サッカールーの何でもござれ パート2

シドニー在住者のサッカーについてのざれごとです。

マンチーニはサウジに行ってはいけないのか

2023-08-30 08:22:36 | 日記

イタリア代表監督だったマンチーニが辞任して、サウジ代表監督に就任した。この異動についてイタリアのメディアが猛批判している。マンチーニがイタリア代表監督を辞任したのが8月13日。サウジ代表監督就任発表が2週間後の8月27日。かなり手際がいい。

 

マンチーニはイタリアフットボール連盟の会長と契約条項などをめぐってもめていたので、両者に信頼関係はなかった。サウジからのオファーは年俸39億円。サウジには所得税がないのでこれがネットになる。4年契約で次のWCが終わり、2027年までの契約である。4年で約160億円も稼げる。これには誰でも食いつく。もっと途中で首にならなければだが。

 

サッカーはイタリア人にとっては宗教のようなもので、ヨーロッパの中でもどうしてイタリア人だけが時には暴力的になるほど熱狂するのか理解不明なことろもあるが、とにかくWC2大会予選敗退のイタリア代表を立て直す期待は大きいはず。最後の切り札として期待されてきたマンチーニに対する期待は大きかっただろうし、それゆえに今回のサウジ行きに対する失望も大きい。

 

それだけにメディアからは袋叩きにあっている。Gazzetta dello Sport紙のステーファノ・バリジェッリ編集長は、「我々にとって最初から明白だったことが、これですべての人にも明確になった。マンチーニがイタリア代表監督を辞任したのは、カネのためだけだった」と報じている。

 

「あれだけの額をどうして断れる、と正当化した者もいた。だが、断るものなのだ。イタリア代表のユニホームを選んだら、国を代表すると選んだら、自分の名前が記されたユニフホームを着ようと子どもたちが列をつくるのなら、断るものだ。契約を守るプロなら、豪華で幸運なキャリアのすべてで十分に稼いできたなら、断るのだ」と続けた。

 

これってかなり感情的になっているよね。マンチーニがこれまでに生涯年俸としていくら稼いだか知らないが、おそらくサウジの4年間でこれまでの合計を上回るかも知れない。現在58才のマンチーニが残りの人生の中で、サッカーでこんな莫大な金を稼げるのは最初で最後のチャンスだろう。

 

筆者だって160億円もらえるのであれば、サウジだってどこだって喜んで行きます。マンチーニがサウジに行ってどうして悪いのだろうか?