上砂理佳のうぐいす日記

「夏への扉」展では暑い中、たくさんの方にお越しいただき誠にありがとうございました!★

バンクシー★

2023-10-30 | アート・音楽・映画・本・舞台・ドラマ
ストリートアートで有名な「あの」バンクシーが、パレスチナ自治区にいくつもの作品を描いているなんて。知りませんでした。
雑誌のバンクシー特集に載っていたのですが、ネットではこのGlobal voicesが詳しく解説してくれています(リンクフリーなので拝借)。
彼は2015年?実際にガザに潜入し、「壁」のパレスチナ側にも絵を描いたということですが、外国人は自由に入れるのでしょうか。
ベツレヘムにある「バンクシーのホテル」とやらは、作品で埋め尽くされているからまるで美術館みたいですが、実際に宿泊出来るそうです。
今はどうなっているのだろう。。。破壊されているのだろうか。
日々のニュースでどんどん街が破壊されていく様子がつらく、バンクシーも今、何を感じているのだろう?

芸術は無力なのだろうか。でもバンクシーのメッセージは、世界中の人に響いているはず。
このあいだ、ある番組の報道で、爆撃に追われ避難している子供の一人が「私たちは、普通の子供の生活が送りたいだけ!なぜそれが出来ないの!」と訴えていた姿が、ずっとずっと心に残っています。
ほんとだよね。。。ただ普通の子供でいたいよね。学校行って遊んでお菓子食べてサッカーして。。。
それは、全おとなの責任なのです。。。申し訳ない気持ちでいっぱいになります。
バンクシーの絵は、世界に真正面から立ち向かい、戦っているようかのように見えます。
自分に出来ることは、何だろうか。考えざるを得ません★
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筋肉は一夜にしてならず★

2023-05-18 | アート・音楽・映画・本・舞台・ドラマ
歌舞伎町タワー6階「シアター・ミラノ座」のこけら落とし公演「エヴァンゲリオン・ビヨンド」を見てきました。
東京日帰り弾丸ツアーです。母をデイサービスに送り出し、夕方は静岡の姉に援軍を頼んでなんとか敢行。
一本遅い新幹線では間に合わなかったので、ホンマにギリギリ、スリルとサスペンスです。

さて窪田くん「風の又三郎」以来三年ぶり?の主演舞台、面白かったです!
文楽、獅子舞?太鼓(にご詠歌?)、日本古来の文化を意識して取り入れて、迫力の映像と無機質な未来感覚の舞台装置と、見事に融合してました。
舞台がすんごく傾斜してるんですよね。ボリショイバレエの舞台でもあそこまではいかないよ。。。その傾斜で激しく動いたり踊ったりで、みんな足滑らせてケガしないかハラハラ。
ローザンヌバレエコンクールで入賞してからヨーロッパで活躍してた大植真太郎さんを見たかった、というのもあり、ダンサーたちの動きと顔にカブりついていたのですが、傾斜で逆立ちしてた人、あれやっぱり大植さんだよね(パンフ見ると)。凄かった。
演出のシェルカウイさんが全体の振付もしてるみたいですが、ジョン・ノイマイヤー風味を濃く感じました(個人的感覚)。クラシックバレエではなくコンテンポラリーダンスです。

踊りとフォーメーションで伝えるパートが好きで、セリフの舞台劇とのバランスもちょうどいい。そして何より、ワイヤーアクションが!

エヴァンゲリオンて原作読んでないんですが、人型戦闘ロボットを少年少女が操縦するのね。敵と戦うために。
ワイヤーで吊られた少年少女たちが宙を舞い、ロボットを操縦するアクションを繰り広げるのですが、あれ、私なら三秒吊られるだけでもギブアップだと思う(笑)。筋力がないと、ワイヤーに振られて演技するどころではない。皆さん素晴らしいです。プロです。

窪田くんは少年少女を導く「先生」の役ですが、「かつての少年」シーンもあるので、両方の演じ分けが上手い。
声の出し方、佇まいや身のこなしに存在感があって、「風の又三郎」時の「無垢なるもの」からの進化を感じました。
そしてダンスもサスガー!なんす。
前から「窪田正孝はダンサーなんすから!」と心で叫んでいた私ですが、ノイマイヤー的振り付けはとても彼にマッチしてました。内面の苦悩や葛藤を具現化する動き。
技術的にどうなのかはわかりませんが、優れたダンサーの踊りをたくさん見てきた私でも、魂を揺さぶられるものでありました。
やはり、手足が長く頭小さく肩幅広い、という欧米人的体型も相乗効果なんか知らんけど、彼は「瞬時の動き」に時々、天才的な冴えを見せるんです。だから元々、「演技の運動神経」の才があるのだと思います。

ヒロインの石橋静河さんも、バレエをやってるんだろうな~と思わせる美しいアラベスク。凛とした佇まいが素敵でした。
仲間由紀恵の旦那さん、田中の哲ちゃんも、立ってるだけで「頑健な司令官」て感じで、少年少女たちの無邪気さとの対比がくっきり。
メインポスターのデザインが黒と白なのは、大人と子供、汚れたものと清らかなもの、の対比を意味してるのかな?

