国の調査の一つに、文化庁が行っている「国民のことばに関する意識調査」があります。
これは平成7年度から毎年行っているものですが、今日はこの中から「うがった見方」の調査結果をご紹介します。
この言葉の本来の意味は「物事の本質を捉えた見方」ですが、文化庁の調査では、本来の意味で答えた人は26.4%と、ほぼ4人に1人だったそうです。
一方、「疑って掛かるような見方」という本来の意味ではない方を選んだ人は48.2%と半分近くいたそうです。
この背景には、「うがった」ということば自体を知らない人が増えているのとともに、言葉の響きの似たもの、即ち、「うたがった」「うかがった」「まちがった」・・などで覚えていることがあるようだ、とされています。
「うがつ(穿つ)」とは、「穴を掘る」とか「せんさくする」などが本来の意味であり、そこから派生して「物事を深く掘り下げた、所謂、本質を捉えた見方」になったので、十分注意したいものですが、最近では「うがちすぎの見方」という言い方を認めている国語辞典もあるようであり、その内、本来の意味が辞典から消えるかも知れませんね。