11月27日

 ヘレナ・アトレー/三木直子訳『柑橘類と文明』を再読した。  
 
 昔から北ヨーロッパの人々が抱き続けた地中海南部への憧れ、その心象風景としての “レモンの花咲く国” をめぐる紀行文であり、イタリアとその柑橘類の物語を紹介してくれるエッセイでもあり。
 突然変異のキメラ(例えば仏手柑のような)が珍重されたメディチ家の柑橘類コレクションについて、シチリアに富をもたらしたレモンの果樹園がマフィアの台頭を招くことになった経緯、大量のオレンジが武器として使われるピエモンテ州のオレンジ合戦を見物した話…などなどとても面白かった。
 アマルフィ・レモンを使ったカラマラータの美味しそうなことよ。

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