原作を知らない私は、ストーリーの余白部分を想像で補わねばならず、目も脳も大変忙しい状態になってしまいました。
でもそんなこんなも、クライマックスの窪田くんの「ひとりシルク・ド・ソレイユ」シーンで、全て持っていかれてしまった。凄すぎる。
あれを見るためだけに、新幹線に乗りチケットを買う価値は十二分にあります(笑)。

終幕には彼の、彫刻のように美しい上腕二頭筋も拝めますので、私は来月再び大阪で堪能したく思います。

いやしかし、「筋肉は一夜にしてならず」やね。
日々のコツコツ鍛錬でしか、筋力はゲット出来ない!
つくづくと実感した日でありました(エヴァンゲリオン関係ない)★
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ホラーだけじゃないよ★

2022-10-29 | アート・音楽・映画・本・舞台・ドラマ






ハルカス美術館へ。楳図かずおさんの展覧会を見てきました。

東京展の時から10ヶ月待ちに待って遂に。
新作の「わたしは真悟・続編」の絵は、アクリルガッシュという不透明水彩絵具でB4ぐらいのサイズに描かれているのですが、101枚もある!
シュールな寓話というかブラック絵本といいますか。漫画とは違うストーリー絵画です。
楳図先生、86歳にして四年がかりで黙々と準備してはったのですね。そのマグマ的エネルギーと根気強さに驚嘆します。
額縁がですね。「赤白しましま」の楳図カラーといいますか、真っ赤な額縁でした。それがよく合ってるの。
マットは暗いグレーだったっけ。絵が重いというか派手カラーなので、額が地味だと台無しです。先生の額チョイス、さすがですわ。
相変わらず細部まで凄い。そして相変わらず構図のダイナミズムが凄い(こんな構図、思いついても描けない)。

極彩色の絵の、鉛筆スケッチ(デッサン)バージョンが並べられた部屋もありまして、不気味な暗い一室に電話の音だけが鳴っているという。
先生はプロモビデオで「僕、絵の色使いが綺麗でしょ!」と自画自賛してられたのですが、正直、色よりデッサンの凄さの方が際立ちました。すごいすごい。

全体は、「漂流教室」と「わたしは真悟」「14歳」の3部構成になってましたが、どれも「未来」「地球」「人類と機械」「植物と動物」「災害」「宇宙」など壮大なテーマでつながっています。
驚きなのは、漫画の小さいコマを100倍は拡大してデジタルアウトプットしているのに、線描が粗くない!
繊細な細かい筆致のまんまなんです。
ということは、楳図先生がいかに精緻なペン画を描いているか、ということなのです。

「わたしは真悟」はコンピューターのお話ですが、コンピューターの画面って、拡大してみると小さな四角が連なって濃淡が表現されていますよね。
楳図さんはその四角をひとつひとつ手描きしていたのは、有名な話。。。パソコンで絵を描く時代じゃなかったもんね。。。
しかもそれは一枚絵じゃなくて、週刊誌の連載。。。
やっぱり先生、人間じゃねえ~~~~~

楳図さん自身をモチーフとして他の作家さんが表現した「かずお14歳」とか、「14歳」の物語の最後に出てくるゴキンチ先生の風に揺れる頭とか(滅亡後の地球で最後に生き残ったのはゴキブリ)、壁一面の巨大画とか、とにかく凄かった。
楳図さんはホラー漫画の巨匠だけど、素晴らしい芸術家です。
「過去はとうに過ぎ去ったもの。常に新しい挑戦を」という芸術家魂が、ヒシヒシと私にも伝わってきました。

楳図グッズはTシャツとか色々ありましたが、どれも怖すぎて買うことが出来ない(笑)。
「わたしは真悟」の毎週の扉絵なんて「一枚の絵画」として傑作なんですが、ポストカードになっていて嬉しかった。ということでカードと「漂流教室ムック本」を購入。

和歌山生まれで奈良育ちの楳図先生。
前にも書きましたがわたしは一度、近鉄奈良駅前の商店街でお見かけしました。
赤白のボーダーシャツでGパンでモジャモジャ頭だから、遠目でも先生と解っちゃう。
洋品店の方と楽しげに喋っておられたので、邪魔しないように後ろを通りすぎましたが、帰省中だったのかな。軽やかな、少年のようなお姿とお声でした★
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認知症本の決定版!★

2022-09-16 | アート・音楽・映画・本・舞台・ドラマ
最近読んだ本で最も自分的ヒットの一冊。
「マンガ認知症」といいます。ネットで見つけました。
漫画家のニコ・ニコルソンさんのお祖母さんが70歳位から認知症を発症。その娘であるニコさんのお母さんは、東日本大震災で大変な目にあいやっと落ち着いたと思ったら、今度はワンオペ介護で悪戦苦闘することになります。
東京でマンガ家をしていたニコさんは心配して介護に加わり、そこへ「お助けマン」として学者である佐藤眞一さんが「サトー先生」として加わり、物語は進行していきます。

