自分の愛読書は孫子の「兵法」である。
この書物は経営とか組織そして、指導をする者にはたいへん役に立つ書物であるので、ボクシングや格闘系のスポーツをやる大学生には必読の書である。
ちなみに自分が学生たちにすすめているのは、まずこの孫子の「兵法」、マキャベリ「リゥイゥス論」、クラウゼヴィッツ「戦争論」リデルハート「戦略論」そして最後に、人類の知的遺産といわれている「聖書」である。
この5つの書物は人間観察や、組織をどう形成していくかと言う上では非常にためになる書物なのでお勧めしたい。
さて話は孫子の兵法の話に戻るが、孫子の兵法は大まかに言えば、守りが基本にあるといってもよい。
孫子曰く基本的に戦力や、防御力は確実に、自分で高めていくことができるらしい、これに比べて攻めると言うことは、相手も同じく、戦力や防御力を高めているのだから、もし攻めるならば、相手の戦力や防御力をさらにうわまらないと勝てない、だから自軍の防御力を上げるほうが得策であるというわけである。
確かに湾岸戦争で有名になったシュワルツコフは、攻撃側は防御側の3倍の戦力がいると言うが、孫子の「兵法」に於いて負けないと言うのは、防御を徹底してしっかりさせることなのである。
この見解はいささか議論の余地があると思うが、ボクシングにおいてもその防御を徹底させるということは、負けないボクシングを確立させる条件であると思っている。
われわれはどちらかと言うと、守りより攻めの練習を多くしているような気がする。
実際パンチをうったりするのに、多くの時間をさき練習はするのだが、こと防御になると、せいぜいコンビネーションをうつ時か、マスボクシングの時ぐらいで、きちんとしたフォーメーションで実践的な練習をしてこなかったのである。
これはある練習生と話をした時に、彼が言っていたことであるが、外国のチャンピオンで非常にジャブのつかい方がうまい選手がいて、彼のボクシングはガードをしっかりかためて、左を多くつかって相手を倒すそうである。
自分もそういうボクシングをめざしたいんですと言っていたが、私はこの話を聞いたとき「へーっそんな選手いるの、でも左だけでたおせんのか」と半ば、それは特別な場合で、特別な選手だけだと言う感覚で言ったのだが、しかし今思えば、彼の着目点はすばらしいと思う。
防御と言うのは重要である。しかし防御だけでは勝てない。
だからこそ、リスクの低い左を強化し、防御力をあげていく練習をすれば、孫子の言っている負けない、そして勝ちにいけるボクシングが実現できるのではないかと思っている。
攻めるというのは実に難しい、力のいることである。だから攻めることばかり考えるよりも、守りということからボクシングを見てみるのもおもしろいのではないだろうか。
この書物は経営とか組織そして、指導をする者にはたいへん役に立つ書物であるので、ボクシングや格闘系のスポーツをやる大学生には必読の書である。
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孫子曰く基本的に戦力や、防御力は確実に、自分で高めていくことができるらしい、これに比べて攻めると言うことは、相手も同じく、戦力や防御力を高めているのだから、もし攻めるならば、相手の戦力や防御力をさらにうわまらないと勝てない、だから自軍の防御力を上げるほうが得策であるというわけである。
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