土曜日はkajiさんとお茶してきました!
【にしむらコーヒー】のグラタンセット、おいしかったっス!
ストルガツキーやらブルガーコフやらSF映画やらその他の映画やらの話でいつものように盛り上り、本屋へ行けば欲しい本が次から次へと見つかってしまってえらいこっちゃで楽しかったです。でも私は結局小説を買うのはやめて、漫画を2冊買ってきました。萩尾望都の『ポーの一族(文庫版第3巻)』と諸星大二郎『栞と紙魚子(文庫版第1巻)』です。我ながら渋いセレクションであります!! うへっへっへ、読むのが楽しみ。
夕方には梅田から場所を移動して、電車の中でkajiさんが「紙に漫画のネタを描きたい」みたいなことをおっしゃるのですが、奇しくも私も同じことを思っており、この日はあらかじめ紙とペンを用意してきていたのでした。
てなわけで、久しぶりに即興まんが道場が開催されたというわけです。
このところ「やる気出ねえ~~」と怠けまくっていた私でしたが、「1頁漫画」を描こうとkajiさんから促されると、不思議なほどにすらすら描けました。いやー、集中力って振り絞れば出るもんですね!
けれども、そもそもkajiさんというのは不思議な人で、kajiさんから言われると私はずっと心の奥底に仕舞い込んでいたネタを掘り出して紙の上に乗せてやることができたりするんですね。自力だと半年に一回くらいしかそんなことはできないのに、土曜日は2度もそんなことができました。
あやふやなアイディアを具体的に視覚的にしてくれる。
これは間違いなくkajiさんの持ってらっしゃる特殊能力。もしかしたらkajiさんはスタンド使いなんじゃなかろうか? というくらいに、kajiさんといると、私は急に創造的な人間になったみたいな気になり、魔術的な力に支配されまくって、どうにかこうにか形にすることができてしまうんですね~。
さて、そういうわけで、私とkajiさんとふたりで漫画の描きっこをしてきましたよ。それぞれ2作品ずつ、描いている間に時間が飛ぶように過ぎているのにも気づかぬほどに集中して描き上げました!
描いたのは、こんなのです。
まずはkajiさんから。
*【むかしのともだち】
少女漫画の手法を研究中のkajiさん。
うっ、なんかこの前よりかなり上手くなっておいでです!
さすがだなぁ~(^o^)!
1コマ目などは、非常に少女漫画的導入部という感じですね。それからモノローグの達者なところが素晴らしい。これぞ少女漫画における重大ポイントというところがおさえられています。
帰宅してからK氏に見せたら、彼はこれが一番気に入ったそうです。凄く分かる! と言ってましたぜ。そうよね、たしかに伝わってくるものがありますよね。
一方私のはこんなん。
*【アッチからとコッチからと】
「意味不!」と帰ってからK氏には厳しい評価(てか、私もそう思うが…)を貰いましたが、kajiさんは気に入ってくださいました。
褒め上手で、深い洞察力をお持ちのkajiさんは、この意味の感じられない私の漫画からも「ああ、言われるとそんな気がしてきた!」という素晴らしい分析をしてくださいます。これがkajiさんのスタンド能力だ!
「このふたりの猫たちは、本当は会えるかどうか分からないのだけれども、それを確かめるべくひとつの決意をもってこのような行動に出たのである」とか、そんなこと私は考えたこともなかったぜ!
「そして、これがノトさんのやりたいことの究極的な形であり、出会えるかどうか分からなくても、それぞれが違う道を辿ったとしても、最後はやっぱり会える。そういうことです」とか言われると、「はっ、そ、そうかも!!」と私は盛大に納得しました。やだ、そんな哲学的な漫画を描いてたなんて知らなかった…(=´v`=)ムフ
まあ私としては意味などはなくとも、10年近く温めてきたネタを放出できて満足なのです(でも10年も温めるようなネタか!?と;)。建物のあっちとこっちの入り口から別々に入って、真ん中で合流する! というのを描きたかった。このイメージがずっと呪いのようにつきまとっていたので、スッキリしましたわ~。
さらにもうひとつkajiさんの。
*【フルーツパーラー】
実際に見た夢の再現だそうです。続きはまだあるそうですが、1頁には収まらなかったと。。。じゃあ、それはまた次回に。夢のお話を詳しく聞いていたら、続きを描けたらすごく素敵な漫画になりそう。
それにしても、いつのまにこんなにレベルアップなさったのか。もう完全に漫画じゃないですか。コマ割と構図、それからやはりモノローグにkajiさんの繊細なロマンティシズムを感じますね。ちょっと前まで絵とかあまり描かない人だったのに、これはすごい。
うーん、私もこんなの描いてみたいなあ!
とか言ってたら、kajiさんからお題が出されました。
kajiさん「少女漫画で、テーマは『恋』で!」
私「え…むりっす…」
kajiさん「主人公は人間の女の子で!」
私「に、にんげん…?? (しーん)」
kajiさん「…じゃあ、人間の男の子で…!」
私「に、にんげん…?? (しーん)」
kajiさん「人間だとキャラが動かないのね?…なら動物でもいいよ」
私「それならなんとか!☆(ゝω・)v」
という、いささか無茶ぶりなやりとりがあって、私は「恋」にまつわるような漫画を描いてみましたよ。辛かったわ~~!
