子さん、70過ぎてから更に新しい分野に取り組んだり、90過ぎて家をリフォームして教室開いたり、もう常識突破でスゴすぎますわ。

とにかく戦中戦後、旦那さんを戦争で亡くしてるのに、家族も洋裁店の雇い人も誰も飢えさせることがなかった。そこもスゴいんだけど、晩年があんなにパワフルだったとは!
老人期は糸子が尾野真千子から夏木マリバージョンになり、少々違和感ありましたが、これはこれで滋味深~いパートになりました。今までの積み重ねから得られた「糸子格言」がボンボン。
苦労はしても、なんとかなんとか人生はつないでいくもんや。
失敗も沢山あって、ずーっと勝ち続けてたわけやない。
特に、還暦近くなった糸子が、三人の娘たちの新しいデザインセンスについていけず、「もう自分は店をたたむ時か…」と悩むところなんかグッときました。やっぱ私自身の年齢と同じだと「わかるわ~」となるのよね。
老境編も、私がその年齢になったらもっと、実感としてわかるんやろなあ。とにかく全編面白く駆け抜けました。

5月には小篠綾子さんの自伝映画が大地真央主演で公開されるそう。
どんなんなるんやろ~★

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卒業のシーズン★

2025-03-15 | アート・音楽・映画・本・舞台・ドラマ


今の時期は、芸術系の学校は「卒業制作展」目白押し。
京都芸術大学通信課程の卒業・修了制展覧会を見てきました。



銅版画教室で一緒に習っていた友達が、2年前に入学して、今日は彼女の卒業式なのです。
ピカピカの瓜生山キャンパスで、卒業制作の百号の油絵拝見。ずっとずっと努力し続けている人の集大成のような、見ていて色んな思いが駆け巡りました。
油絵、日本画、陶芸、染織…社会人になってからの大学生活は大変なこともあると思いますが、個々のバクハツ力(?)が、素晴らしかった。
ある陶芸作品の方がキャプションに「夢かなえました!還暦記念」と書いてはって、なんか泣けました~。うんうん、わかります!

ネットでも作品が見られますので、京都芸術大学通信課程のサイトをどうぞ
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聖なるイチジクの種★

2025-02-28 | アート・音楽・映画・本・舞台・ドラマ
「ヒジャブをきちんと被っていない」という罪に問われ逮捕され、後に死亡した若い女性の事件がありました。2022年のことでした。その事件があったイランが舞台の一家4人の物語。カンヌ国際映画祭で特別賞を獲り、米アカデミー賞にもノミネートされ話題となっています。

国家公務員として永らく勤めてきたお父さんが最近「予審判事」に昇進して、「これで3LDKに住めるわね!」と喜ぶお母さん。長女は大学生、次女は高校生。お洒落なインテリアの自宅に自家用車、美味しそうな食卓、今既にプチブルジョワ的な良い暮らしをしています。
「ヒジャブ事件」以降、街では毎日のように反政府派と取り締まり側の衝突が起こり、とても物騒です。
国家権力に反発を覚える長女のスマホにも、捉えられ警察から暴力を受ける人たちの生々しい動画が送られてきます。
ある日、長女の友人女性も重症を負いましたが、お母さんは「お父さんの出世に支障が出るから、反政府側の人と関わらないで!」と非難します。
お父さんは「政府に逆らう人」に刑罰を下すことが仕事で、日に何百人もの逮捕者を扱わねばならず多忙でイライラ。家族とロクに団欒もしていません。「国に忠実に仕えること」が、お父さんにとり一番大事なのです。
お母さんは、不機嫌な夫に気を遣い、反抗心を募らせる娘たちを叱りながら、なんとか精神の均衡を保っています。

昇進後、「護身用」として職場から渡されたピストルをお父さんが家に持ち帰りました。
「怖い」と驚くお母さん。寝室の引き出しにしまったのですが、ある朝お父さんはピストルが無くなっていることに気付きます。
国から託された武器を無くした、とあっては、懲役半年~三年の罪。何より信用を無くして、今までのキャリアと現在の地位全てがパーに。
焦ったお父さんは探しまくりますが、疑いは妻と娘に向けられ、やがて一家の日常は狂い出し。。。

