11月22日

 イレネ・バジェホ/見田悠子訳『パピルスのなかの永遠』を読んだ。
 
 素晴らしい読み応え。本を閉じて「書物の歴史の物語」という副題に向き合うと、本当にその通りだったなぁ…と胸がいっぱいになる。
 古のギリシアからローマへと、本をめぐる遥かな時間旅行のようなエッセイ。ただ歴史をたどるのではなく、著者自身の本への深い思いが伝わってくるのもよかった。思い出の中の数々の本たち。書物はそこにありつづける、これからも。
 手に取るのが楽しみだった装幀は、カバーを広げてみてなるほど…と感嘆。

 “ある意味では、私たちすべての読者は、自らに轍を残した言葉をおさめた秘密の図書館を自分のなかに持っているのだ。”

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