そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

世界の農業は家族型小農へ、有機農業へとシフトする中、日本だけが逆走する

2022-10-02 | 農業と食
現代は、ウクライナのような事は世界中どこでも起きることである。食料は人が生きていくうえで、なくてはならないものである。都会の人たちは、食べものがどの様に生産されるか、食べものは基本的には太陽が植物に光合成させて作られるものである。転変地変や今回のような戦争で、食料が絶対的に足らなくなることがいくらでも起きる。金を出しても食べものを買えない時が来る・
上の表は、東京大学の鈴木宣弘教授の近未来の予測である。鈴木先生はこれまで幾度にもわたって、日本の食料について警告を発してこられた。それらのほとんどが外れることがなかったが、日本政府は金で解決してきた。解決とは到底言えず、お金でその場をしのいで、単に問題を先送りしてきただけである。
帆の票で最も深刻なのがお米である。コメを生産する人たちの多くは70才を越えている。いくら制度をいじったところで、生産者がいないし土地は放棄されたままである。限界集落の多くは消滅集落となっている。
こうした対策に、へき地に金を配る「中山間地域等直接支払事業」というのもある。現存する人たちに高齢者に金を払うだけである。政治は制度や機能や農業のあり方を検討するわけではない。一事が万事日本の農政はこうである。
農政は目先の短期的な対策ではその場しのぎで、農業生産の基盤を失うだけである。食料生産に拘泥することなく、生産量と金額を重視させた結果、世界で最も単位当たりの化学肥料の量が多くなったのである。
お米よりさらに深刻なのが鶏卵である。採卵鶏の餌の98%以上は輸入穀物である。真っ先に穀物流通の洗礼を受けることになる。豚肉も牛乳も同じような洗礼を受けることになる。
この表は鈴木宣弘先生は、ウクライナ戦争を受けて起きたから発言されているのではない。昨年出版の「農業消滅}の中の一例である。
こうした状況下でも、有機農家はほとんど影響ありませんと述べている。国連は、21世紀の農業は家族型小農を推進している。更に世界は有機農業にシフトしている。環境保全と土壌によるCO2吸収奨励の有機農業が推進される。
日本は世界に珍しく逆走する農政である。

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