計算気象予報士の「知のテーパ」

旧名の「こんなの解けるかーっ!?」から改名しました。

地方の若者のため息?

2009年11月22日 | オピニオン・コメント

<特集ワイド>地方女子のため息 30歳は分岐点?結婚・出産は自立への免罪符?


 何故、若者が故郷を離れて都会へ出たがるのか・・・このような所にも理由が隠れているのかもしれません。地方自治体では少子化対策として「婚活」支援事業を行っている所もあるようですが、事の本質はもっと「別の所にも」あるような気がしてなりません。そして、この記事で述べられている「漠然とした息苦しさ」は、何も女性だけに限ったものではないと思います。ただ、女性の方がより悩みが深いのかもしれませんね。

 現在は「人間関係が希薄」と良く言われます。確かに「以前に比べれば」人間関係が希薄になっているのは事実でしょう。しかし、この「基準」となっている「以前」の状態が、記事に述べられているように「人間関係が濃密で世間の目に縛られがち」であったがゆえに、「世間体」の名の下に個々の人格と自由が過度に縛られすぎてはいなかっただろうか、と見る事もできるのです。

 「現在は人間関係が希薄になった」という言い方と「以前に比べれば、現在は人間関係が希薄になった」では、指摘している事実は同じでも、受ける印象は違います。前者はわりと否定的なニュアンスが強いですが、後者はより客観的なニュアンスを受けます。

 また、同じ「人間関係が濃密」な状態であっても、その内容が「人情味のある温かい交流」であるのと「衆人監視の管理社会」であるのとでは、大きな違いがあります。現在の状態も、過去の状態も、一概に良い・悪いで割り切れるものではなく、時代の流れに伴う様々な価値観のスタンダードの変化に対応していく事が求められていくのかも知れません。

 すなわち、一人一人の人生と人格が互いに独立して存在し、その各々の人生が自主・自律と二重の自立(精神と経済の自律)に基づくものと考えています。自分の信念・理念をしっかりと持った者同士が互いに交流する、そのような時代に変化しているのかもしれません。自分の人生を、自分の手で、自分の力で切り開く事に挑戦したい、そう言った前向きな意志を持って、故郷を飛び出し、新しいステージへ飛び出そうとする事は、決して否定されるべきではないと思います。成功や失敗を繰り返す事で、人は学び、成長する事が出来ます。

 閑話休題。記事の中にある「地方が豊かだった時代はいいが、豊かさが失われた今、地方に残るのは、古い意識だけです」と言う指摘が、特に衝撃的でした・・・。

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