3月24日(月)のつぶやき(読んだ本、『ファイナルガール』)

@rinakko 14:23
【ファイナルガール/藤野 可織】を読んだ本に追加

 楽しみにしていた短篇集。一つ、また一つと大切に読んだ。
 平穏無事を装っていた現実の薄っぺらな皮が、不意にぺろりと剥げる瞬間。むき出しにされた不条理への絶望に、懐かしい既視感が胸に溢れた「プファイフェンベルガー」。
 とりわけ好きだった「戦争」や「ファイナルガール」では、脆く頼りなく頽れていく…断絶された世界を突きつけられながら、それでも生き延びなけれなならない主人公たちの姿に、熱い塊がこみ上げた。

 現実は物語ではない。物語よりももっと不確かでもっと怖くて、決して物語のようにはいかない。だから彼女たちの眸には、プファイフェンベルガーの役どころやサイモンの方が、くっきりとわかりやすく確かな存在に見えてしまうのか。…そう考えてみると、まさにその感覚こそが、ここでリアルに描かれているのだ…とわかる。


@rinakko 14:59
藤野可織さんの「ファイナルガール」は装幀も素敵で、表紙の写真は中にも使われてるし、見返しの色が渋くて花布の朱色もいいわー。そして、帯で恋愛小説集と謳っていることに、読み終えてから気づいた。むむう、なるほど。しびれるわ…。
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