Mars&Jupiter

おおくぼっちの屋根裏部屋へようこそ!

イーゴリ・ストラヴィンスキーのバレエ音楽「アゴン」を聴く

2012-08-27 14:38:33 | ストラヴィンスキーの作品
一昨日と昨日もウォーキングを休みました。
今回とりあげるストラヴィンスキーの作品は、
1953年から1957年にかけて作曲されたバレエ音楽「アゴン」である。
シェーンベルクが亡くなった翌年から作曲にとりかかったこの作品には、
十二音技法がそれまでの彼の音楽とうまく融合しあっている印象を受ける。
演奏はデイヴィッド・アサートン指揮、ロンドン・シンフォニエッタによる。
第1部は、パ・ド・カトル、ダブル・パ・ド・カトル、
トリプル・パ・ド・カトルとなっている。
冒頭はトランペットにより軽快に始まる旋律に続き、
他の楽器もその旋律を受け継いで始まる。
続くダブル・パ・ド・カトルは無調の響きとなり、
最後のトリプル・パ・ド・カトルはそれまでの音楽を引き継ぎ、
軽快な感じの中、最後静かに終わる。

第2部は、前奏曲に続き、第1パ・ド・トロワに入り、
サラバンド、ガイヤール、コーダ、間奏曲と続く。
前奏曲はティンパニの音にトランペットが絡んで始まる。
そしてフルートとティンパニによる音のやりとりが続り、
ファゴットやハープが入ってくる。
サラバンドはヴァイオリンと金管楽器の音のやりとりが続き、
ガイヤールはハープとマンドリンが活躍する古風で牧歌的な音楽。
コーダは金管楽器とヴァイオリンの奏でる音型に木管楽器が絡む
間奏曲は前奏曲と同じ旋律が変奏され繰り返される。
第2パ・ド・トロワは、ブラン・サンブル、ブラン・ゲ、
ブラン・ダブル、間奏曲、パ・ド・ドゥと続いて終わる。
ブラン・サンブルは金管楽器と木管楽器が活躍する。
ブラン・ゲはカスタネットの叩くリズムの上で、
木管楽器が無機質的な感じの音型を繰り返す。、
ブラン・ダブルは、弦楽器と金管楽器により、
旋律が力強く繰り返されていき、最後はおだやかな感じとなる。
間奏曲は、前奏曲の旋律が変奏されて繰り返される。
パ・ド・ドゥはこの全曲の中では唯一長い部分である。
弦楽器同士のやりとりが続いて、独奏ヴァイオリンが活躍する。
シェーンベルクを感じさせるような十二音技法的な音楽である。

第3部はカトル・デュオ、カトル・トロワ、コーダと続いて終わる。
カトル・デュオは、激しく荒々しい音楽が弦楽器と金管楽器により奏され、
やがて静かになるとマンドリンやハープも加わり、絡んでいく。
カトル・トロワも前曲と同じような感じで始まり、
コーダでは第1部の冒頭の旋律が現れ、
トランペットがファンファーレ風に奏でたあと、
金管楽器の音と弦楽器の一音で全曲を閉じる。
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イーゴリ・ストラヴィンスキーのピアノと管弦楽のためのカプリッチョを聴く

2012-08-25 07:45:47 | ストラヴィンスキーの作品
昨日もウォーキングを休みました。
今回とりあげるストラヴィンスキーの作品は、
ピアノと管弦楽のためのカプリッチョである。
1926年から1929年にかけて作曲され、1949年改訂された。
作品は、3つの楽章から構成されている。
演奏はニキータ・マガロフのピアノ、
エルネスト・アンセルメ指揮、スイス・ロマンド管弦楽団による。
第1楽章プレストは、激しく上昇する感じの導入のあと、
弦楽器と木管楽器がのどかな旋律を奏で、これを繰り返した後、
ピアノとティンパニが強烈なリズムを奏で、
その後独奏ピアノと管弦楽の競演が展開されていく。
強烈なリズムによる荒々しい部分と牧歌的な部分、
そしてピアノの叙情的な旋律が交互に現れ、冒頭の部分が再び現れ、
最後は3つの音型を渋い感じで繰り返し静かに終わる。

第2楽章アンダンテ・ラプソディカは、そのまま前楽章に続き、
ピアノが旋律を奏でた後、木管楽器が旋律を奏で、両者が絡み合う。
そして中間部は独奏ピアノが即興風に旋律を奏でていく。
フルートが旋律を奏でたあと、独奏ピアノのカデンツァの部分となり、
木管楽器が絡んで、フルート・ソロが現れたところで次の楽章に続く。
第3楽章アレグロ・カプリッチョーソ・マ・テンポ・ジュストは、
軽快で華やかな旋律がピアノと管弦楽によって奏でられていく。
独奏ピアノとヴァイオリンなど各楽器の掛け合いが面白く、
プーランクを思わせるようなところもある。
やがて音楽は金管楽器も絡んで盛り上がったところで終わる。
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イーゴリ・ストラヴィンスキーの管楽器のシンフォニーズを聴く

