らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

ルビコン川

2013-11-10 | 時事

1カ月ほど前の新聞に “ルビコン川を渡った中部電力、首都圏進出の思惑 ”の見出しが載っていました。
内容は、中部電力が三菱商事系の新電力であるダイヤモンドパワー(東京・中央)を買収し、1日から首都圏で電力販売を始めたというもので、地域独占の営業区域に、電力会社の他社が攻め込むという、エネルギー大競争時代への布石か、電力自由化をにらんだ深謀遠慮か、そのいくつかの思惑が見え隠れする。
と言うものでした。

今日は電力の自由化と言う難しい問題ではなく「ルビコン川を渡る」という諺について調べました。

ルビコン川(Rubicon)は、イタリア北部を流れる川で、リゾート地として開発されているガッテーオ・ア・マーレでアドリア海に注ぐ、全長50キロ弱とそれほど長くはない川です。
ルビコンとはラテン語での呼び名で、現在イタリア語ではルビコーネ(Rubicone)と呼ばれており、 一時は乱開発が進んだことなどにより、エミリア=ロマーニャ州で最も汚れた川の一つに数えられていましたが、現在ではきれいになっているそうです。

その「ルビコン川を渡る」とは、紀元前49年、ポンペイウスとの対決を決意したカエサルが「賽(さい)は投げられた」と叫び、元老院令を無視して渡河したと言う故事に基づき、もう後戻りできないという覚悟のもと、重大な決断や行動を起こすことを言います。

・赤い線のところがルビコン川です。


ルビコン川は、古代ローマにおいて、本国である「イタリア」と属州ガリア・キサルピナの境界線の役割を果たしていました。
軍団を連れてこの川を越え、南下することは法により禁じられており、その南下行為はすなわち共和国に対する反逆とみなされたのです。
にも拘らず、紀元前49年1月10日、ローマ内戦において、ユリウス・カエサルが「賽は投げられた」と檄を発してルビコン川を渡りました。
以後、運命を決め、後戻りのできないような重大な決断と行動をすることの例えとして「ルビコン川を渡る」という諺が使われるようになりました。

中部電力がルビコン川を渡ったことは、地域独占の他社の営業区域に攻め込む決断をした訳であり、関西電力も子会社を通じ、来春をめどに首都圏に進出する予定と報道されいることから、いよいよエネルギー大競争時代の幕が開けられることになりそうです。