京呉服わき ごふくや日記

着物って楽しい!
呉服屋の女将の独り言?楽しいことや裏話、思うままに・・・

居敷当てについて

2023-06-28 15:45:02 | 仕事

ブログ、更新がストップしてしまって申し訳ありません。

実は・・竺仙展が終わってからダウンしてしまい、体調がシャッキと

戻らなくて・・・

いやはや・・・さすがに年を感じています

 

ブログをお休みしている間も、自転車で転んだり一歩間違えば前科一犯??・・・

と、おバカなネタはいっぱいあるのですが‥(笑)

今日はまじめな話。単衣の着物につける居敷当てのことを書きたいと思います。

 

パソコンで「いしき」と入力しても「意識」としか変換されず

「居敷当て」の文字が出てこないのが嘆かわしいのですが

それほど一般的な言葉ではないのでしょうね・・・。

 

「居敷」というのは「お尻」のこと

そのお尻の部分に当てる布のことを「居敷当て」といいます。

主に、裏地のつかない単衣のお着物や長じゅばんにつけます。

目的としては、力の入るお尻の部分の補強、背中心の縫い目の部分がひけて痛むのを

防ぐためです。

それから、単衣の透ける着物の腰から下が透けるのを防ぐためや

膝の裏のしわや汗の防止のため・・・滑りをよくするためなど。

例えば、お茶のお稽古をなさっている方などは長時間座ることが多いので

長襦袢もお着物も居敷当てをつける場合が多いです。

 

こちらは盛夏に着る紗紬でかなり透けています。

ふつうはこんな風に背中の揚げの縫い目から裾までつけます。

透ける生地は、裾ぎりぎりにしておけば、下に長襦袢を着るにしても

足などが透けるのが緩和されます。

写真の着物は私の私物ですが

下は、紬の透けない生地の単衣です。

今回、つける位置を腰ひものかかる位置から、膝に下あたりまでに指定して

仕立屋さんにお願いしました。

理由は、私の普段の着方には、おはしょりの部分と、裾の部分は居敷当てが

ないほうが少しでも軽くて涼しいかな・・・と考えて

 

昔の浴衣、例えばおばあちゃんが縫ってくれた浴衣など

ほんとにお尻の部分だけ、表地の残った生地や白い木綿で長方形につけてあるのを

見たことがあるかもしれません。

最近の浴衣はほとんど、居敷当てや肩の部分につける肩当てなどは省略しています。

その理由を考えてみると、昔の浴衣は家で毎日ほど着るものだったので

実用性重視、力の入るお尻や肩に補強をしたのだと思います。

最近の浴衣は、どりらかといえば街着の傾向が強いので、補強をするほどでもなく

又、お尻の部分に居敷当てをつけると、布の重なりが透けたり、後ろの身頃に

居敷当ての布を縫い付ける針目がわずかでも響き、何となく野暮ったく感じるので

おしゃれ重視でつけなくなりました。

 

というわけで、浴衣には居敷当てを最近はつけたことがありませんでした。

が、先日お得意様からのご希望で、習い事のおそろいの浴衣を仕立ててほしい

お稽古で座るので居敷当てもつけてほしいとのこと。

そこで、やはりこのほうがスマートで補強や汗取りにもなりますので

お着物と同じような付け方で、素材に合わせ絹ではなく、木綿の居敷当てをつけました。

 

居敷当てにできる木綿の広幅の布がなくて、ずいぶん探しましたが・・。

背中の縫い目の補強のためにも、居敷当てとしては着物と同じ幅の生地ではなく

後ろ身頃全部がカバーできる広い巾を使いたいのです。

 

そして、居敷当ては単衣のお着物に必ずつけなくてはいけないものでも

ありません。

 

ちょっと専門的な話で、私のこの場での説明では理解しにくいかと思いますが

つまり何が言いたいかというと・・・

自分が着るときに、どんな風にこういう付属になるものをつけたらいいか・・・

私たちは、お客様のご希望を聞いてちゃんとアドバイスをして着やすい着物に

したいと考えていますので

遠慮なくいろんなこと相談してください

 

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