英語のニュアンスは難しい例えばaとtheの使い方にも非常に微妙なミステイクがある。彼は信用できる男だという時He is the man you can rely on. でいいのかと言うと。そう言わない。なぜならこの世界で信用できる男は彼が唯一一人ではないからで、ここでtheをつけるとそうなってしまうからである。theと言うのはただ一つの特定されたものあるいは特定な集団を指す時に使う冠詞である。the united stateとかthe MOBなんて言うのもそうだが、日本人はtheをつける時「その」と言うような感じで使うが、使う前にそれが特定かどうかと言うことをよく考える必要はあるだろう。さらにとまどうのはyouの使い方である。英語は日本語と比べてyouと言う言葉が頻繁に使われるがそれはあなたがたという意味だけではなくdo you have a thingsのようにyouが店の定員を指すように集合体という意味でも使われる。日本人はこのyouと言う言葉をせいぜいあなた方という意味でしかとらえていないが、実はyouはthisやthatのように広がりを持つ言葉である。
英語は文法じゃないというやつがいるが、しかし英語は文法が大事、むしろ話せない人間がそう言うと負け惜しみのように聞こえてしまうが、当たり前だがきちんと話したかったら中学3年ぐらいまでの文法は必要である。そしてさらに言えば彼ら彼女らの習慣を知るということはそれを実際に使う意味では大事なことだ。島国の世界は周りが自分たちのことを知っているという感覚がある。村社会で周りがすべて自分たちのことを知っている世界ではyouと言うと他人行儀だ、しかし大陸のように多くの民族や宗教が入り乱れた環境ではあくまで出会う人は他人であってyouであるのだ。これはアジア人全般にいえることだが、その中でも特に日本人は他人との距離感が近いので時には非常に人間関係がわずらわしいことさえ思えてくる、田舎や同じ考え方で固まるような狭い集団になればなるほどこのyouと言う考え方が希薄になってくる。これは個人的な意見であるが英語を使うということはこのyouを頻繁につかうことだが、このことが他者との距離感を持たせているのだと思う。英語と言うのはこのyouをつかう分weと言う言葉は頻繁にはつかわない、weをつかうときはwe eat rice(日本人は米を食べます)のように特定な時にのみ使う言葉でweを連発すると自分たちだけはそうなんだぜと非常に閉鎖的に聞こえてしまうのだが、youと言うのは個人的な意見かもしれないが他者と自分を区別する言葉である。私は何を言いたいかと言うと他人をもっと意識しろということである。最近日本人の誇りであるとか、日本人をやたら強調するようなスローガンが掲げられマスメディアもこぞってそういう報道がなされたり、出版物などもそういうたぐいのものが目立ってきた。私はそのことに関してはわるいことだとは思わない、しかし環境的にも民族的にも他者をわからない人間が付和雷同に政府のスローガンや考え方に追従するのはいささか危険なことではないだろうか?オーストラリアの首都がわからない。カナダ、イスラエルの首都は?そういうレベルで世の中を見ている人間がただ自分たちは素晴らしいと煽られて愛国心的なものを持つことは危険なことである。
最近ハーフタレントと言うのが目立ってきてテレビをつければ必ず誰か一人は番組に登場しているぐらいの勢いである。しかし彼ら彼女らが持つイメージは必ずしもバイレイシャルを代表したものではない、容姿もよくバイリンガルで華やかな部分ばかりをテレビは映し出しているが、しかし彼ら彼女らはそういった人間ばかりではない。おそらくほとんどの人間が文化やアイデンティティの壁を経験し深く葛藤していて、このことを知ることはこれから日本がグローバル社会になっていく上での過程であるというのに、そういった部分を無視してただテレビ受けのいい部分だけを強調し、バイレイシャルの固定概念をつくってしまうのはいささかよくないこと、日本人が外国人と話す時に何を話していいのかわからない、そして国際舞台で的外れなことを言うのは英語が話せないと言うことよりも他の文化を受け入れることができない、理解しようとしないからである。そういう発想がHe is the manのミステイクにでているのだと思う。日本人が愛国心を持つことは間違ったことではないし、それは大いに賛成できることだ、しかし愛国心と言っても他者を理解できない、日本語しか理解できないのは今の日本の現状とグローバル社会と言う点で考えたら間違った方向に進んでしまう懸念があると思う。