2012-08-24 05:59:33 | ストラヴィンスキーの作品
昨日もウォーキングを休みました。
今回とりあげるストラヴィンスキーの作品は、
1920年に作曲された管楽器のシンフォニーズである。
この作品はドビュッシー追悼のために作曲され、1947年に改訂されている。
演奏はピエール・ブーレーズ指揮、ドメーヌ・ミュジカルによる。
曲は単一楽章制であるが、4つの部分から構成される。
第1部が2つのロシアの俗謡の旋律によるもので、
軽快なリズムで流れ、フルートやバスーンが活躍する。
第2部は、パストラーレは2部形式からなり、
フルートとクラリネット中心にのどかな感じの旋律が奏でられる。
第3部は野性的な舞曲で、荒々しい感じの旋律が奏でられる。
対話するようにそれぞれの管楽器が旋律を受け継いでいく。
第4部がコラールで、行進曲風のゆったりとした旋律で、
そこにドビュッシー追悼の意が表されている感じである。
金管楽器中心に奏でられ、やがて木管楽器も絡み、最後おだやかに終わる。
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イーゴリ・ストラヴィンスキーの「ジェズアルド・ディ・ヴェノーサ400年祭のための記念碑」を聴く

2012-08-23 08:37:01 | ストラヴィンスキーの作品
昨日もウォーキングを休みました。
今回とりあげるストラヴィンスキーの作品は、
1960年に作曲された「ジェズアルド・ディ・ヴェノーサ400年祭のための記念碑」である。
ジェズアルド・ディ・ヴェノーサは、カルロ・ジェズアルドのことで、
1960年頃に生まれたイタリアの作曲家で、名門ヴェノーサ公爵家の貴族であった。
その人物についてはかつてブログでとりあげたことがある。
彼のマドリガーレ集の旋律をもとに彼が管弦楽に編曲した作品である。
演奏はイーゴリ・ストラヴィンスキー指揮、コロンビア交響楽団による。
第1楽章「美しい目をぬぐいなさい(Asciugate I begli occhi)」は、
5声のマドリガーレ集第5巻におさめられている作品である。
管楽器群による旋律に弦楽器が呼応して始まる。
両者が交互に現れながら、旋律を奏でていき、最後静かに終わる。
第2楽章「私の不幸な涙をほしがる(Ma tu,cagion di quella)」は、
5声のマドリガーレ集第5巻におさめられている作品である。
木管楽器が旋律を奏でた後、金管楽器がファンファーレ風に旋律を奏で、
両者交互に現れながら絡み合い、ルネサンスらしい華やかさを残して終わる。
第3楽章「美しい人よ、心を持ち去るのなら(Belta poi che t’assenti)」は、
5声のマドリガーレ集第6巻におさめられている作品である。
弦楽器に金管楽器が呼応する形を繰り返し、
その後管楽器中心の部分、弦楽器中心の部分が続き、
やがて金管楽器を中心に華やかに旋律が奏でられ、
弦楽器・木管楽器も絡みながら最後は穏やかに終わる。
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イーゴリ・ストラヴィンスキーのメロドラマ「ペルセフォーヌ」を聴く

2012-08-22 14:42:34 | ストラヴィンスキーの作品
一昨日、昨日とウォーキングを休みました。
今回とりあげるストラヴィンスキーの作品は、
1934年作曲されたメロドラマ「ペルセフォーヌ」である。
この作品は、1949年に改訂されている。
ペルセフォーヌは、ギリシア神話に出てくる女神である。
演奏はヴェラ・ゾリーナの語り(女神ペルセフォーヌ)、
ミシェル・モレーズのテノール(ユーモルプ、祭司)、
イサカ・カレッジ・コンサート合唱団、
テキサス少年合唱団、グレッグ・スミス・シンガーズ、
イーゴリ・ストラヴィンスキー指揮、コロンビア交響楽団による。
第1幕「誘拐されたペルセフォーヌ」はテノール独唱から始まる。
ここではペルセフォーネはデメーテルの娘であること。
そして、ホメロスがペルセフォーヌの誘拐という悲劇の話を書いていることを歌う。
やがてコーラスが入り、デメーテルの娘ペルセフォーヌのことを歌い、
ここにいることを懇願するように歌い、ペルセフォーヌの語りと絡んでいく。
それに続き、テノール独唱が入り曲は絡んでドラマティックに展開されていく。
ここでは冥界の王ハデスの后にしようと考えたゼウスが、
ハデスをそそのかし、花を摘むペルセフォーヌを誘拐させる。

第2場「地下界にいるペルセフォーヌ」は、
地下の冥界に連れ去られたペルセフォーネの話となる。
最初ペルセフォーヌは地下界の不幸な人々に連れ去られていることをいう。
ユーモルプは冥界の王ハデスがペルセフォーネを母から誘拐し、
大地からは春が失われたことを歌い、コーラスは眠り続けるペルセフォーネを歌う。
ペルセフォーネは目覚め、「何て奇妙な目覚め、私はどこにいるの」と言う。
コーラスはそのペルセフォーネに「汝は精霊の女王です」と答え、
ペルセフォーネとコーラスのやりとりが交互に続いていく。
そして「私を呼ぶのはだれ?」というと合唱は「冥界の神」と答える。
そのあとテノール独唱のユーモルプが、
あなたの運命は冥界の王の妃になることだと歌うが、彼女はそれを拒む。
その後オーケストラのみの間奏となり、
そのあとペルセフォーネとコーラスのやりとりが続き、
そしてユーモルプの独唱も絡んで、再びペルセフォーネの語りの部分となり、
木管楽器が絡みながら、コーラスも入り、そのまま次の幕に続く。
第3幕「帰還したペルセフォーヌ」は、オーケストラの前奏から始まる。
そのあとユーモルプが母のもとに戻ってきたペルセフォーヌのことを歌い、
大地に春が訪れたことをいい、コーラスは春を歌い、ペルセフォーヌを讃える。
そしてペルセフォーヌは母デメーテルに一年の一部は地下界で、
ハデスの后として過ごさなければいけないことを語る。
最後はテノール独唱とコーラスによって静かに終わる。
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