ニコさんの漫画が可愛いギャグタッチで、悲惨なことでも明るいトーン。でも時にはじーんとくる。素晴らしい説得力です。
著者の佐藤眞一先生という方は、老年行動学、老年心理学専門の医学博士で、ご自身も家族の認知症介護を経験しておられるのでまた説得力に満ちています。
やはり、認知症の人と暮らす困難とか家族介護者の心情は、経験しないと本当のところはわからない。
認知症の権威で有名な長谷川和夫さんも、「自分が認知症になって初めて患者の気持ちがわかった」と言っておられましたが、介護する側の心理は最後までわからなかったと思います。
赤ちゃんのおしめを洗うのとは違い、親の(失敗)排泄処理をするというのは、仕事として割り切った感情で行うことは無理といってもいい。
なので「割り切る」のではなく、「なぜ認知症の人はこういう行動をとるのか」「なぜこういう発言をするのか」。
その仕組みを、脳科学的側面と心理的側面の両方からサトー先生が解説してくれるのが、とてもツボです。
「そうそうそう!」「(介護者は)それが辛い!」「これって母の症状と全く同じ!」
…のオンパレード。もう、うなずきまくり。
ニコさんのお母さんはちょうど私と同世代かな。
「娘だから母一人ぐらい私が面倒みれなくてどうする」
「離婚して娘(ニコさん)の面倒を母がみてくれたから、私は仕事が出来た。だから今度は母に恩返ししなくては」。
この心理、痛いほどわかります。お母さんはお母さんなりに必死で介護してるのに、お祖母さんは「お金取っただろ!」とか怒る。
一番身近にいて誰よりも苦労してるのに、感謝されるどころかひどいことばっかり言われる。この理不尽さ。
私は母にドロボー呼ばわりされたり、意味なく怒られたりはしなかったから、まだ良かったかもですが、認知症初期にはそれが脳の病気だとはわからないから、「なんで?なんで?」の連続で腹が立つばかり。
その辺りの、症状の経過・進行、周りとのすれ違いがなぜ起こるか?が、丁寧に過不足なく描かれます。
私も認知症の本をかなり読んだ方ですが、もうこれは決定版ね。
これ一冊読めば!救われる!
とすら言いたい。

よくネットに、「認知症の人に怒ってはいけません。認知症の人はすぐ忘れても“怒られた”という嫌な感情だけは残ってしまうんです。だから介護者は怒らないようにしましょう」という解説があります。
それは正論かもしれないけれど、「正解」じゃない。
怒りの感情を押さえ込むとどんどん介護者はストレスがたまりますから、果ては虐待や心中みたいになっちゃうんです。
「理不尽に耐えよ」ではなく、「なぜその“理不尽”が起こるのか」。仕組みを知ることが大切。
認知症の人の脳と心を理解して(推測して)、どう対処すれば介護者は救われるか。
「介護される人と介護する人両方が楽になる」実用本とも言えます。

マンガっていいですね。私も好きになったこのニコルソンさん(日本人女性ですよ)の、お祖母さんはその後在宅介護から施設へ入られたそうで、「施設入所編」が続編として出るそうです。
そう、施設へ入所したからといって、全て解決!じゃなーい!
そこにも様々な問題が。。。という続編も、また買ってしまいそう★
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「うそ」を誠に替える★

2022-07-15 | アート・音楽・映画・本・舞台・ドラマ


さださんライブ話続きます。
さださんは30数億円の借金を30歳にして背負った事は有名ですが、あれって、映画「長江」を共同製作してた某TV局が途中で降りちゃったからなんです。
でももう、中国での大々的なロケは進んでるし、止めるわけにもいかない。
だから「ええい、ままよ!」と最後まで撮影し完成させて、そこそこヒットしたものの、赤字で膨大な借金が。それを全て30年かけて返済しながら、故郷の長崎のために尽力したり、「風に立つライオン基金」を作ったり。
災害や病気で苦しみを抱えた人のために寄付金を集めたり企画を立てて活動したり、普通なら自分の借金返済だけで精一杯のはずなのに、八面六臂の活躍なんです。

長崎ピーススフィアという「平和のために長崎から発信する」活動も、さださんが理事長で長く続けてはります。毎回、ライブ会場には募金コーナーが設けられています。


(大宰府公式HPより画像拝借しました)

今回のライブも「トーク半分」「歌半分」てな感じで、笑いにうるさい関西人のツボもがっつり掴んでいきます。
ご両親の話、ロシアのウクライナ侵攻の話、いろいろ。
「パンプキンパイとシナモン・ティー」「サナトリウム」「フレディもしくは三教街」など、古参ファンが涙する懐かしい曲もあれば、新アルバムからの「キーウから遠く離れて」なども。
ラスト近くに歌った新アルバムの「鷽替え」という曲は、大宰府天満宮の神事をモチーフとした歌でした。
「鷽」は「うそ」で、鳥の名前です。
私も大宰府に行った時に見かけた「木鷽(きうそ)」という木彫りの鳥の形のお守りを、1月7日にみんな持参して、「替えましょ、替えましょ」という掛け声に合わせて交換する。
その場に居合わせた見知らぬ他人の持ってきた木鷽人形を、どんどん交換して、自分の木鷽はどこに行ったかわからないけれど、「鷽」=「嘘」を手放して「誠の心」に替えてもらう。
この行事を「鷽替え」というそうで、初めて聞きました。

