脱あしたのジョー

MTオリーブフィットネスボクシングクラブのブログ

非常識じゃないの

2011-10-05 | Weblog
先日新聞の記事で柔道で小学生が事故死した問題で、責任者に罰金刑であるが有罪がくだったそうだが、この記事を見て改めて青少年の指導の難しさと責任について思わされる。
オリーヴにはスタッフに専門家がいるからだと思うが、1年ぐらい前から子供のボクシングについての質問がある。
ほとんどの質問は電話による質問であるが「そちらでは子供にたたきあいをさせているのか」「実際子供がたたきあうことは危険か」というようなことであるが、まずはっきりいって子供にボクシングを奨励させているとしたら、先進国でそういう国は日本だけであり、子供になぐりあいをすすめることは常識的に考えておかしいことである。
英語で調べたら分かるが、アメリカや英国、そしてカナダなどの先進国はこういった行為に対して危険であると警告を発しているが、こと英国に至ってはBBCニュースでも取り上げられていたが、学校やスポーツ施設にパンフレットが配られたそうで、この問題はかなり深刻に受け止められていることが理解できる。
フランスなんかはボクシング自体野蛮なスポーツだと思われていて、フランス人のアリンがここでインテリの人たちがエクササイズとは言え、ボクシングしている姿を見て驚いていたほどであるが、日本ではボクシングと言うスポーツ自体マイナーなので問題にはならないのだろうが、しかし問題にならない分、杜撰な部分が多く、しかしこういった問題は子供の将来のこともあるので、医学的そして倫理的な問題なども含めとらえ見直していく必要がある。

もうなぜ危険かと言うことをいちいちここで詳しく説明する必要はないが、当たり前だが常識的に言って、子供にコンタクトありのボクシングをさせるということは医学的に非常に危険なことである。
おそらく医師などの立場にある人は、子供の頃からこのように脳に障害をもたらす可能性のある競技をすすめる人はいないと思うが、まず子供の脳と言うのは発達段階で、デリケートである。一般的に大人が脳しんとうから回復するのに3日かかるのにたいして、子供は10日かかると言われているが、このことは子供の脳がいかにデリケートかと言うことがわかる。
さらに頭蓋骨も発達段階にあり、子供の頭蓋骨と言うのはまだ柔らかいと言うが、こういう段階に脳に衝撃を与えると言うことは、非常に危険なことで、脳のダメージは5年後、10年後にあらわれるようで、それは記憶力のていかなどに見られるそうであるが、子供のころからはじめたら受験と言う時期にさしかかると思うのだが、半分冗談だが、うちのクラブで子供にコンタクトを禁止している理由は、受験におちたらうったえられるなどと言っているが、しかしそれらは冗談でもかなり、現実味のある冗談である。

さらに倫理的な面においても、子供の心理と言うのも12歳か15歳ぐらいまでは、エリクソンの言う発達段階で、非常に純粋でデリケートだ、その発達段階において特別なこと、子供どうしで殴り合いをさせると言うことは、子供の心に何か弊害をもたらすのではないかと考えている。
これは何もおおげさなことではない。よくうちの会員が言うのだが、はじめてマスをする時何がこわいかと言うと人をたたくことがこわいそうである。
たぶんけんかなど小学生からしたことがないのだろう。もと不良とかに「とにかくけんかと思って行け」なんて言うと「わかりやした」と行くのだろうが、しかし普通なぐりあいとは程遠い世界で生きている人間にとって、ボクシングはなぐるスポーツだと分かっていても非常にためらいがあり、お互いがそれをわりきってできるまでに多少の時間がかかるのだが、しかしこういう殴り合いを実際に子供のころからさせることにはかなりの抵抗があるが、子供にそれを越えさせて、ファイト、行け、戦えと煽るような行動にはいささか問題がある。(子供のケンカは自己主張や怒りやフラストレーションの爆発として認められる部分もあるが、しかしこういうかたちでのなぐりあいはどうなのか疑問だ)
これまでボクシングと言うのは不良のスポーツとして、そういう子供たちを更生させるスポーツとして認められてきた歴史がある。確かにアメリカなどでもそういう少年たちを更生させると言うような役割を担ってきたが、しかしこと現在の日本に関しては、大多数が一般の家庭に育った子供で、昔のように不良とか学歴がないとかそういう人間が何か認められるために、いのちをかけてやるようなものでもなく、みんなそれぞれある程度自己肯定感をもっているので、自分やひとを傷つけると言うことにはためらいがある。
ボクシングは人をたたいて倒すということが目的である。こういう事柄をはたして健康維持や興味だけではじめた子供に青年のようなやり方で徹底して教えることにはいささかの懸念がある。これらのことは脳への影響なども含めてかなり慎重に扱うべきことであるが、たぶん英語などでその危険性について調べたらかなり多くの事柄が見つかると思うのだが、何度も言うが日本の場合はマイナースポーツなのでこのことを深刻に受け止めてはいない。

