長い電話

2016-02-19 09:18:14 | タナカ君的日常
 愛知県に住む年配の未亡人のもとを訪れて、ご主人が戦前から愛用されていたと聞く、 碁盤と碁石を貰うことになっている。 その方は我が公民館囲碁のクラブの会長(サトウ)さんとのお付き合いのあった方。 それで、 僕に「碁盤が貰えるけれどタナカ君どうかな?」なんて話が飛び込んで来て、名古屋までそれを貰い受けに行く事になったのだ。 相手の方にはサトウさんの自宅に伺った一昨日の夜にサトウ家の電話から僕も話をさせて貰い、おおよその到着時刻も打ち合わせておいた。

 そして昨夜、僕の自宅から電話を入れた時の事。

「私はサトウさんを存じあげて信用している訳ですけれど、 タナカさんの事はお顔も知りませんし、 どの様な方かもしりません」、「だからとっても不安ですのよ」、「昨今いろんな詐欺事件なども起きているでしょ」「云々かんぬん・・・」 延々と電話の向こうの話が始まった。 

 僕としてはお宅に伺う時刻が早まる可能性があるのを了承してもらいたくて電話を掛けたのだけど、 相手の方のおしゃべりが延々と続き、 言葉を遮るタイミングがなかなか巡って来ません。

 思い切ってこちらから電話した用件を切り出しました。 それは了承して頂けたのだけど、 こんどは無事に到着出来るか不安だとて、 あれこれ交通機関の情報を話しだしました。 「一番のお勧めはJR名古屋駅からタクシーの利用です、 料金は3千円はかかりません」なんて事から「最寄りの私鉄駅からの距離やタクシー料金」、 「名古屋駅の私鉄の駅を探すのに道に迷わないかしら」などと、これまた電話での長話が延々と続くのです。 どうも僕の叔母と同じく一人暮らしになって久しく、 そのため話し相手(お喋り相手)大歓迎人間になっているようです。

 貰える碁盤は空襲に依る戦火で焼け焦げが出来ている物だそうで、 それを見るのは楽しみではあるのだが、 訪問して碁盤を頂いて、立ち去るまで、どの程度の所要時間となることやら・・・


 「僕がサトウさんの知り合いである事を証明するために、 サトウさんの写真を持参して見てもらいましょう」 そんな話を最後に長い電話を切ることが出来ました。
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