今、世界で起こっている「嘘」=邪悪なことが、美しいものに替わりますように。
何かそんな、さださん流の今一番の願いがこめられた曲のようで、歌声にも熱が入っていました。
普段は、優しくあたたかい曲が印象的なんですが、今回は「コロナ禍や戦争で苦しむ」厳しい世界の中でもがく、いち歌うたいとしての新しい局面を、見た思いがしました。
(ドラマ出演の話もちょこっと)★
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Queen展に感激★

2022-05-01 | アート・音楽・映画・本・舞台・ドラマ


大丸梅田で開催中の、クイーン50周年記念展を見てきました。Tセンパイありがとうございます。平日でも結構老若男女が詰めかけていました。



いきなりバレエダンサーみたいなコスチューム。左半分は黒です。白黒チェック柄の衣装とか覚えてるわ。フレディ・マーキュリーは立ち姿、歌う姿が美しく、天性のダンサーだと思ってましたが、小さい頃は運動神経抜群で表彰されてたそうです。知らんかった!



レディオ・ガ・ガ!的な、撮影スポット。



メンバーが使用していた楽器のモデルだとか。



病気が進行していくなか、最後のレコーディングを行ったスイスのレマン湖湖畔に、フレディの銅像が立っているそうな。これも知らんかった!



晩年のステージ衣装。いかにもなQueenでなくKingなのね。




日本にも関西にも度々お越しでした。西宮球場とか。
西武の野球帽をかぶりながら歌う日本ツアーの映像がありました。日本語の歌ってあったのね。知らんかった!



フレディと言えば、このポーズ。
そして「のけぞりイナバウアーポーズ」?
とにかく、身体柔らかいよ。そして顎の骨格と歯並びもあの歌唱力を作った要因と言われていますね。
「己の才能を正しく燃やして生ききった人」として、ほんまにフレディ・マーキュリー愛しい存在です。才能を燃やして世の人を喜ばせたのです。
この間、NHKでまた「ボヘミアン・ラプソディー」映画やってくれましたが、何度見てもボロボロ泣きますね~。

そういや月末に大阪の南港?で、「クイーンの花火」なるものがあるんですが、楽曲に合わせてドンドン・パッ!ドンドン・パッ!と花火が炸裂するんかいな★
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ベクシンスキーの絵★

2022-03-23 | アート・音楽・映画・本・舞台・ドラマ
だいぶ前に古本屋で見つけたベクシンスキーの画集。アメリカの刊行です。
MORPHEUS FINE ARTと書いてありますが、検索したら今も営業している画商のようです。
巻末年表では1998 年にアメリカで個展が開催されているので、その時の記念画集なのかも?

ちょっと不謹慎かもしれませんが、今のウクライナで最もひどい攻撃を受けているマリウポリの映像は、画家ベクシンスキーの悪夢のような絵と酷似しています。
砲撃を受け火で焼かれ、灰色の廃墟になっていく街。
遺体。骨。兵士の兜。銃。戦車。
クモの巣で覆い尽くされたような巨大な建物。
どうしたらこんなに悲惨な恐ろしい絵が描けるんだろう。。。
ギーガーはSFとかホラーの香りがしますが、ベクシンスキーは「死」「滅亡」の世界です。
人骨が大量に出てくるので、「ホロコースト」という言葉も浮かぶ。
殺戮の果てに人類は滅亡し、宇宙人なのか何なのか「異形の人」も出てきます。
めくるめく悪夢の連続絵に圧倒されますが、作風は繊細で美しい。そしてなぜか作品にタイトルはありません。想像せよ、ということか。

ズジスワフ・ベクシンスキーは1929年生まれのポーランド人。
ということで、ヒットラーと旧ソ連のポーランド侵攻の時は幼い少年だった。
一番多感な年頃に経験した「戦争」の生々しさが、作品に色濃く反映され、見る人の胸をえぐります。大学では建築を学んだそうで、道理で建物の描き方がガッツリ壮大。



ネット上では「ベクシンスキーの絵を三度見たら死ぬ」なんて噂がありますが、三度どころか画集で繰り返し見てる私は元気だっちゅうの。
こういう芸術が産まれる土壌。。。ウクライナとポーランドは似てる。うーん★
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国際女性デーに映画「ムクウェゲ」をご紹介★

2022-03-08 | アート・音楽・映画・本・舞台・ドラマ


今日、3月8日は「国際女性デー」ということですが、「国際男性デー」もあるのか?と調べてみたら11月18日とありました。男性デーに何をするのか?今年は注意してニュースを見てみよう。
ロシアのウクライナ侵攻の真っただ中で「女性デー」を迎えるということで、いろいろな思いが充満します。ウクライナは成人男性に「銃を取って戦おう」と推奨していますが(強制ではないらしい)、どうなのでしょうか。私が母親だったり妻だったら、嫌です。一緒に逃げます。でもあの立場に自分がいたら、自分も銃を取るのかもしれません。イザとなったらわかりません。