*【雨傘】
ただでさえ意味が分かりませんが、これは以前に描いた漫画の続編というか別バージョンです。
(参照:以前描いたロマンチック(?)漫画『夢のなかで』)
ぐはっ…!!(´;ω;`)
やっぱストーリーがあるっぽいのは難しいぜ。モノローグが苦手な私の手にかかると、それはテンポも響きも悪くていまいちだし、直したいところが盛りだくさんだわ~。それに最後にむりやりクロネコを登場させてしまうところなんて、恥じらいを捨てきれない私の心の弱さを露呈しちゃってますね。やるならやり切らなければ!
コマ枠の装飾などは、kajiさんには結構ウケました。こういう装飾的なのは少女漫画風でいいですよねー。私ももうちょい研究したいところです。
内容については、kajiさんから「少女漫画の恋愛ものの醍醐味は『恋に至るまでの過程』の面白さであることが多いけれども、ノトさんのは最初から恋人関係になってしまっている」という鋭い指摘を受けました。おー、ほんとだ!
私も恋愛ものを読むのは好きなのに、自分で描くとなると随分難しいですね。「恋に至る過程? なにそれ??」 あー、でも考えてみると私は「出会った瞬間にお互いにそれが相手だと分かる」的なシチュエーションが好きなのかも。そんでこれは習作のつもりなので、いずれ16頁くらいのまとまった作品として作り直したいと考えています。今回のはそのエッセンスを抽出しただけ、意味がよく分からないのはそのせい、みたいな…(言い訳エンドレス)
なにはともあれ、充実した楽しい時間を過ごしました。
なんだかんだで私たちは漫画が大好き! 自分で描こうとすると、漫画を読む時の読みかたも変わってきます。プロの漫画家の描く1頁にはどのようなテクニックが駆使されているのかを解析すべく、私とkajiさんは「次回までには、どれか漫画の模写をしてくること」という宿題を持ってお別れしてきました(^_^)
おつかれさまでした!
どうもありがとうございました~~☆
【アッチからとコッチからと】、たしかに意味は無いですがすごく好きです。
ただ一番下の枠外の語りみたいなやつは不要でしたね。あと白猫と黒猫の位置が突然反対になっているのが気になりました。
ところで最近すごいマンガ読みました。道満晴明という作家の「ニッケルオデオン」という作品です。一作8ページの短い作品を集めた作品で、極限まで削ぎ落とされたシナリオが見事です。MINMINはすごく気に入ったようです。
まあntmymさんのことだから勧めてもなかなか読んでくれないんでしょうが、HP上に試し読みのページもあるので良かったらぜひ。
http://www.ikki-para.com/comix/nickelodeon.html
いつも読んで消費するばかりなので、たまには世の中に生み出してみるのもいいかなと思いました(質はともかく、ゼロから生み出すことに意義があるというか……)
あの後ダンナに漫画を見せたら、”むかしのともだち”は「怖い、シュール」だと言っていました(笑)人によって何を思うかわからないところが面白いですね。
あ!上のコメントでpiaaさんが紹介してくださってる漫画、すごい面白かったです!”恋に似た恋”とでもいのか、淡い気持ちを描いているのはまぎれもなく少女漫画だけど、ストーリーと画面構成は凝縮されてて無駄がないというか……。素敵ですねぇ。
私たちもこんなのが描けるように頑張りましょう!
と唐突に。
【アッチからと~】、お気に召しましたか!
嬉しいです~(^o^)
こういう特にメッセージ性のない漫画でも、1頁ならいい感じに漫画っぽくなりますかね☆
あ、最後のコマの黒と白の位置関係については、manimaniさんがズバリ!の解答をしてくださってます! 画力が追いつかず分かりにくかったですが、こういうことなのでした(^_^;)
それから、
>まあntmymさんのことだから勧めてもなかなか読んでくれないんでしょうが
まったくもっておっしゃる通りですが、そう言わず!
諦めないでっ!!(´;o;`)
あー、でもでも、この『ニッケルオデオン』ですが、私は表紙は見たことありましたよ。売れてるっぽいですね。こういうお話だとは知りませんでした。今度読んでみます!(←いや、ほんとに…;)
*kajiさん、おつかれでした~!
一日一話、描けたらいいですよね~。
てか、私は昨日もちょっと描いてみようとがんばってたのですが、魔力が消失してて出来ませんでした…kajiさん、スタンドを派遣してください~(ToT)
次回もやりましょうね♪
積み重ねていって、そのうち作品集にしましょう~☆
*manimaniさん、こんにちは!!
解説ありがとうございます~~!!!
そうです、まさにその通り、視座が変わってるんです!
よかった、あんなテキトー絵からでも伝わった…(^_^;)
実を言うと、【アッチからと~】の一番のポイントは、その最後のコマで見る方向が逆向きに変わるというところだったのです(深い意味はないけど…)。
ですので、manimaniさんに分かってもらえて嬉しいで~す!
けど、それならもうちょい分かりやすく描かないと駄目ですわね…ウフフ! でも即興だったから…あとボールペンだと描きにくかったから……
とりあえず<(_ _)>土下座っ!
わ~、感想ありがとうございます!!
「月あかりをうけて四つの眼がぴかぴか」、いいですね! あー、そういうの描きたいですね~(^_^)うんうん。
>物語の細かい流れや辻褄よりもぱっと浮かび上がった場面や心の奥に響いたフレーズを大切にしている
そうなんです。私は小説でも映画でも、わりとそういうところにばかり目がいってしまうので、最中にはもちろん筋や辻褄を気にしてはいますが、あとになるとサッパリ忘れてしまいますね(^_^;)で、印象的なセリフや場面などの局所的なところしか覚えていないという…。けど、そういうのをコレクションするのが楽しいです♪
猫の眼がぴかぴか光るような漫画を描いたら、また見てくださいませ~(^o^)!