しかしこういうことを言うと軽く当てているとか、十分注意していると言う人間もいるだろう。
しかし当たり前だが軽くあてるとか注意していると言う問題ではない。
だいいいち中学生の不良のいいわけでもあるまいし、子供同士がたたきあう現場で、軽く当てるとか注意して見ているというのは説得力のある言葉ではない。
たぶんこういう稚拙なごまかししかできない人間に、アカンタビリティという言葉を出しても分からないが、こういう問題は、クラブ側がこのことに関してどういう立場をとっているか。コンタクトを認めるか認めないか、競技に参加させるかさせないかをはっきりさせることが重要な問題で、もしそのことを認めるのであれば、その趣旨を説明し、その危険性を十分に説明するのがクラブ側の義務であり責任ではないかと思うのだ。
おそらく親はボクシングと言っても実際のところそれが何かよくわかっていないと思う、子供がやりたいと言っているからとか、体力をつけさせると言った理由で習わせているが、しかしそれでもたいていの親は少なくとも子供を危険な目にあわせたくない、ケガヤ障害をさけたいと思っていることはあたりまえのことである。
しかしこれに対して軽く当てているとか、安全性を確認してと言ってずるずるとペースに引き込んでいくのだが、しかしその軽くあてるとか安全性に気をつかってやっているということにどこまで責任をとれるのであろうか。
問題は実際にあてているのか、競技に参加するのかということであって、もしそういう立場をとるのであるならば、その脳への危険性を説明したうえで、親がどうさせるかと言う判断を取るのが公平なやり方だと私は考えているが、私は未成年の場合こういう危険なスポーツをさせるのにその危険性を十分親に説明し、告知する義務であり、そのことが法的にどうかかわっているのかということをこういう事件がおこった後は考えて見る必要は十分にあるだろう。

以前指導する人はある程度基礎学力がしっかりしていなくてはいけないと言ったが、現実的にこういう問題にさしかかった時に医学的やその他の学問的なことを理解する能力、そして英語で他の先進国はどういう立場なのかと言うことを調べる必要があるからで、現にUSAのアマチュアのガイドブックにはボクシングの技術よりもケガやニュートリジョンやその他の医学的知識のほうが多く書かれているが、今の時代はボクシングの技術といったことよりも、そういうことについてしっかり学ぶ必要があるのだが、そう考えると、何も考えないで、いきおいやのりで行こうとするやり方には問題を感じる。