ミス・ウクライナの女性が銃を取って「国のために戦うわ」なんてニュースでやってましたが、「あ、駄目だ」と本能で思いました。たとえポーズとしても駄目でしょう。
男性と一緒の思考回路になってしまっては駄目なのです。「母国(家族)を守るために戦うことは尊い」という「聖戦」の固定観念が怖い。日本の戦時中もいましたね。割烹着姿で銃後を守る国防婦人会が。
「ほんとは銃なんて持ちたくないけど仕方がない」という個人の苦渋の決断なら別ですよ。
でも、戦時中に少女だったウチの母の証言を聞いていると、「みんな思考停止にならざるを得ない」だったと思います。
「戦争に協力して母国に勝利をもたらす」ことがデフォルトになってしまい、「戦争は嫌だ。やめよう」と言えなくなってしまう。付和雷同。同調圧力。強制的。それが駄目なのです。
でも今、当のウクライナの人たちも思いは様々だと思います。。。
ロシアで反戦デモに参加した多くの人が拘束されているということですが、「嫌だ。反対する」と言えない社会こそが恐ろしい。私の好きなロシアのフィギュアスケート選手たちも、誰もプーチンを批判出来ない。
あのプルシェンコですら歯切れの悪いSNS投稿でした。でもそれを責められないのです。
反戦メッセージをSNSに投稿する若い層の選手たちが、今後社会的に冷遇されたりしないか、そちらを心配します。
ある程度年をとった層は、SNSを見ないこともあり、「ロシアは正義、ウクライナは悪」と思い込んでいるか、保身のために「プーチン万歳」なのでしょう。
私は日本がこんな社会になったら、えらいことやなと思います。「駄目だ」と言える社会をキープすることは、民主主義を選ぶならとてつもなく大事なことでしょう。

2018年にノーベル平和賞を受賞されたコンゴ民主共和国のムクウェゲ医師を追ったドキュメンタリー映画「ムクウェゲ~女性にとって世界最悪の場所で戦う医師~」が、3月4日から公開されています。興味のある方も無い方も一度、リンクから解説と予告編を見て頂きたいです。
私はたまたまアップリンク京都のHPで見つけたのですが、大阪では第七藝術劇場で上映されるので、絶対観に行こうと思っています。
「アフリカのコンゴ民主共和国では、レアメタルや錫など豊富な鉱物資源があり、武装勢力はその利権をぶんどるため、性暴力で住民を脅す」とレビューにあります。
その被害者である女性たちを、長年自分の病院で治療し再生させてきた医師の物語だそうですが、いやこんなひどいことが世界の反対側で行われているなんて。
ムクウェゲ医師ご本人の言葉で、「世界の片側で起こっている問題は、全て自分にもつながっている」ことを痛感します。私らが気軽に使っているスマホにも使われるレアメタル。このスマホと、悲惨な目に合う産地の人々の生活がつながっていることを知ると、「なんとかせねば」という気になる。
少なくとも、「知らないまま」でいるよりも、「知って考える」方がいい。
もちろん全てを知ることは不可能ですが、映画という文化は、2時間弱で世界の様々な事象を誰でも知ることが出来る、有難いエンタメです。

前に「存在のない子供たち」の映画を見に行って衝撃を受けた話を書きましたが、このあいだテレ朝系のTVでド深夜に放映していて驚きました。
なんでこんな時間に。。。でもやらないよりマシなのか?この映画とか、有名な「スラムドッグミリオネア」などは、普段日本からめっちゃ遠い国の実情と悲劇を知るのに、とても有効です。
映画が自由に見られる、自由に考えて自由に意見を言える、そんな日本で今のところはありがたい、と思います。そして「自分に出来ること」に、また立ち返ってきます★
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エグいわ「決戦は日曜日」★

2022-01-18 | アート・音楽・映画・本・舞台・ドラマ
窪田君と宮沢りえちゃん共演ということで見てきましたが、予想外に面白かったです(笑)。暗くありません。お笑いです。
私は過去、姉がとある議員さんの選挙運動に関わっていたこともあり、無関心ではなかったですね。選挙のカラクリとか。

ベテランの地方議員の娘が急に選挙に出馬することになり、様々なトンチンカンが起こるのですが。。。あれ?選挙は予想外の方向に。どんどん運命が変わっていきます。
最初は、宮沢りえ嬢の純粋な熱意にほだされて、冷めきった議員事務所の秘書たちがだんだん彼女を応援し一致団結、万々歳。そんな予想をしてたのですが。
1986年生まれという坂下雄一郎監督(大阪芸大卒だ!)の若い感性は、そんなありきたりの感動ストーリーを許しませんでした。。。相当エグい「この日本の政治の現実」に、うっひゃーというか。でも笑わざるを得ない(笑)。
宣伝文句が「新感覚のポリティカル・コメディ」ですから。「人間悲喜劇」ですね。

あー。これから選挙を見る目が変わるな。
でも、大阪はちょっと違うな。維新に世襲議員は居ないから。やっぱり大阪は別宇宙かも。
パンフレットに池上彰氏がレビューを書いてるんですけど、ふんふんふんーって感じ。
これ、ほとんど無名に近い監督だから作れたのかも。大物になったら無理というか。いろんな所から圧力かかりそうで。
コメディの化粧を施しているけど、日本の現実はこれでいいんすかー。おかしいやろ!って監督のメッセージがちゃんと伝わる。鋭い映画ですよ。
舞台劇みたいなセリフの応酬が面白いんで、脚本まるごと載ってるパンフレット買いました。
もう一度、セリフを読み返して、反芻して味わう価値あり。

