Mars&Jupiter

おおくぼっちの屋根裏部屋へようこそ!

ロベルト・カヤヌスの交響的序曲を聴く

2022-08-21 19:45:45 | 古典~現代音楽フィンランド編
今回は1856年生まれのフィンランドの作曲家、
ロベルト・カヤヌスが1926年に作曲した交響的序曲である。
今回聴いたCDの演奏はレイフ・セーゲルスタム指揮、
ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団のものである。
弾んだ音型に続き、ヴァイオリンが力強く、
生き生きとした旋律を奏でて始まる。
そして金管楽器が鳴り響いて盛り上がったあと、
ハープとヴァイオリン・ソロによる甘美な旋律が奏でられ、
再び金管楽器中心に盛り上がって、
そのあとは弦楽器中心に穏やかな旋律が奏でられ、
木管楽器も絡んでいき、さらに金管楽器が入り壮大な感じになり、
そのあとはヴァイオリン・ソロやフルートなどの楽器が活躍し、
再び弦楽器と金管楽器で盛り上がっていく。
そのあとも音楽はドラマティックに展開していき、
高らかに旋律を金管楽器が奏でるところと穏やかな部分が交互に現れ、
なかなか聴き応えのある序曲で、金管楽器中心に盛り上がり、
最後は弦楽器がそれを引き継ぎ、堂々とした感じで終わる。
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エルッキ・メラルティンの交響曲第1番ハ短調作品30の1を聴く

2022-08-20 22:26:16 | 古典~現代音楽フィンランド編
今回は1875年生まれのフィンランドの作曲家、
エルッキ・メラルティンが1902年に作曲した、
交響曲第1番ハ短調作品30の1である。
今回聴いたCDの演奏はレオニード・グリン指揮、
タンベレ・フィルハーモニー管弦楽団のものである。
第一楽章アダージョ-アレグロ・モルト・モデラート・エド・エネルジーコは、
悲劇的な感じで弦楽器と金管楽器で力強く始まり、第一主題が奏でられ、
そのあと対照的で明るく軽快な第二主題が現れる。
そのあと各主題が変形される展開部に入る。
金管楽器が鳴り響き、盛り上がったりもするが、
いったん静まり、金管楽器が鳴り響き再現部に入る。
金管楽器の鳴り響くところはブルックナー風である。
最後は金管楽器中心に盛り上がって力強く終わる。
第二楽章アダージョは、弦楽器中心に抒情的な旋律が奏でられて始まる。
美しい旋律であり、金管楽器も加わり盛り上がっていく。
そのあとは弦楽器中心に進行し、木管楽器や金管楽器も絡み、
最後は静かになり、穏やかに終わる。
第三楽章スケルツォ(アレグロ・ヴィヴァーチェ)は、
木管楽器から始まり、弦楽器が生き生きとした旋律を奏で、
フーガ風な旋律の受け渡しをしていき、
そのあと舞踏的な旋律が、中心になる。
中間部は木管楽器が活躍し、牧歌的な感じの音楽となる。
そして再びスケルツォ主題が繰り返されるが、
ブルックナーの影響を感じさせるところがある。
弦楽器中心に最後は静かに終わる。
第四楽章フィナーレ(アレグロ・ヴィヴァーチェ)は、
明るく生き生きとした旋律が奏でられて始まる。
弦楽器と金管楽器を中心に、木管楽器も絡んでいく。
行進曲のように推進力のある音楽を展開していき、
木管楽器が奏でた旋律を金管楽器が引き継ぎ、
最後は盛り上がったところで輝かしく終わる。
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カレヴィ・アホの音詩「沈黙」とヴァイオリン協奏曲を聴く

2022-08-17 11:16:40 | 古典~現代音楽フィンランド編
今回は1949年生まれのフィンランドの作曲家カレヴィ・アホが、
1982年に作曲した音詩「沈黙」と、
1981年から82年の間に作曲したヴァイオリン協奏曲を取り上げる。
今回聴いたCDの演奏はオスモ・ヴァンスカ指揮、
ラハティ交響楽団のものである。
ヴァイオリン協奏曲のヴァイオリン独奏者は、
マンフレート・グレスベックである。
音詩「沈黙」は、ヴァイオリン協奏曲演奏の前に、
短い導入として考えられた曲で、タイトルは、
詩人オットー・マンニネンの同名の詩からとっている。
フィンランド放送協会の委嘱を受けて作曲された。
沈黙というタイトル通り、淡い感じの音で静かに始まるが、
木管楽器や金管楽器などの音型が弦楽器の音と重なり合い、
徐々に音の厚みが出てきて盛り上がったあと、
静まって、木管楽器の伸ばす音で終わる。

