加藤仁さん「寝たっきりの春」を借りてきた。副題が、倒れても生き抜く人々の記録。だめとあきらめる状況の中で立ち上がった人たち(完全な回復というより心の回復を取り戻した)というべきだろう。読み進むうちに介護のため職場を辞めた先生が登場する記述に『「やさしさ」というのは徹底的に忍耐を要求されるのだ。「毎日、毎日、私は心の中で思った。「試されているな」と。これこそが本物の人生のテストなのかもしれない」』この言葉がいつも私の中にある。というのはさろんの食事会に来られる中に、認知症の方もおられ、受け入れはしていても参加者の思いは違って当たり前。時としてすべての人に心地よい対応ができないでいる。そのうえ、助けを必要とするのが認知症に図らずもなっている人。知りつつも全体の平和を優先する私。そんな時、目が合うと「試されている」と実感するのです。まだまだ学び続けなければなりません。この著者の加藤仁さんは当会も取材に来られ単行本にも書いてくださっているのですが、もうなくなられたのが残念。この本が出版されたのが1993年2月とあり当会ができる前に、出版されているのに驚きました。