12月4日

 マルセル・シュオッブ『夢の扉 マルセル・シュオッブ名作名訳集』を読んだ。
 訳者は、上田敏、日夏耿之介、堀口大學、山内義雄、鈴木信太郎、矢野目源一、青柳瑞穂、渡辺一夫、日影丈吉、松室三郎、澁澤龍彥、種村季弘。
 
 どの作品も翻訳違いで再読。なのだが、流石は “十二人の翻訳者の手になる名作名訳” はとても贅沢な内容でうっとりする読み心地だった。
 とりわけ戦前の文章の味わい深さは格別でもあり、そもシュオッブの名文家ぶりが往時の仏文学者や詩人たちを如何に魅了し、その翻訳に腕を振るわせたかが窺われる。素晴らしい作品集だった。
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