藤川幸之助さんの文に 「介護もまた、太陽のように母の役に立たなければと肩に力が入っていた。今では何もしないで母のそばにじっと寄りそい、静かに座っておくことも大切な時間だと思えるようになった」 とあります。
あるとき厚生省の発行している「厚生」の取材を受けました。外出介助に同行し取材を希望されました。会員と一緒に取材で同行されその時の感想を聞きました。「見守るのですね」そうなんです。私たちは自分のペースではなく依頼者の時間に合わせています。ヘルパーさんなどはどうしても時間に制約があるので、結局自分のペースに誘導してしまいがちです。私たちは活動の初めから「あわてているのはボランティアですよ。高齢の方は1日がその外出だけということもありますよ」あくまでも、高齢者に合わせるのが原則と心していました。
私にはそれで失敗があります。いつものようにパーキンソンでも意欲的に外出されていたKさんに同行しました。用事は終えて昼食のため食堂に入りました。私はどうしても早食いで早々に食べてしまいました。Kさんはゆっくりで、手が自由になりません。食べ終わるまでゆっくり見てと思っているうちに眠ってしまったらしいのです。そして、ハッと目を覚ましてkさんを見るとまだ食事中。ホッとした記憶が残っています。
今それを思いだしています。それにしても、ヘルパーさんの時間はせわしなくなりましたね。