サッカールーの何でもござれ パート2

シドニー在住者のサッカーについてのざれごとです。

カンセロロール

2021-02-18 09:00:46 | 日記

マンCITYの偽SB、カンセロロールを薀蓄してみよう。偽SBはペップだけの戦術ではないが、カンセロを使った左右非対称の偽SBはかなり特徴がある。偽SBとは本来SBの選手が中に絞ってボランチやインサイドハーフを務めることで、相手の守備を混乱させることが目的だろう。

 

しかしこれを機能させるためにはかなり苦労する。なぜならばSBが本来のポジションにいないならば、そのスペースに誰もいなくなるので、誰かがそこを埋める作業が必要となる。ならば元々のボランチなり、ウイングとポジションチェンジをすることになるのだろうが、そこにどういう意味があるのだろうか。

 

CITYの場合は、GKがボールを持った時点で左SBのカンセロがボランチになる。カンセロのスペースは3CBの右の選手が埋める。カンセロが真ん中に絞ったことで、敵の左ウイングがカンセロをマークするために、真ん中に絞ってくる。このために本来カンセロがいるSBのスペースがフリーになるので、このスペースをビルドアップの出口として利用する。

 

ポイントはカンセロの移動により、相手のウイングを引き連れさせてスペースを作ることにある。ただし問題点は2点ある。SBとしてのカンセロのスペースをカバーするCBに負担がかかること。カンセロに相手のウイングがついてこない場合はどうするのかということである。

 

CITYの場合は3バックになったり4バックになったりする。カンセロが絞り、自分の右サイドが手薄になると、本来の左SBがCBになりDFラインを構成する。また左SBとIHのデブライネ、右WGのマフレズが頻繁にポジションチェンジを繰り返して、ボールを動かす。つまりカンセロロールとは多くのポジションチェンジを伴う戦術で、偽SBだけではない高等戦術ということだ。

 

仮にこの戦術を日本代表でやるとすると、右SBの酒井が真ん中に絞り、そのスペースをボランチの遠藤が埋める。そして空いたスペースを利用してボールを前に進める。こういうイメージになる。当然のことながら熟練した連携が必要となるので、毎日一緒に練習しているクラブチームでなければできない戦術かも知れない。


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