パヴェル・ブリッチ、『夜な夜な天使は舞い降りる』

 表紙の色は、赤ワインかしら…。『夜な夜な天使は舞い降りる 』の感想を少しばかり。

 “人間を見守ってくれている守護天使をなかなか目にすることはできないのはとても残念なことだ。” 11頁

 チェコに惹かれて手にとった一冊。プラハのとあるバロック様式の教会にて、夜な夜な集まっては、ミサ用ワインの在庫のボトルを開ける守護天使たち。彼らのお喋りの内容は、各々が見守る人々のこと…という設定自体は微笑ましいものの、いささかの物足りなさは否めなかった。ちょっと重たい本の後だったので、それはよかったかも知れない。目には見えないはずの天使と、守られているあるじとの不思議な結び付き…。
 そんな中で好きだったのは、「あるじを裏切った天使」、「シャム双生児の物語」、「幸運の子ども」、「天使の味」。訳者あとがきを読んで、他の作品を読んでみたいと思った。
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