ラストも良い着地でしゃれてます。当選か落選か?
窪田君演ずる秘書・谷村の言葉が結論。それが「生きる道」ってことか。続きが見たい。
それにしても「エール」の前と後とで演技が変わったように見えました。
更に上手くなってるといいますか。リアリティが、ね。「犬猿」の頃と明らかに違う。
朝ドラで一年主役努めたから、鍛えられたんかな。
秘書ってとにかく「すみませんすみません」って頭下げまくるのが仕事なんですね。。。秘書それぞれのキャラも立ってて面白い。
みんな図太くてなかなか辞めないのは、お給料いいからだと思うわ(笑)。

坂下監督にはぜひ、この間問題になった議員さんの政務活動費のこととか、深掘りして描いて欲しい!あれ結局ウヤムヤやん。
今後に期待の監督です★
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ロベール・ドアノー★

2021-12-14 | アート・音楽・映画・本・舞台・ドラマ
フランスの写真家、故ロベール・ドアノーの映画を見てきました。
現在、京都の伊勢丹で写真展が開催されているので、並行してドキュメント映画も上映されているのです。
四条烏丸の京都シネマは初めてでしたが、小さいながらも素敵な劇場でした。
単館系あるあるの「シネマへの愛」が溢れまくっているという(アルバイト募集中です。行きたい)。

ロベール・ドアノーは知っていました。
私はアンリ・カルティエ=ブレッソンという写真家が好きで、彼が活躍した1950~1970年代のパリの写真集などを漁っていたら、ドアノーにも行き当たりました。
共に、第二次大戦後の古き善き時代のパリを、ユーモラスな視線で美しく切り取っています。

昔、心斎橋のアート系書店「アシーネ」で買った「パリの犬」という写真集に、ドアノーの写真がありまして。
このユニークな犬を連れてるおじさんは誰だろう?(庶民?)と思っていたら、なんとジャック・プレヴェールということが、映画でわかりました。
プレヴェール、有名な詩人ですね。シャンソンの「枯葉」の歌詞とか。「月のオペラ」のお話もそうじゃないのかな。
ドアノーと友人だったそうでよくつるんでいたとか。
こんなふうに、画家や写真家や詩人や映画監督や俳優と、友達になって夜な夜なワインなんか傾けてたんだろなあ。
みんなキャラが濃くって、こんな連中が集まってたら文化も熟成するはずやわ。

ドアノーは元々、生粋のパリっ子ではなく、パリ郊外のジャンティーという町で生まれ育ったそうです。
最初に出した写真集は、そのジャンティーで撮影したものでしたが、全く売れず「だから!誰がパリ郊外の写真なんて見たいもんか!みんな、パリが見たいんだよ!」と嘆きまくったとか。
本人乗り気じゃない企画だったんですね(笑)。でも駆け出しの頃はワガママ言えませんもんね。。。

色んな苦労がありながらも、早くに結婚しパリにスタジオを構え、子や孫を作り、おじいさんになっても活躍し続け(それでも晩年はお金に困っていたとか)、軽妙な写真スタイルそのまんまな人のようでした。
彼の撮影するパリはやっぱり楽しい。
そこに映る人々は庶民ばかりだけど、生命が輝いては消えていく。鼓動が聞こえてきそう。
パリは建物も美しいけど、「そこに生きる人々」がみんな、役者みたいでおかしい。

あんまり映画が面白かったので、肝心の写真展を見る時間がなくなった!
のでもう一回京都に行かねば★
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アメリカ人の作る「MINAMATA」★

2021-10-11 | アート・音楽・映画・本・舞台・ドラマ
ジョニー・デップがプロデュース兼主演の映画「MINAMATA」。
遂に見てきました!
コロナ前に噂を聞いていて、いつ日本に来るのかと待ちに待っていました。
結論から言いますと「ぜひ多くの人に見て欲しい」。
というか、日本人なら見なきゃダメ、とすら言いたい。
重い暗い作品かと思っていたら、ジャズの流れるポップな場面や粋なラブシーン、美しい海の情景や心地よいテンポ、陰陽のバランスが絶妙でちゃんと「エンタメ」になっていました。
写真を現像するところとか美しいです。私も暗室で現像液につけた事ありますが、あれは独特の感触。
ハリウッドと日本のドキュメンタリーが融合した感じで、すごーく不思議な気持ちになりました。
日本の俳優さんたちとデップが普通に卓袱台をはさんでご飯食べて会話してるとか、シュールだけど違和感なし。
音楽が坂本龍一で、もう素晴らしいのひとこと。
そう、音楽が流れてるだけで、悲しみや荘厳な祈りとか、さまざまな感情がかきたてられる。
 
前にも書きましたが私は海賊のデップさんやチョコレート工場のデップさんは嫌いで。
まあたまに出るならいいけどね。。。キワモノとかキャラクター俳優みたいなイメージ定着が気にくわない。
デップさんは実はめっちゃ繊細なガラスの少年、ガラスのおっちゃんなんです。
だから、作品と上手く合ってないときは散々だし、近年はアカンな~と思ってました。
若い時は「人生がうまくいかず傷つく若者」役が来るからナィーブに演じられたんですが、年とって地位が上がるともう重鎮役ばかり来るから、な~んか「それ、ジョニデちゃう!」になっちゃう。
海賊が当たったのは、彼の遊び心と器用さ。それにもともとのアウトロー気質。

