脱あしたのジョー

MTオリーブフィットネスボクシングクラブのブログ

読書のすすめ 五輪の書

2007-12-10 | Weblog
最近やっと宮本武蔵の五輪の書を読んだ。
彼の兵法は同じ兵法を書き記した孫子やクラウゼビッツに比べて、個人戦重視であり、団体戦を学ぶにいたっては多少物足りないが、しかし個人技のボクシングにおいては参考になることが多いので、競技者は読むことをおすすめする。
その中でも特に興味を引かれることは、心理戦について語っていることである。
当時は武士道という固定した観念があり、ひきょうと思われるような手をつかって相手をゆさぶるということは、剣の道においてはあるまじき行為というような考えの中で、彼は堂々と相手の心を揺さぶり、動揺させるというようなことを言及している。
私自身は宮本武蔵というのはあまり好ましい人物ではなく、どちらかといえば武士道的なことを語たるが、実際はひきょうな手をつかって相手を打ちのめすダーティな人間と思っている。
その中でも佐々木小次郎を弟子が待ち伏せしてたたきのめした話は有名な話であり、このほか汚い手を使って相手を動揺させ斬り殺したという話は結構あるらしい(これがいわゆる彼がいうところの心理戦であるが)。
しかし彼ほど勝ちにこだわった剣豪はいない。彼があれだけ汚いと思えるようなことをやっってのけたのも、彼が勝ちにこだわるからであり、そういう意味では彼独特の哲学があり、それはマキャベリを思わせるようなところもある。
彼が心理戦にこだわったのはそれは勝ちにこだわったからである。
負けても明日があるなんていう生半可な気持ちはなく、どうしても勝たなくてはならないという気持ちに突き上げられ、書かれた書物,それが五輪の書なのだろう。
私は宮本武蔵をダーティだと言ったが、五輪の書自体は身体とか技術だけではなく心の鍛錬についても言及されているので、ボクシングなどの格闘技をやる人にとって興味深い書物であることは間違いない。

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