十両の結果：十一日目

【朝乃立】
中国公演で苦しい土俵の続く朝乃立は、ここにきて痛い連敗。３連勝の貯金を３連敗で吐き出し、黒星１つ先行の５勝６敗。「後がなくなってきました」とあせりの色が見え始めた。
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関ヶ根：十一日目

　昨日、取組を忘れて手痛い不戦敗という失態を演じた関ヶ根だが、関係者も「取組を忘れるくらいの神経の太さがあった方がまらも太くなる。他に最近取組を忘れたのはあの雲虎じゃし」と評価は下がらず。とはいえ不戦敗後の今日はさすがにプレッシャーがかかるのが普通。だが関ヶ根は「おっ、理事長、おめでとさん」とごきげんで土俵に上がると難なく勝利、飄々と引き上げていった。２ケタ勝利の大台にもあと１つと迫ってきた。（「まらずもう新聞」）

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毛呂乃：十一日目

場所中でも精が尽きるまで一人相撲の猛稽古を日課とする毛呂乃。苦しそうなうめき声をあげながら想像を絶する番数をこなすという、傍目には厳しすぎる稽古風景だが、毛呂乃自身には強くなるために辛い稽古に耐える、などという考えは毛頭ない。夜はまらずもうのことなど忘れ、その時々にやりたいと思ったことをやる、という過ごし方をしているだけなのだが、気がつくと一人相撲にいそしんでいる、という根っからの力士なのだ。昨夜もいよいよ稽古をはじめようかと気合が乗ってきたところで雲虎からメール、稽古に待ったがかかった。やる気満々の所で寸止め、そのまま就寝したために今朝はやる気満々、文句なしの白星。取組後足早に稽古場に向かっていった模様だが、さっそく昨日の分の稽古を開始したのかどうかは不明である。（「まらずもう新聞」）

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雲虎：十一日目

場所前「１１勝で大関昇進」との目安を示されていた雲虎だが、その１１勝目をかけた大一番。まらずもう初の大関誕生を決定づける瞬間を見届けようと集まってきた観客で館内も緊張感につつまれた。ライバル毛呂乃との差も昨日の時点で星２つ、ここまで土つかずの１０連勝とあって、誰もが雲虎の勝利を疑わなかった。だがしかし、ここで思わぬ伏兵が現れる。立ち合いのタイミングをはかりながら仕切りをつづけていると、突如あらぬ方向から炊飯器のメロディーが。一瞬状況が把握できなかった雲虎は、反射的に不完全な状態で立ち合ってしまう。「しまった」という表情でわが身を見つめ直すが、タイミングを狂わされたまらは雲虎自身の気持ちと呼応するかのようにうなだれていた。ここへきて痛すぎる１敗。大相撲では白鵬が全勝を守っているため、優勝争いからも一歩後退となった。取組後、「やはり緊張しましたか？」との問いには「敵は毛呂乃関ではなかった・・・炊飯器に・・、炊飯器に・・・・」とくやしそうに唇をかんでいた。（「まらずもう新聞」）

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玉椿：十一日目

　玉椿は前日に５キロのウォーキングをしたのが功を奏してきっちり勝ち越しを決めた。「とりあえず勝ち越しおめでとうございます」との問いかけには「これで来場所も関脇か。逆鉾とか琴錦クラスとまではいかなくともさ、なんとか水戸泉とか栃乃和歌とか琴ノ若クラスの関脇にはなりたいよなあ」としみじみ。記者に「いや、残りを全勝すれば大関昇進もありますから」と突っ込まれていた。　（「まらずもう新聞」）

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