股間の解放記

普通の社会人PEKOの、日々思うことをつづっていきます。

朝が来る

2021年05月09日 19時17分05秒 | 映画評論ア行

製作年:2020年
製作国:日本
日本公開:2020年10月23日
監督:河瀬直美
出演:永作博美,井浦新,蒔田彩珠,浅田美代子,田中偉登,佐藤令旺,利重剛
映画『朝が来る』公式サイト

子供に恵まれなかった栗原佐都子(永作博美)と夫の清和(井浦新)は、特別養子縁組の制度を通じて男児を家族に迎える。それから6年、朝斗と名付けた息子の成長を見守る夫妻は平穏な毎日を過ごしていた。ある日、朝斗の生みの母親で片倉ひかりと名乗る女性(蒔田彩珠)から「子供を返してほしい」という電話がかかってくる。
ドラマ化もされた直木賞作家・辻村深月の小説を映画化。特別養子縁組で男児を迎えた夫婦と、子供を手放す幼い母親の葛藤と人生を描く。キャストは『八日目の蝉』などの永作博美をはじめ、井浦新、蒔田彩珠、浅田美代子ら。『殯(もがり)の森』などの河瀬直美監督がメガホンを取り、『凶悪』などの高橋泉が河瀬監督と共同で脚本を手掛けた。

子供に恵まれない夫婦が養子縁組で迎えた子供と、その子供を手放すことになった母親の葛藤を描いた本作。どうしても子供が欲しい願う夫婦にとっては念願の子供。血の繋がりなんて関係ない。命に代えてでもこの子を育てようと決意する栗原夫妻。そして愛する我が子を14歳で産み、養子に出したものの、我が子の事を忘れられずに再び子供を引き取ろうとする片倉ひかり。物語は2つの視点から描かれています。血の繋がらない家族と、親子の絆を失った母親。1人の息子を通して交錯する2人の母親の想いがとても切なく何とも言えませんでした。それぞれが抱えている葛藤や苦しみがとても丁寧に描かれていて、どちらにも感情移入してしまい、子供が欲しくても出来ない、子供を育てたいけど育てられない人が実際にいるだろうと考えるとまた胸が苦しくなります。そして色々と考えさせられました。2人の母親が痛みや苦しみを理解し合ったラストシーンが良かったです。
“なかったことにしないで”…それでいいんだよ。人生には色んな選択肢があって、一度決めた道であってもきっとまたどこかで道は繋がっている。正しいとか間違いとか、そんなのは無いのかもしれない。その時に出した答えが正解なのだから。「血縁?そんなもの超越している」という言葉に何故か涙腺がウルウルしてしまいました。
永作博美と井浦新の演技も良かったけど、やっぱり蒔田彩珠ちゃんの演技には吸い込まれました。明るく幸せな中学生から、自暴自棄に荒れていく姿の演じ分けが素晴らしかった!こういう映画を10代の若い子達に見せるべきだと思います。そして小さな命が救われて欲しいです。

この作品の評価・・・・★★★★★★★☆☆☆(満点は★10)
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