このことに関しては深刻な問題なので、もう少し専門家の意見を聞いて、ひとつの論文のようなものにしたい。









  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ボクシングをはじめる前に

2011-10-03 | Weblog
最近早い時間は子供の数が目立つ。
ここオリーヴは小学生にボクシングの後にちょっとした英会話を教えているが、これが意外と喜ばれているのだが、ここのクラブには意外と小学生や中学生がいて、それぞれ楽しく汗を流している。
しかし私は最近子供にボクシングを教えるのあたってあることを、説明している。
それはボクシングが脳に与える危険性で、1年ぐらい前からスタッフに医師がいることもあって、時々電話で質問があるのだが
、このことに関しては英語のサイトを見たらわかるが、英国や米国そしてカナダの医師会なども深刻に取り上げている重大な問題なので、後にホームページでその倫理性なども含めて取り上げようと思うのだが、一般的に大人が脳しんとうから回復するのに3日かかるところを子供は10日かかるらしく、さらに骨の専門家によると子供の頭蓋骨自体まだ発達段階でやわらかいので、衝撃を加えると危険だそうで、当たり前だがここでは子供にまずボクシングの危険性を教え、スパーリングなどの行為は一切させてはいない。このことはうちのクラブの人たちがほぼ満場一致で認めている禁止事項である。

だいぶ前あるボクシング関係者がこういことを言っていた。
たぶんこういう発言はありがちな発言であるが、こうである。
最近の子供は限度を知らない、われわれの時代はけんかをしてどこまでやったらあぶないかということを理解したが、今の子供はけんかをしないから、どこまでやったらあぶないかということがわからないからこわい。
しかしボクシングと言うのはなぐりあいで、たたかれて痛みと言うものがわかるスポーツだから、そういう人をたたいたらいたいといことを身をもって教えることはいいことだ。というような内容の発言だが、わかったようなわからない発言だ。
そもそもこの発言には根拠がない。確かになぐられたらいたいと言うことは理解できる。
がしかしそれは感覚的な問題であって、どういう根拠があって言っているのかはわからないが、殴られてその痛みから人の痛みが分かるとか、何かを学ぶと言うことはかなり荒い発言であり、抽象的だと思うが、現にボクサーの暴力事件が他のスポーツに比べて目立っているが、なぐりあいをしたら人の痛みと言うものがわかるはずではないか?と思うのだが、だいたいこういうことを平然と言うのはかなりノーテンキで、物事を客観視できていない。
観察して分かるが、だいたいこういう奴らはスポーツを語るのに危険性を無視してロマンを語り過ぎである。
男だったらやってみろとか、自分の話しを誇張して、いかにも自分は成功者のようにふるまい、こういう世界は自己武勇伝であふれかえっている。
確かにリングの上で戦うと言うことに、ある種のカッコよさと言うものを男性であれば感じて当たり前であるが、しかしボクシングと言うのは医学上危険なスポーツであり、それを長く続ければ続けるほど危険なスポーツで、その後遺症は5年後10年後にでてくると言われているのだが、もしその人、青少年に指導する場合は、その子の将来のことも考えて、このスポーツに関してはその危険性を徹底して教えることは必要である。
日本はマイナースポーツなので取り上げられないが、しかし英語のサイトや論文などで、先進国ボクシングに対しての未青年にたいする取り組みを見てわかるが、アメリカ、カナダ、そして特に英国などは子供や未成年のボクシングに対して非常に厳しい目で見ているのだが、そのことはニュースや新聞にもたびたび取りあげられている。
以前ロサンゼルスタイムズで ボクシングの未青年に与える危険性について取り上げられていた。
ロサンゼルスというのはヒスパニック系が最も多く、ボクシングが盛んな州であるが、この州の代表的な新聞が、ボクシング特に未青年に与える危険性について取り上げられたと言うことは、たいへん興味深いことであり、そのことがこのボクシング先進国においても深刻化していると言うことがわかる。
さらに英国においては未青年には禁止すべきだと言うパンフレットが学校機関などに配られているそうだが、たぶんそこには脳へのダメージについて書かれていると思うのだが、こういった説明は指導する上ではある程度説明されるべきであり、常識的判断として未成年のスパーリングなどの行為は禁止すべきである。





 






  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする