今回の参議院選挙であるが、争点になることは数多くあった。原発、消費税、TPP、憲法それに経済政策(アベノミクス)、雇用や貧富の格差などたくさんあり、それらがすべての論争になるはずであった。
ところが突如として、選挙戦の最中に「ねじれの国会の解消」が、今回の選挙の注目点と、マスコミが騒ぎ始めた。ねじれは現象であって、政策ではない。政党にとって、とりわけ与党にとっての運営上の不都合の解消を望んでいる、願望であって”現象”でしかない。
今回の選挙は、ねじれ国会の解消を最大の焦点にした、与党とマスコミの勝利である。そして非改選議席を加えて、大きく過半数を自公で上回ってしまった。これで次回の、多分衆参同時選挙になるだろう3年後を待たずに、安倍は憲法に手を伸ばすだろう。
自民党の勝利は、反自民の受け皿が分散したことが大きい。度重ねる虚言と不実行の民主党に最大の原因があるが、それらの票が維新の会や共産党やみんなの党に散らばったことが、自民党を支えることになった。
TPPも消費税もスケジュール通りに進むことが考えられる。多少の問題が生じても、当分はアベノミクスは突き進むだろう。それもいいだろう。矛盾が大きくなると、無関心な国民が気が付くだろう。
更なる右傾化を恐れる中国と韓国が警戒し、一層関係が遠のくことになるだろう。ねじれ解消は、ひとえに安倍を慢心させ長期政権になりかねない、今日はとても不愉快な日となった。
ねじれが不都合なのや与党であって、野党も国民も関係ない話である。ねじれは健全な姿と誰も言わない野が気に食わない。
コメントありがとう
誰がむ言い始めたかよく知らないが、与野党の勢力比が衆議院と参議員で逆転している様を「ねじれ」と言うのはかなりおかしい。
辞典を引くと判るが「互いに逆の方に回す」ことをいみする動詞、「捩じる」と「捩じれる」の名詞形であり、反転、逆転の様子のことではないはず。「互いに逆の方」だけをとらえたのだろう。
ところで、「捩じれる」には「素直でない」「ひねくれる」の意味もあるので、「ねじれ」と聞くし何か不正常なよくない響きで受け止められることがある。マスコミもこの与党の意図に助っ人したかんじがする。
連立与党の党首が太い紐に輪を作って結び、それを「ねじれ解消」と言ったのは滑稽だった。あの輪結びは「ねじれ」とは言わない。