事務所の前の古い店が壊されたことは以前にかいたと思いますが、路地の奥に住んでいたTさんも立ち退きの憂き目に会い「80年住んでいたからここで死ぬと思っていた」と。淋しそうでした.
一番気にされていたのは、引越しをしたら死ぬかもわからないと言うことでした。現に、話を聞いた時点でも、ここから引越しされた方が数人亡くなったと私も聴いていました。
つい数日前ですが、ライターのTさんに会いました。彼が憤慨して話してくれたのですが上町筋に面して小さなお茶屋さんがありました。老夫婦がされていたそうですが、道の拡幅で家を削られるのでやむなく店を閉めて越されたそうです。
その方に去年の暮れ久しぶりに出会ったそうです。
とても上品なお婆ちゃんだったそうですが、車椅子に乗ってられて、御主人は亡くなられたと聞いたそうです。
「お役所仕事で計画があるから進めたのだ。上町筋で特に事故が多いとも聞いてないし。二人のいきがいまで奪って歩道の拡幅をいそがなあかんとは思えない」彼のはなしです。
高齢者のいきがいや人とのかかわりを無くすことは命を削るということが時にあるのだと私達は念頭におくことを思いました。