温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

藺牟田温泉 下の湯

2013年06月06日 | 鹿児島県

今回からしばらく(約1ヶ月間)は九州の温泉を取り上げてまいりますので、よろしくお付き合いの程を。
まずは鹿児島県の旧祁答院町にある藺牟田温泉からスタートします。藺牟田の「藺」はイグサの「イ」。火山湖の藺牟田池は、湖畔の湿原の泥炭形成植物群落がとっても有名でして、ラムサール条約にも登録されている自然の宝庫です。かつては池畔の湿地でイグサを刈っていたため、そのような地名になったんだとか。

そんな藺牟田池から南東へ数キロ離れたところで湧く藺牟田温泉は、田んぼの中の集落に小規模な宿や浴場が点在している鄙びきった静かな田舎の温泉地であり、それぞれが民家の中に溶け込んでしまっているため、初めてここを訪れたときには、こんなところに温泉があるなんて信じられませんでした。そんな藺牟田の公衆浴場のひとつが今回取り上げる「下の湯」です。



集落を貫く清らかな川沿いに建てられた、瓦屋根の木造湯屋は、川に向かって湯気抜きが突き出ています。「下の湯」のすぐそばに架かる橋の上から湯屋の全貌を眺めることができるのですが、九州の田舎の公衆浴場らしい風情あふれる長閑な光景に、早くもハートを鷲掴みにされてしまいました。なお駐車場は川の対岸に用意されています。どうして九州ってフォトジェニックな浴場が多いんでしょう。


 
道路からアプローチの坂を下りて、表に窓口を開けている番台にて料金を支払います。といってもこの日は管理者の方が庭仕事に勤しんでいたので、「カウンターにお金を置いておきますね」と声をかけた上で、自分で小銭をお皿の上に載せておきました。



番台の横では、2匹のミニチュアダックス君がキャンキャンけたたましく吠えて他所者たる私を警戒していました。オイラってそんなに怪しい風貌しているかね?


 
地域のための公衆浴場らしく、浴室は全体的にコンパクトにまとめられています。床も浴槽も小さなタイルが敷き詰められており、床はベージュ系、槽内は水色で統一されています。
洗い場にはシャワーが4基取り付けられており、うち3基は混合水栓で残り1つは水オンリーです。水栓から出てくるお湯は温泉だと思われます。


 
四角い浴槽は5~6人サイズ。無色澄明の清らかなお湯が張られています。縁には紺色のタイルが用いられており、槽内の水色タイルとのコントラストがはっきりして、お湯の清らかさがより際立っていました。壁に貼られている写真は、藺牟田池の景色を写したものと思われますが、長年お湯を被りつづけたためか、かなり色が褪せちゃっています。


 
獅子の湯口から源泉がふんだんに投入され、浴槽の切り欠けから惜しげも無く溢れ出ていました。湯口の獅子は温泉成分の付着によって顔面がデコボコになっちゃっているのですが、なんとなくケーシー高峰に似ているような気がしませんか。師匠の口から吐き出されるお湯は加水加温循環消毒なしの完全掛け流しです。脱衣室には、飲泉許可を得ていない、湯船の湯口が近いのできになる人は飲泉を控えてほしい、という旨の注意書きが掲示されていたのですが、湯口の上にはコップが置かれていましたので、湯船云々なんて全く気にせずにお湯を飲んでみますと、ほとんど無味無臭でこれといった知覚的特徴は無いのですが、口の中で転がしてみたり、あるいはゴクリの飲んでみたりしますと、やや硬めのミネラルウォーター、具体的にはエビアンを思わせる鉱泉的な味が感じられました。癖が無く優しいサラサラとした感触のお湯ですので、毎日入るには良いでしょうね。グラッチェ。


藺牟田2・7・9号
単純温泉 45.0℃ pH7.1 溶存物質130.9mg/kg 成分総計169.5mg/kg
Na+:116.7mg(84.39mval%), Ca++:13.5mg(11.13mval%),
Cl-:151.2mg(73.96mval%), HCO3+:67.2mg(19.10mval%),
H2SiO3:126.7mg, CO2:38.6mg,

川内駅より「いむた池・いこいの村」行きバスで「藺牟田温泉」下車
(バスの時刻は時刻表検索サイト「九州のバス時刻表」で検索してください)
鹿児島県薩摩川内市祁答院町藺牟田2653  地図
※電話番号を削除しました。理由はコメント欄をご覧ください(2018年4月)

6:00~22:00 毎月10日・25日定休
150円
備品類なし

私の好み:★★★
コメント (2)
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