私は他にもイランの映画を見たことがありますが、女性が被らねばならないヒジャブ=スカーフの存在が、単なる被服の問題ではなく「人権蹂躙」になっているのだと、痛切に感じます。生涯、身を隠すようにして生きていかねばならないとしたら、心も閉じ籠ってしまいそう。家父長制が厳格なイランで、女性が一人で身を立てて生きようとしたら、どんな職に就けばいいんだろう?
男の人たちの心情はわかりませんが、イスラム教の教義に従うことがやがて「権力」に結び付き、「逆らう者は排除するぞ=殺すぞ」にエスカレートしていく恐ろしさ。

「イチジクの種」は、鳥の糞に混じり木の下に落とされ、やがて芽が出たら地中に根を張る。
その根は伸びやがて強烈な力で、自分が張り付いた大木をも締め付けて殺してしまう。タイトルはそこからきているんだな~。
製作した監督は、「映画の内容が政府批判だ」と糾弾され、逮捕状が出ており国から脱出。命がけで作った映画は国内では上映禁止だそうで、肝心のイラン国民は見られない、という皮肉なことになっています。
世界中の人に見て欲しいなと思うし、女性を虐げる宗教文化って、何なのかな?と悶々としますが、とにかくサスペンス映画としても面白い。価値ある作品!★
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ああ広重展ラスト★

2024-09-01 | アート・音楽・映画・本・舞台・ドラマ

台風10号は結局どうなったのでしょうか!風は無しですよ、今のところ。
伊勢志摩あたりまで来てまた北上とかで、これから大雨来るのかもう終了なのか。曇り空の大阪です。
各所で豪雨に強風、昨夜はまた宮崎で地震もありました。災害のニュースばかり見てるのも辛いので、気分転換にあべのハルカス美術館で開催中の広重-摺の極-」を見に行こうと思っていたら、なんともう最終日。ぬかっていたなあ。
しかししかし、早朝からお腹の調子が悪く断念することにしました。とても人混みへ行けないわ。
まあ前にハルカスの浮世絵展見たし!3年前の高島屋「新版画展」にも行けたから!もういいか~、と自分を慰めるのでした。

「新版画」とは北斎や広重の活躍した時代から少し進み、明治~大正~昭和初期の木版画作品群の潮流を指すそうです。
大胆な構図、細く彫られた輪郭線、淡い色版を重ねて行く手法は浮世絵と同じですが、より装飾性も高くきらびやかになり、また「作家個人の芸術的志向」も強くなります。
「一枚絵」としての価値が高くなったというわけです。

画像は「新版画展」の時に購入した画集で、表紙は川瀬巴水(かわせはすい)の「尾州半田新川端」という木版画です。もう「ジャケ買い」ならぬ「表紙買い」で、惚れてしまった。
愛知県知多半島東の半田というところは醤油や酒造りで栄え、港町には蔵が立ち並んでいたとか(後の「ミツカン」の創業者がここの出身とは驚きです)。
港町の賑わいでなく、川端のしんとした雪景色を描いちゃうなんて。知多半島は明るい夏の日射しのイメージですが、こんな積もるような雪が降ってたんですねえ。

他には吉田博、笠松紫浪、伊東深水など有名な作家作品、チャールズ・バートレットなど日本で修行した外国人作家の版もおさめられています。全編美し過ぎ~で素晴らしい。日本の木版画って、川や海や湖や堀や雪や雨…なんつうか「水」の光景が多いように思います。
「水の光景」と木版画の水性絵具の滲み=淡さの相性が良いのかな、と思います。

私は川瀬巴水木版画のファンなのですが、大阪歴史博物館というところでこの秋に展覧会があるようです。10月5日~12月2日。
ということで広重さんはまた次を期待★
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バンクシー★

2023-10-30 | アート・音楽・映画・本・舞台・ドラマ
ストリートアートで有名な「あの」バンクシーが、パレスチナ自治区にいくつもの作品を描いているなんて。知りませんでした。
雑誌のバンクシー特集に載っていたのですが、ネットではこのGlobal voicesが詳しく解説してくれています(リンクフリーなので拝借)。
彼は2015年?実際にガザに潜入し、「壁」のパレスチナ側にも絵を描いたということですが、外国人は自由に入れるのでしょうか。
ベツレヘムにある「バンクシーのホテル」とやらは、作品で埋め尽くされているからまるで美術館みたいですが、実際に宿泊出来るそうです。
今はどうなっているのだろう。。。破壊されているのだろうか。
日々のニュースでどんどん街が破壊されていく様子がつらく、バンクシーも今、何を感じているのだろう?

