3月20日(水)のつぶやき(読んだ本、『ラパチーニの娘』)

@rinakko 08:36
【ラパチーニの娘―ナサニエル・ホーソーン短編集/ナサニエル ホーソーン】を読んだ本に追加

 “ウェイクフィールドは魔法にかけられたのだ。” 15頁

 うーむ、面白かった。大好きなのは表題作。毒薬を研究しているラパチーニ博士と、うっとりするような香りを纏った美しい無邪気な娘ベアトリーチェ。彼らの隣人となったジョヴァンニは、はっきりとしない恐れを抱きながらも、ベアトリーチェに近付きたい思いを止められなかった。やがて2人は、邪悪なまがい物の美しさで輝く庭園の中で、日ごと逢瀬を重ねる間柄にはなるのだが…。毒の扱いが面白かった。ラストは、ベアトリーチェの言葉が突き刺さる。
 読んでみたかった「ウェイクフィールド」や、「痣」も頗るよかった。「若いグッドマン・ブラウン」は、セイラム村を舞台に魔女集会を描き、実名も出てくる。最
後まで読むと、これは本当に怖い話だった。救いも答えもなく、ぞおっとした。

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