12月27日(火)のつぶやき（読んだ本、『トーイン クアルンゲの牛捕り』）

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【トーイン クアルンゲの牛捕り (海外文学セレクション)/キアラン・カーソン】
　古代アイルランドの英雄譚。とても面白く、興味深く読んだ。コナハト国の女王メーヴと王アリルの財産比べが発端となった、“牛捕り”のいくさ。アルスター国の最強の英雄にして狂戦士クー・フリンの活躍を中心に描く、長大な物語。アイルランド神話の世界を心ゆくまで堪能した。
　付録の内容も充実していて、隣接する別の物語の片鱗に触れられるのもとてもよかった。また、ロスク（美辞麗句）という様式で、登場人物たちが詩の吟唱で応酬する箇所や、誇張表現が募って法螺話になっていく場面には、大いに惹きつけられた。神話ならではの楽しさと驚きが、無尽に広がっている。