芸術は無力なのだろうか。でもバンクシーのメッセージは、世界中の人に響いているはず。
このあいだ、ある番組の報道で、爆撃に追われ避難している子供の一人が「私たちは、普通の子供の生活が送りたいだけ!なぜそれが出来ないの!」と訴えていた姿が、ずっとずっと心に残っています。
ほんとだよね。。。ただ普通の子供でいたいよね。学校行って遊んでお菓子食べてサッカーして。。。
それは、全おとなの責任なのです。。。申し訳ない気持ちでいっぱいになります。
バンクシーの絵は、世界に真正面から立ち向かい、戦っているようかのように見えます。
自分に出来ることは、何だろうか。考えざるを得ません★
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筋肉は一夜にしてならず★

2023-05-18 | アート・音楽・映画・本・舞台・ドラマ
歌舞伎町タワー6階「シアター・ミラノ座」のこけら落とし公演「エヴァンゲリオン・ビヨンド」を見てきました。
東京日帰り弾丸ツアーです。母をデイサービスに送り出し、夕方は静岡の姉に援軍を頼んでなんとか敢行。
一本遅い新幹線では間に合わなかったので、ホンマにギリギリ、スリルとサスペンスです。

さて窪田くん「風の又三郎」以来三年ぶり?の主演舞台、面白かったです!
文楽、獅子舞?太鼓(にご詠歌?)、日本古来の文化を意識して取り入れて、迫力の映像と無機質な未来感覚の舞台装置と、見事に融合してました。
舞台がすんごく傾斜してるんですよね。ボリショイバレエの舞台でもあそこまではいかないよ。。。その傾斜で激しく動いたり踊ったりで、みんな足滑らせてケガしないかハラハラ。
ローザンヌバレエコンクールで入賞してからヨーロッパで活躍してた大植真太郎さんを見たかった、というのもあり、ダンサーたちの動きと顔にカブりついていたのですが、傾斜で逆立ちしてた人、あれやっぱり大植さんだよね(パンフ見ると)。凄かった。
演出のシェルカウイさんが全体の振付もしてるみたいですが、ジョン・ノイマイヤー風味を濃く感じました(個人的感覚)。クラシックバレエではなくコンテンポラリーダンスです。

踊りとフォーメーションで伝えるパートが好きで、セリフの舞台劇とのバランスもちょうどいい。そして何より、ワイヤーアクションが!

エヴァンゲリオンて原作読んでないんですが、人型戦闘ロボットを少年少女が操縦するのね。敵と戦うために。
ワイヤーで吊られた少年少女たちが宙を舞い、ロボットを操縦するアクションを繰り広げるのですが、あれ、私なら三秒吊られるだけでもギブアップだと思う(笑)。筋力がないと、ワイヤーに振られて演技するどころではない。皆さん素晴らしいです。プロです。

窪田くんは少年少女を導く「先生」の役ですが、「かつての少年」シーンもあるので、両方の演じ分けが上手い。
声の出し方、佇まいや身のこなしに存在感があって、「風の又三郎」時の「無垢なるもの」からの進化を感じました。
そしてダンスもサスガー!なんす。
前から「窪田正孝はダンサーなんすから!」と心で叫んでいた私ですが、ノイマイヤー的振り付けはとても彼にマッチしてました。内面の苦悩や葛藤を具現化する動き。
技術的にどうなのかはわかりませんが、優れたダンサーの踊りをたくさん見てきた私でも、魂を揺さぶられるものでありました。
やはり、手足が長く頭小さく肩幅広い、という欧米人的体型も相乗効果なんか知らんけど、彼は「瞬時の動き」に時々、天才的な冴えを見せるんです。だから元々、「演技の運動神経」の才があるのだと思います。

ヒロインの石橋静河さんも、バレエをやってるんだろうな~と思わせる美しいアラベスク。凛とした佇まいが素敵でした。
仲間由紀恵の旦那さん、田中の哲ちゃんも、立ってるだけで「頑健な司令官」て感じで、少年少女たちの無邪気さとの対比がくっきり。
メインポスターのデザインが黒と白なのは、大人と子供、汚れたものと清らかなもの、の対比を意味してるのかな?

