京呉服わき ごふくや日記

着物って楽しい!
呉服屋の女将の独り言?楽しいことや裏話、思うままに・・・

今度は、背縫いのない浴衣!

2017-08-17 15:38:53 | 仕事
今日から、お仕事の方、多いかと思います。
昨日までお休みをいただき、わきも今日から、今年の後半に向けて始動です。

今日は、おべべ2世を連れて、出勤しました。
フェイスブックに写真をアップしたので、ぜひご覧ください


さて、先日「衿なし浴衣」なるものにびっくりしたのですが
そのあと、お盆休みに街に出かけたとき「背縫いのない浴衣」に遭遇、また、びっくりしました。

「衿なし浴衣」
私の周りでは、不評のようです
世間の感覚はどうなってるのかと、いつもより街で見かける浴衣に敏感になって
見ていたせいもあって
あるお嬢さんの浴衣が衿の周りにレースがついていたので目が留まりました。
よく見てみると、背縫いがない・・・

量産品の仕立て上がり浴衣は、本来の反物ではなく
広幅の生地を使っている物も多いと思いますが
その広幅のまま使って仕立てたのだと考えられます。

レースがついているから、洋服の感覚を取り入れた?
でも、ほかは普通に浴衣の形だったように思いますのでそうでもないでしょう・・

普通は、そんなところ見てないでしょうから気が付かないと思いますが
着物を知っていると、なんとも間の抜けた印象を受けます。

またまた、帰ってから娘に話してみました。
世代が違うと、感覚や発想が違うかもしれない
もしかしたら、衿なし浴衣も面白いっていうかも・・
背縫いがなかったら、丈夫だし簡単でいいんじゃない?って
言うかもしれないな‥なんて考えて。
こういうときは、とりあえず一番身近な「若い人」に意見を聞いてみることにしています。


しかし
やはり呉服屋の娘?着物を見ているからでしょうか
「ヘンでしょ」と一蹴
「広幅を使っていても、普通は背をわざと縫うでしょ?」
って、よくご存じです(笑)

合理的でいいんじゃない?なんて考え方もあるかもしれませんが・・

私が考えるに、まず背中に縫い目がないと見た目、間が抜けた感じがします。

それから、着る時に背中心が分かりにくいと思います。
実際、貸衣装の長襦袢で、時々背縫いがないものをお着せすることがあるのですが
背中心が決めにくいと感じます。

そして、大切に考えたい事があります。
考えてみたら、和服の反物が織られている巾が、40㎝前後なのですから、
二枚をつながなければ、大人が着るための形にならないので
必要に迫られて?背中を縫わなければなりませんが
背縫いには、特別なものがあります。

昔から、着物の背縫いは背中から魔物が入ってこないように
守ってくれると考えられたそうです。
ですから、小さな子供の一つ身の着物には背縫いがありませんので
わざわざ背の真ん中に色糸で、飾り縫いをしたり、背守りをつけたりします。

背の飾り縫いやかわいい背守りの写真、確かあったと探してみたのですが
探しているときには見つからなくて・・
また、見つけたらアップします

こんな意味合いがあることを考えると
いくらお尻のあたりの縫い目が引けなくて安心でも・・・
縫う手間が省けても・・・
やっぱり、背縫いはないといけないと思いませんか?

こういう考え方や言い伝え、すべてひっくるめて「着物」だと私は思うのですが。

着物をよくわからないで、作ったり売ったり・・
悲しくなってきます。



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