そんなデップさんが水俣とチッソの事件に関心を持ってくれて、誠実に映画作って世界に届けようとしてくれた事が嬉しい。
名声というのは、こういう時に使うのだ、と。ご本人も解ってるんだ。
日本で製作しようにも、売れるワケない、と却下で終わってしまいそうじゃないですか。そんな力持った俳優さんとか監督とかいるかな?最近のオダギリジョー氏とかならいけるのだろうか。

水俣病はイタイイタイ病や四日市喘息と共に、私が小学生の頃大きく報じられた「公害」問題でした。
水俣のチッソ工場から流された排水に含まれるメチル水銀を食べた魚を、人間が食べ、その人だけでなく胎児にも障害が及ぶ、という基本ラインは、私の世代の人ならみんな知っているはず。
なんせ夏休みの自由研究に「公害」を選ぶ人が多かった!
学校でドキュメンタリー映像とか見たんじゃないかな。テレビでも特集されてました。

その後、アートの世界に進むと、関連の本でユージン・スミスの写真を見る機会が増え、奥さんが日系人だったこととか、水俣に住み患者を撮影した事など、少しは知るようになりましたが、やはり一本のエンタメ映画になることは大きい。
そうだったのか。
これはあくまで映画でエンタメですが、スミスがなぜ水俣病患者と関わることになったかがよく解りました。
「写真というものは、撮影する者の魂も削りとる」。まさにそんな姿でした。
彼と水俣病患者である少女の交流場面が、デップならではの温かさで、最も胸に残りました。

映画のエンドロールで、「世界のあちこちで起こった人為的事件」の写真が挿入されており、原発事故も薬害汚染も出てきます。あまりに沢山で、水俣だけではないのだな、と知らしめてくれる。
水俣の訴訟はまだ今も続いており、これからも忘れてはならないと思いました。
デップがベルリン国際映画祭の記者会見で語った言葉が、パンフレットの冒頭に紹介されています。
「私たちは皆、ただの一片のホコリであり、同時に小さな力なのです。私たちが窮地に立たされた時、誰かが率先して巨大な壁を壊そうとすれば、きっと大勢の人々が後に続いてくれるはずです」。

日本に住む日本人として、アメリカ人に水俣の映画を作ってもらって、ちょっと恥ずかしい。というか申し訳なさを感じます。
見過ごしてきたんだなあ、と。
一片のホコリとして。
でもホコリにも力があるんだって。
そういう自覚を促してくれるところに、この映画の真の価値があると思います★
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人間の一生★

2021-09-28 | アート・音楽・映画・本・舞台・ドラマ
「ポーの一族・秘密の花園篇」最終回読了。
結局、月刊フラワーズを買ってしまってるんですわ。
この間、長生きの話を書いたばかりなのに(笑)、今日は「人間の一生って、何て短いんだろう」と、儚さでいっぱいになりました。

ポーの一族は、萩尾望都さんの「吸血鬼の物語」なんですが、彼らは年をとらず永遠に生き続けます。心臓を撃ち抜かれない限り。
でも、人間の血を時々摂取しないと飢えちゃいますが。
普通に人間として死ぬのと、永遠に生きるのと。
どちらが幸せなんだろう?
「秘密の花園篇」の主人公、アーサー卿は、過去を悔いてばかりいて孤独に生きてきた貴族の御曹子です。 
が、胸の病に倒れもう余命は長くないと悟り、恋焦がれた女性、パトリシアに、遂に思いを伝えることが出来ました。
パトリシアは早くに結婚させられ子供もいるので、勿論離婚は出来ません。
でも彼女もアーサーが好きだったので、彼の思いを受け入れました。
現実的に結婚は出来なくとも、心が永遠に結ばれたので、「死んで悔い無し」というところでしょうか。
結局、アーサー卿は吸血鬼になり、永遠に生きることになるのですが、人間としては「生き切った」。
良い一生だった、といえるのでしょう★
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リバーに再会★

2021-05-29 | アート・音楽・映画・本・舞台・ドラマ
昨夜の「スタンド・バイ・ミー」はいつも夏休みにテレビでやってるのに、今年は早かったですね。五輪のため?
吹き替えにビックリ。崩れ落ちそうになってしまった。
あれは…クリス役のリバー・フェニックスが、低~い声で「ゴーディ…」ってつぶやくからいいのに。
当時、他の三人よりちょっとお兄さんで15歳だったと思います。なのでリバーだけが声変わりしてて、悪ガキだけど誠実で男気があるところが、魅力的でした。
でも吹き替えを差し引いても、やっぱり名作やんね。ぜひ日本語字幕版で4人の軽妙なトーク掛け合いを楽しんで欲しいです。こんなにナチュラルに演技出来る子供たちがいるなんて、さすがアメリカ、違うわーってびっくらしたもんね。
原作は文庫で持ってるのですが、映画よりもっとオドロオドロしい、「あーS・キング!」って感じのホラーです。多分、最初に小説の方読んでた人は、映画版があまりにも「青春グラフティ」と化してるので、面食らったと思います。
原作者のキングはこの映画の試写を見て、席で号泣していたそうなんで、ゴーディがキング自身で、クリスみたいな親友が居たということですね。確かにあのパイ早食い競争の〇〇連鎖なんて、ホラーだよね。。。