原作を知らない私は、ストーリーの余白部分を想像で補わねばならず、目も脳も大変忙しい状態になってしまいました。
でもそんなこんなも、クライマックスの窪田くんの「ひとりシルク・ド・ソレイユ」シーンで、全て持っていかれてしまった。凄すぎる。
あれを見るためだけに、新幹線に乗りチケットを買う価値は十二分にあります(笑)。

終幕には彼の、彫刻のように美しい上腕二頭筋も拝めますので、私は来月再び大阪で堪能したく思います。

いやしかし、「筋肉は一夜にしてならず」やね。
日々のコツコツ鍛錬でしか、筋力はゲット出来ない!
つくづくと実感した日でありました(エヴァンゲリオン関係ない)★
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ホラーだけじゃないよ★

2022-10-29 | アート・音楽・映画・本・舞台・ドラマ






ハルカス美術館へ。楳図かずおさんの展覧会を見てきました。

東京展の時から10ヶ月待ちに待って遂に。
新作の「わたしは真悟・続編」の絵は、アクリルガッシュという不透明水彩絵具でB4ぐらいのサイズに描かれているのですが、101枚もある!
シュールな寓話というかブラック絵本といいますか。漫画とは違うストーリー絵画です。
楳図先生、86歳にして四年がかりで黙々と準備してはったのですね。そのマグマ的エネルギーと根気強さに驚嘆します。
額縁がですね。「赤白しましま」の楳図カラーといいますか、真っ赤な額縁でした。それがよく合ってるの。
マットは暗いグレーだったっけ。絵が重いというか派手カラーなので、額が地味だと台無しです。先生の額チョイス、さすがですわ。
相変わらず細部まで凄い。そして相変わらず構図のダイナミズムが凄い(こんな構図、思いついても描けない)。

極彩色の絵の、鉛筆スケッチ(デッサン)バージョンが並べられた部屋もありまして、不気味な暗い一室に電話の音だけが鳴っているという。
先生はプロモビデオで「僕、絵の色使いが綺麗でしょ!」と自画自賛してられたのですが、正直、色よりデッサンの凄さの方が際立ちました。すごいすごい。

全体は、「漂流教室」と「わたしは真悟」「14歳」の3部構成になってましたが、どれも「未来」「地球」「人類と機械」「植物と動物」「災害」「宇宙」など壮大なテーマでつながっています。
驚きなのは、漫画の小さいコマを100倍は拡大してデジタルアウトプットしているのに、線描が粗くない!
繊細な細かい筆致のまんまなんです。
ということは、楳図先生がいかに精緻なペン画を描いているか、ということなのです。

「わたしは真悟」はコンピューターのお話ですが、コンピューターの画面って、拡大してみると小さな四角が連なって濃淡が表現されていますよね。
楳図さんはその四角をひとつひとつ手描きしていたのは、有名な話。。。パソコンで絵を描く時代じゃなかったもんね。。。
しかもそれは一枚絵じゃなくて、週刊誌の連載。。。
やっぱり先生、人間じゃねえ~~~~~

楳図さん自身をモチーフとして他の作家さんが表現した「かずお14歳」とか、「14歳」の物語の最後に出てくるゴキンチ先生の風に揺れる頭とか(滅亡後の地球で最後に生き残ったのはゴキブリ)、壁一面の巨大画とか、とにかく凄かった。
楳図さんはホラー漫画の巨匠だけど、素晴らしい芸術家です。
「過去はとうに過ぎ去ったもの。常に新しい挑戦を」という芸術家魂が、ヒシヒシと私にも伝わってきました。

楳図グッズはTシャツとか色々ありましたが、どれも怖すぎて買うことが出来ない(笑)。
「わたしは真悟」の毎週の扉絵なんて「一枚の絵画」として傑作なんですが、ポストカードになっていて嬉しかった。ということでカードと「漂流教室ムック本」を購入。

