計算気象予報士の「知のテーパ」

旧名の「こんなの解けるかーっ!?」から改名しました。

梅雨末期の降水

2024年07月09日 | 山形県の局地気象
 前回の記事では、今年(2024年)6月の山形県内の降水量が平年よりも低かったことを紹介しました。

 暦は7月に入り、梅雨前線も日本海まで北上してきました。この影響で、山形県でも昨日(8日)と今日(9日)と2日連続でまとまった降水が見られました。


 左は昨日(8日)の6時~12時の6時間降水量の分布です。梅雨前線が日本海から東北地方に延びており、この前線に向かって暖かく湿った空気の流入が顕著となりました。このため、前線付近の対流が活発となり、山形県内でも強い雨となりました。これで、水不足は緩和されるのでしょうか。

 右は本日(9日)の6時~12時の山形県内の6時間降水量の分布です。新潟県村上市から山形県の庄内・最上地方にかけて、まとまった雨が観測されました。新潟県村上市付近では朝日連峰、山形県最上町付近では奥羽山脈に沿うような形で降水量の極大域が形成されています。土砂災害や河川の増水などにも注意が必要です。


 続いて、本日(9日)の気象場のポイントを見てみましょう。梅雨前線が日本海にあって、東西に長く延びています。また、南西からの暖かく湿った空気(高相当温位)が太平洋高気圧の縁辺に沿って北上し、梅雨前線に持続的に流入しました。上空の気圧の谷の影響も加わり、前線付近では対流が活発となりました。

 梅雨末期は、急な強い雨や大雨のおそれもあるので、最新情報の確認を心掛けましょう。まずは、お手持ちのスマホに「お天気アプリ」をインストール、またPCを使用される方は「お天気サイト」を幾つかブックマークに入れておきましょう。
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