そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

この国を再び軍事大国にさせる愚行に反対する

2022-12-08 | 平和憲法

今日は日米開戦の日である。真珠湾攻撃は宣戦布告前の不意打ち攻撃であるが、ハルノートが日本の提案を意図的に蹴飛ばしたとか、日本が乗ったとか騙されたとかの勝手な解釈はあるが、国際法を無視した卑怯な不意打ちに変わりはない。
大東亜戦争を国民に知らせたのはラジオであるが、「西太平洋上で米英と戦闘状態に入れり」というものであった。上の新聞でもハワイ攻撃はほとんど報じられていなかった。マレー半島の上陸は、英蘭との戦いで石油の確保であった。真珠湾攻撃はマレー半島の占拠の下に置かれていた。
この戦争の間日本の電文は悉く、マジックと呼ばれ米英など連合国に解読されていた。日本はソビエトと結んでいた中立条約が、その後の逃げ道として位置付けられていた。このこともスターリンは熟知し、ソビエトを頼ることを最大限利用しようとした。
ドイツの降伏後、スターリンの予測通り、日本はソビエトに何度も和平の仲介を求めた。スターリンはこれを無視した。これにソビエトに仲介交渉はあってはならない、スターリンは信用できないと日本に電報を打っていたのが、スウェーデン駐在武官・小野寺信大佐である。
小野寺はヤルタ会談の内容を掴み、懸命に日本に知らせたのである。掴んだ内容は、ドイツが降伏したら3か月後にソビエトは日本に参戦するという密約である。事実5月7日にドイツは降伏して、ソビエトは8月9日に日本に宣戦布告をしている。小野寺の忠告は正しかったが、これを日本は無視した。
小野寺は1941年(昭和16年)に日米開戦前、日米開戦に反対する30数通もの電報を送っている。ドイツはソビエト・連合軍に負ける、日米開戦すべきでないと執拗に報告していた。大本営は、ヨーロッパ情勢を詳細につかんでいた小野寺の報告を、全く無視した。
日本は、ヒトラーとも極めて親しい関係にあった、大島浩大使の繰り返す荒唐無稽の報告を信用していた。日米、日中など幾度もあった和平の道を自ら閉ざし、外交交渉などとり合わず、日本は陸軍に鞭をいれられバニッシングポイントへ突っ走る。
日本はこの戦争で320万人死亡しているが、1945年だけでも約200万人死亡している。日本が小野寺の情報を受け入れて、少なくとも6月に白旗を掲げていれば、二つの原爆も東京など大都市や地方の空襲も、満州のあらゆる被害もなく、樺太も千島も領土問題は起きなかった。本土決戦を言い続けた阿南など陸軍によって、情報が封じられた不幸がここにある。
現在自公政権は、都合の良い情報ばかりを選択し、国家予算の10%近い国防予算を組み、世界3位の軍事国家の道を歩もうとしている。再びこの国は本土決戦を選択するのである。

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