温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

藺牟田温泉 砂石会館

2013年06月07日 | 鹿児島県
※残念ながら閉館したようです


鹿児島県道42号「空港道路」を走っていたら、「完全源泉かけ流し」と書かれた黄色い看板が目に入ってきたので、その文言に導かれる形で藺牟田温泉の「砂石会館」へ立ち寄ってまいりました。「砂石」と書いて「さざらし」と読むんだそうです。この地域の旧町名は「祁答院(けどういん)」、温泉名は「藺牟田(いむた)」、そして施設名は「砂石」…。難読地名の連続で、脆弱な私のオツムは軽くパニックを起こしそうです。


 
路傍の看板には「さざらし湯」と書かれていますが、「砂石福祉会館」が正式名称のようでして、ネット上では「砂石会館」という呼び方が一般的になっているようですから、拙ブログでの呼び方も「砂石会館」で統一させていただきます。公衆浴場として外来客にも開かれていますが、あくまで昭和年代に建てられた地域のための福祉施設ですから、建物自体はいかにも公共施設らしい実用本位で地味な趣きです。


 
駐車場がある裏手へまわってみると、勝手口からも客が出入りできるようになっていました。学校の校舎みたいな外観ですね。



今回は勝手口から入館してみました。フローリングのロビーにはソファーやテレビが置かれており、誰も視ていないテレビは再放送のドラマを映していました。また室内には煙突式のストーブが設置されており、外観のみならずこのストーブも昭和の学校を彷彿とさせてくれますが、これって通年置きっぱなしなんでしょうか。学校でしたら用務員さんが季節の変わり目に撤去してくれましたが、学校じゃないから用務員さんはいないんでしょうし…。


 
ロビー隣の小部屋にいたおばさんに料金を支払い、廊下の突き当りにある浴室へと向かいます。その小部屋からはニャンコの鳴き声が聞こえて来ました。廊下を歩いている途中で、トアが開きっぱなしになっている部屋を覗いてみると、そこは休憩用のお座敷でした。昭和から時が止まっているかのような、懐かしい空気が漂うお部屋です。


 
脱衣室に入ると南国のお風呂には欠かせない扇風機が2台もグルグル回っていました。浴室の扉には湯使いの良さを強調する説明が貼り出されています。それによれば、加温加水循環なしの完全掛け流しであり、しかもそのお湯は貯湯槽などを経ること無く、源泉からダイレクトに浴槽へ引かれているんだとか。


 
かなり広い浴室の真ん中に、縦に長い楕円形の浴槽がひとつ据えられています。公営の古い浴場にありがちな、地味で質素な造りですが、古いながらもよく手入れされており、また一角には観葉植物も置かれ、無機質な雰囲気を少しでも打ち消そうと懸命に努力しているようでした。換気状態も良好で湯気篭りが無く、入室中は快適に過ごせました。
浴槽は前後で2つに分かれており、仕切りより湯口に近いほうが高い温度となっていましたが、その仕切りは湯面下に完全に沈んでいるため、仕切りの前後で温度差はあるものの、その差は1℃あるかないかといった程度でした。


 
洗い場にはシャワー付き混合水栓が5基取り付けられており、水だけが出るシャワーも1つ設けられています。シャワーのお湯は源泉使用でして、シャワーヘッドは吐水切り替えができるタイプです。


 
湯口からはしっかりとした量の源泉が注がれており、その周辺にはベージュ色した析出がデコボコを為しながらこびりついています。お湯は無色澄明でほぼ無臭。コップでお湯を飲んでみましたが、特にこれといった味は感じられず、強いて言えばコントレックスを薄くしたような、ちょっと重いミネラルウォーターのような喉越しがありました。



浴槽の縁からはふんだんにオーバーフローしており、お湯の鮮度は抜群です。優しく癖のないお湯の中ではサラスベ感が、そして湯上りには爽快感が得られました。シャキっとしたお湯がわずか150円で入れるんですから、なんとも有難い施設であります。


単純温泉 48.9℃ pH8.0 溶存物質402.3mg/kg 成分総計402.3mg/kg
Na+:114.5mg(88.45val%), Ca++:10.1mg(8.88mval%),
Cl-:152.4mg(75.84mval%), HCO3-:50.0mg(14.46mval%),
H2SiO3:52.0mg,

川内駅より「いむた池・いこいの村」行きバスで「藺牟田温泉」下車、
(バスの時刻は時刻表検索サイト「九州のバス時刻表」で検索してください)
鹿児島県薩摩川内市祁答院町藺牟田3144-1  地図
0996-56-0355

※残念ながら閉館したようです
第1・3月曜定休
150円
備品類なし

私の好み:★★
コメント (2)
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