2月14日(日)のつぶやき(読んだ本、『抱擁』)

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帰宅してから旦那さんにチョコを渡し、午前中に届いていた本の包みを開けた。モーグルの予選から決勝までは、近場のお蕎麦やさんで観ていた。
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【抱擁】を読んだ本に追加 http://book.akahoshitakuya.com/b/4104563048
16:48 from web
日曜の午後、うたた寝の気持ち良いことと言ったら…。重ね合わせた両手の上に、顔を横向きにして乗せていた。可愛い…くない?
17:37 from web
テーブル同士が近過ぎると感じることの多い、都会の飲食店。人の話し声が渾然となったざわめきが基調の音となり、隣の席の会話は丸聞こえだったり…。と、そんな場所で、小声で囁き合うように言葉を交わすカップルの姿を見ると、何だかいいなぁと思う。
17:37 from web
いかにも二人の世界という感じで、そこの空気だけが甘やかに閉じている。その場合、実際の会話の内容はさほど重要でもなく、ただ、心持ち顔を寄せ合うようにして相手にしか聞こえないぎりぎりの声で囁き、互いの声を聴きとる為にのみ耳を澄ますというやりとりの秘めやかさに、意味があるのだろうな。
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(続き)一昨日パスタをいただいたお店で、隣のカップルがまさにそんな風だった。そう言えばバレンタインデーも近いし、外は寒いしなぁ…と思ったのだ。
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…かく言う私は昔から、男の人が耳を傾けてくれる仕草が割と好きなのであるが、それはそもそも自分の地声が小さいから、相手のそんな仕草を目にすることが多かった所為かと思う。かき消されてしまう雑踏の中とか。…ということを、懐かしく思い出してみる。バレンタインデーはちょっと、昔から苦手だ。

 ☆    ☆    ☆    ☆

 辻原登さんの『抱擁』、まず装丁に惹かれた。昏くて美しくて、見ているだけで気持ちがざわつく。そして『ねじの回転』を読んだのは、こちらが読みたかったからである。

 鬱蒼とした森の中、東洋一の西洋式館でもあるというお城のように美しいお屋敷での奉公の日々。小間使として採用された主人公(語り手)の役目は、幼い緑子の相手役だった。ゆえにその生活を縁取るのは、ニレの木陰のベンチでいただくお茶やお菓子、バーネット先生のハイティーでのおしゃべり、窓辺での刺繍…。思いがけないところで「アエネアス物語」が出てきたりして、隅々まで堪能した。
 お屋敷をとり巻く深い森のイメージと、緑子の名前とが呼応するように響き合っていたと思う。樹木の精、みたいな。あと、姿見の使い方でぞくぞくした。

 そしてラストの衝撃。まといつくような余韻の中、「もしかして、そういうこと…?」とほぐれていく感覚がまた格別だった。そうしてもう一度タイトルを見て、全身が痺れて息が止まった。

(追記)この作品における森―樹木―の存在は、やはり大きいと思う。境界と遮断、そして向こう側との中継。となると緑子は器? …うーん。 
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