そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

安保関連法案は廃案にする潮時と言える

2015-06-09 | 集団的自衛権
聖学院大学の石川裕一郎氏ら憲法学者の呼びかけで、全国の憲法学者が、安倍内閣の提出した安保関連法案は、憲法に違反する戦争法案と断定して「戦争法案に反対する憲法研究者声明」を出した。現在のところ、199名の賛同する憲法学者が賛同しているようである。
声明は、憲法上の問題点を強く指摘し、「憲法に基づく政治を担う国家機関としての最低限の責務として、国会にはこのような重大な問題をはらむ法案の拙速な審議と採決を断じて行わぬよう求める。」と、廃案を求めている。

安倍晋三(大江健三郎氏の提案で呼び捨てにしています)は、サミットの会場で憲法審査会で3名の学者全員が憲法違反と判断したことについて意見を求められて、「最高裁の砂川判決でも合憲となっている」、と答えた。
これは嘘である。
砂川基地に反対派が基地に乱入し訴えられた(1959年)が、第一審の東京地方裁判所では、砂川基地の存在が憲法九条に違反するので無罪と判決が下った。検察は直ちに上告し最高裁に持ち込んだ。最高裁は外国の軍隊は、日本が指揮権などないから憲法に違反しない。高度に政治的な問題は法的判断はできないと差し戻した。
この時の田中耕太郎裁判長は同時に、憲法は戦争放棄していても自衛権まで放棄していないと述べたのである。それは個別的自衛権のことである。そして自衛隊は専守防衛の”自衛”隊であって軍隊ではないと言い続けてきた。(安倍は迂闊に本音を出して「軍隊」と呼んでしまったが)この判決を踏まえて後、法制局に集団的自衛権は存在するが行使できないという見解が、憲法枠内のギリギリの判断が出され、歴代自民党政権はこれを踏襲してきたのである。
因みに、田中耕太郎氏は第一次吉田内閣の文部大臣であり、憲法に署名している。
その後、田中裁判長にはアメリカから強烈な圧力がかかっていたことが判明している。司法の独立が侵された背景があったのである。安倍晋三は、アメリカからの圧力による判決を引き合いにして合憲を主張したのである。
対米従属を高らかに宣言した安倍らしいと言えばそれまでであるが、砂川判決をさらに拡大する解釈をしておきながら、専守防衛も変わらないし、自衛隊が危険が増すこともないし、アメリカの戦争に加わることは絶対ないないと断言しているのである。嘘である。

自民党推薦者として審査会で発言した、長谷部恭男氏はこれまでと変わらない主張をしたに過ぎないと前置きをして、「自国に対してではなく、他国を防衛するために戦うというのは論理的整合性がない」としたうえで「他国のために戦うのであれば、改憲するべきである」と言っている。自民党推薦者ですらこうである。
先週の中谷防衛大臣の発言がすべてである。
この法案に「憲法をいかに法案に適合させていけばいいのかという議論を踏まえて閣議決定した」と述べたのである。これは裏話であるが、本音である。辻元議員に、「これまで彼方は、集団的自衛権行使容認のためには、憲法改正が前提になると言っていたではないか」と、中谷の著書を片手に迫っての回答である。
宏池会の中垣幹事長も本音は、集団的自衛権の行使容認には否定的であるが立場上街頭で合憲などと演説したが、たちまち帰れコールにあっている。
集団的自衛権行使容認は、廃案にすべき潮時であるといえる。


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2 コメント

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Unknown (しろうと)
2015-06-09 21:25:22
それにしてもこの危機的状況においても我国国民の意識の無さは近い将来起こり得る戦争よりも恐ろしい。
この国はもう1度、滅んだ方が良いんじゃないか?と時々頭によぎる。
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Unknown ()
2015-06-09 22:07:42
しろうと様、私もそう思います。
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