和歌山生まれで奈良育ちの楳図先生。
前にも書きましたがわたしは一度、近鉄奈良駅前の商店街でお見かけしました。
赤白のボーダーシャツでGパンでモジャモジャ頭だから、遠目でも先生と解っちゃう。
洋品店の方と楽しげに喋っておられたので、邪魔しないように後ろを通りすぎましたが、帰省中だったのかな。軽やかな、少年のようなお姿とお声でした★
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認知症本の決定版!★

2022-09-16 | アート・音楽・映画・本・舞台・ドラマ
最近読んだ本で最も自分的ヒットの一冊。
「マンガ認知症」といいます。ネットで見つけました。
漫画家のニコ・ニコルソンさんのお祖母さんが70歳位から認知症を発症。その娘であるニコさんのお母さんは、東日本大震災で大変な目にあいやっと落ち着いたと思ったら、今度はワンオペ介護で悪戦苦闘することになります。
東京でマンガ家をしていたニコさんは心配して介護に加わり、そこへ「お助けマン」として学者である佐藤眞一さんが「サトー先生」として加わり、物語は進行していきます。

ニコさんの漫画が可愛いギャグタッチで、悲惨なことでも明るいトーン。でも時にはじーんとくる。素晴らしい説得力です。
著者の佐藤眞一先生という方は、老年行動学、老年心理学専門の医学博士で、ご自身も家族の認知症介護を経験しておられるのでまた説得力に満ちています。
やはり、認知症の人と暮らす困難とか家族介護者の心情は、経験しないと本当のところはわからない。
認知症の権威で有名な長谷川和夫さんも、「自分が認知症になって初めて患者の気持ちがわかった」と言っておられましたが、介護する側の心理は最後までわからなかったと思います。
赤ちゃんのおしめを洗うのとは違い、親の(失敗)排泄処理をするというのは、仕事として割り切った感情で行うことは無理といってもいい。
なので「割り切る」のではなく、「なぜ認知症の人はこういう行動をとるのか」「なぜこういう発言をするのか」。
その仕組みを、脳科学的側面と心理的側面の両方からサトー先生が解説してくれるのが、とてもツボです。
「そうそうそう!」「(介護者は)それが辛い!」「これって母の症状と全く同じ!」
…のオンパレード。もう、うなずきまくり。
ニコさんのお母さんはちょうど私と同世代かな。
「娘だから母一人ぐらい私が面倒みれなくてどうする」
「離婚して娘(ニコさん)の面倒を母がみてくれたから、私は仕事が出来た。だから今度は母に恩返ししなくては」。
この心理、痛いほどわかります。お母さんはお母さんなりに必死で介護してるのに、お祖母さんは「お金取っただろ!」とか怒る。
一番身近にいて誰よりも苦労してるのに、感謝されるどころかひどいことばっかり言われる。この理不尽さ。
私は母にドロボー呼ばわりされたり、意味なく怒られたりはしなかったから、まだ良かったかもですが、認知症初期にはそれが脳の病気だとはわからないから、「なんで?なんで?」の連続で腹が立つばかり。
その辺りの、症状の経過・進行、周りとのすれ違いがなぜ起こるか?が、丁寧に過不足なく描かれます。
私も認知症の本をかなり読んだ方ですが、もうこれは決定版ね。
これ一冊読めば!救われる!
とすら言いたい。

よくネットに、「認知症の人に怒ってはいけません。認知症の人はすぐ忘れても“怒られた”という嫌な感情だけは残ってしまうんです。だから介護者は怒らないようにしましょう」という解説があります。
それは正論かもしれないけれど、「正解」じゃない。
怒りの感情を押さえ込むとどんどん介護者はストレスがたまりますから、果ては虐待や心中みたいになっちゃうんです。
「理不尽に耐えよ」ではなく、「なぜその“理不尽”が起こるのか」。仕組みを知ることが大切。
認知症の人の脳と心を理解して(推測して)、どう対処すれば介護者は救われるか。
「介護される人と介護する人両方が楽になる」実用本とも言えます。

マンガっていいですね。私も好きになったこのニコルソンさん(日本人女性ですよ)の、お祖母さんはその後在宅介護から施設へ入られたそうで、「施設入所編」が続編として出るそうです。
そう、施設へ入所したからといって、全て解決!じゃなーい!
そこにも様々な問題が。。。という続編も、また買ってしまいそう★
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