スタンド・バイ・ミーでリバー君に魅了された方ならば、ぜひこのあとに出た映画「モスキート・コースト」も観て頂きたいです。
文明に頼らず自給自足を目指すナチュラリストのお父さん(ハリソン・フォード)の冒険の旅に、一家が振り回されやがて悲劇的な展開に。。。というお話ですが、リバーはまだ幼い4人の兄弟たちの長男役です。「スタンド~」の頃よりちょっと大人びていて、最高に美しい。彼の目線で映画が語られます。
内容が暗いだけにアメリカでは興行不振だったということですが、私には十分に面白いアドベンチャー的映画でした。
そして書籍もその後買いまして、分厚いけど映画よりさらに面白いです。
世界は広いね。。。そして生き抜くのはハードだね。
旅に出た最初の頃は、おおらかで明るかったお父さんが、だんだんと狂信的になっていく。
自分は「神」だと思い込む。
仲の良かった家族がやがて。。。

リバーが薬物中毒で亡くなってから、もう30年は経つのでしょうか。
倒れた現場が、ジョニー・デップが経営する店の前だったというのも、当時大きな話題になりました。
亡くなる3年前位からリバーのヴィーガンっぷりは更に厳格になり、日本の女性誌の取材でも「お蕎麦のツユにはカツオが入ってるから駄目」ということで、「ほうれんそうのゴマ和え」が、取材陣からの差し入れでありました。
なんかこの辺りから顔つきが変わって、「肉を食べないから健康的な生活のはずなのに、お肌が荒れてる?」なんて思ってました。
リバーにとっては麻薬は「肉」じゃなく「野菜」だから?受け入れられたのかなあ。
当時の彼女さんは年上のヴィーガンの方で、この頃から「脱・ハリウッド」「脱・商業主義」に傾倒していったように思います(出演作を見る限り)。
「グラディエーター」「ジョーカー」で有名なホアキン・フェニックスはリバーの弟さんですが、若くして亡くなったお兄さんの幻影を彼に見て、少し切ない。
普通に年を重ねていたら、どんな役者さんに育っていってたんだろう。
「スタンド・バイ・ミー」のラストで「フッ」と消えてしまったクリスの後ろ姿と、リバーの死が重なります★
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nine doors ラスト★

2021-04-27 | アート・音楽・映画・本・舞台・ドラマ
最後のアップです。
壁が唯一藍色に塗られた部屋なので、暗く神秘的?な作品が多いような。


シャドウボックスの方が並びました。ボリュームも技術もすごい。


ガラスの作品が好き。夏が近づくから!?




壁の色とマッチした作品がやはり多いと思うのでした。


ほぼ立体で一番ナゾの作品でしたが好き。

私は、今日が搬出でした。
まだコロナ禍が今ほどではない早い段階で、版画が売れてくれてまして、とても嬉しかったです。
最後、新しい壁紙に穴をあけるという大ミスで怒られるオマケ付きでしたが(笑)。
(でもみんな私と同じミスを犯していた笑)。
郵送返送の作家さんの作品の梱包を、少し手伝ってたんですが、ダメですね。他人様の作品って取り扱いが難しい。
心斎橋も梅田も、大きな店舗や地下街は閉まってました。もちろん。
でも、パチンコ屋さんやスタバは開いてました。結構混んでました。
どうなんだろ。開いている店に、人は集中するし、電車内で喋る人も多いよ。
もう考えても仕方ないのかな。。。

次はぜひ感染を心配しないで、アートに向き合いたいし、お客さんにも楽しんで頂きたいです。
重ねて、お越し頂いた皆様、ありがとうございました。
ギャラリーの皆さま、作家のみなさま、おつかれさまでした★
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nine doors ⑥★

2021-04-26 | アート・音楽・映画・本・舞台・ドラマ
つづきです。


「春」というタイトルでこれも好きでした。おぼろ月のような。


三階でひときわ目を惹いた大作。「うたたね」とタイトルが書いてありました。
作者さんがおられたのでお話を聞いたら、地中に眠る蝉のイメージということでした。セピアの世界が素敵。


こちらも、真ん中の鉛筆画の方がギャラリーにおられました。
ワニの口の中に鳥がいるので「危ない~!(食べられちゃう?)なのですか?」と聞いたら、「いいえ。ワニの歯を綺麗に掃除してくれる鳥なのですよ。この鳥がいないと虫歯になっちゃうので、ワニの方が弱い立場ですね」なんてお話してくれました。


シンプルだけど好き。


白いTシャツや古シャツを組み合わせて。


何か摩訶不思議なパワーを感じました。
今回、180人余の作家さんが一堂に会しているので、当たり前ですが「エネルギーのうねり」みたいなものを感じました。
私が見る限りデジタル絵の方は少なくて、「なま」の作品が多かったと思います。
やっぱりいいね。「ナマ」は!
次で最後、ただひとつだけ壁が藍色の部屋「アイイロギャラリー」での作品群を★
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