ヴァイオリン協奏曲の第一楽章アンダンテは、
ヴァイオリン・ソロの音から始まり、
それに弦楽器群が入り、金管楽器・木管楽器が絡んでいく。
徐々に大音響になり、それが静まり室内楽的な響きに
なったところで、ヴァイオリン・ソロが活躍する。
ホルンの音が響き、荒涼とした雰囲気の中で、
再び金管楽器と打楽器で大音響となり、
静まったあとヴァイオリン・ソロが軽快に活躍する。
最後はヴァイオリン・ソロの音だけが残って終わる。
第二楽章レッジェーロ(軽やかに)は、
木管楽器の奏でる軽快な音型で始まる。
それが終わると、ヴァイオリン・ソロが入り、
そこからは木管楽器と絡んでいく。
そして、金管楽器のファンファーレ風の音が鳴り、
ヴァイオリン・ソロもそれに重なっていく。
そのあと木管楽器中心に活躍するところがあり、
それが終わると打楽器とヴァイオリン・ソロの部分になり、
金管楽器の音も重なったあと、ヴァイオリン・ソロ中心に活躍し、
ここはヴァイオリンの技巧的な部分がみられ、最後静かに終わる。

第三楽章「ワルツのテンポで」は、金管楽器の音で始まる。
そして弦楽器中心にワルツ風の旋律が奏でられる。
やがてヴァイオリン・ソロもワルツ風に音型を奏でていく。
そして金管楽器が鳴り響く部分になり、
ワルツ風の音楽はいったん姿を消す。
それが終わるとヴァイオリン・ソロ中心に、
ワルツ風の音型が奏でられていき、フルートなど絡み、
打楽器と金管楽器が鳴り響き、再び大音響となる。
荒々しい感じの音楽が続いた後、静かになり、
ヴァイオリン・ソロ中心に室内楽的な音楽になる。
最後は弦楽器とヴァイオリン・ソロのみになり静かに終わる。
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アウリス・サッリネンの荘厳序曲「リア王」作品75を聴く

2022-08-16 08:35:29 | 古典~現代音楽フィンランド編
今回は1935年生まれのフィンランドの作曲家サッリネンが、
1997年に作曲した荘厳序曲「リア王」作品75を取り上げる。
今回聴いたCDの演奏は、アリ・ラシライネン指揮、
ラインラント=プファルツ州立フィルハーモニー管弦楽団である。
この序曲は「リア王」という名称がついているので、
次の作品番号の歌劇「リア王」作品76との関連性が、
あるようにも思わせるのだが、どうやらそれは薄いようだ。
ティンパニの音に始まり、弦楽器が旋律を奏でていく。
力強さや重々しい雰囲気は、悲劇の王のイメージを持たせる。
金管楽器によるファンファーレ風の音楽が現れ、
弦楽器中心の抒情的な音楽が交互に現れる。
ドラマティックな展開をみせ、映画音楽のようでもある。
最後も金管楽器によるファンファーレ風の音楽が現れ、
その音が徐々に小さくなっていき、弦楽器の音が残って終わる。
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アウリス・サッリネンの交響曲第7番作品71「ガンダルフの夢」を聴く

2022-08-15 09:37:51 | 古典~現代音楽フィンランド編
昨日はテレビで今年のヴァルトビューネを聴きました。
ゲルシュタインのピアノによるラフマニノフの、
ピアノ協奏曲第2番ももちろん良かったのですが、
ペトレンコの指揮によるムソルグスキー作曲、
ラヴェル編曲の組曲「展覧会の絵」は特に良かったです。
今のウクライナ情勢と重ね合わせて聴いてしまうからか、
不思議で新鮮な感覚で聴くことができ、
この作品の良さを十分に引き立たせる演奏でした。
特に「ブイドロ」のところの盛り上がりの部分や
「サムエル・ゴールデンベルクとシュムイレ」の
二つの旋律の掛け合いのところが素晴らしかった。

さて、今回は1935年生まれのフィンランドの作曲家、
サッリネンが1995年から1996年にかけて作曲した、
交響曲第7番作品71「ガンダルフの夢」を取り上げる。
今回聴いたCDの演奏は、アリ・ラシライネン指揮、
ラインラント=プファルツ州立フィルハーモニー管弦楽団である。
この作品はロード・オブ・ザ・リングとの関連性があるようだ。
作曲家はこの小説に基づくバレエ作品の構想をもっていたようだ。
その作品の実現はされなかったようだが、
交響曲第7番の副題が「ガンダルフの夢」であるように、
この小説の中の出来事をもとに描写した交響曲であるようだ。
金管楽器と打楽器により重々しく始まる。
弦楽器はせわしないような音型の旋律を奏でていき、
冒頭から不安な感じが続いていく。
そのあと金管楽器によるファンファーレ風の音楽が現れ、
弦楽器による静かな音楽になり、神秘的な雰囲気にもなる。
小太鼓など打楽器と金管楽器の強烈なリズムなどにより、
音楽は徐々に荒々しくなり、木管楽器を中心とした旋律や、
弦楽器の奏でる旋律はファンタジーの世界へと誘う。
その後はフルートの印象ある音型や、北欧らしい音楽、
ブルックナーを思わせる金管楽器のファンファーレ的な音楽が続く。
そして打楽器と金管楽器による力強い音楽となり、
強烈なリズムが刻まれていき、ドラマティックである。
そのあと弦楽器中心の音楽になり、打楽器やチェレスタとの絡んでいき、
最後はチェレスタの音が残り神秘的な感じで終わる。
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