A&B・ストルガツキイ 深見弾訳(群像社)
《あらすじ》
偉大な力を持つ森の謎を究明する男と森を外から管理する男。
森のなかで子をはらみ森とともに生きる女たち。変態する「森」にもてあそばれる人間に未来はあるのか?
政治的圧力のなかで全貌が明らかにされるまで四半世紀を要した幻の作品のパラレル・ワールド。
《この一文》
”「あなたって人はまだ赤ん坊なのね。」彼女がいった。「この世には愛と食物と誇り以外にはなにもないということがどうしてわからないの。もちろん、なにもかももつれてしまって糸玉のようになっているのよ。でもどの糸をひっぱっても、かならず愛か権力か食物にいきつくはずだわ・・・」
「いや」ペーレツがいった。「そんなのはごめんだ」
「いいこと」彼女は静かにいった。「あなたが望むか望まないかなんてことはどうだっていいの・・・わたしはあなたに訊ねているのよ、ペールチク、なにを夢みているの? まだ他になにがいるのよ?」 ”
『滅びの都』(12月17日の記事を参照ください)に引き続き、2冊目のストルガツキイです。
相変わらず最初のほうは何だかよくわからなくて読むのが辛いのですが、少しずつ少しずつ、状況が把握できてくると、もう止まりません。
2冊読んでみて、ストルガツキイとはこのさきも長くつきあっていきそうな予感がします。
私にはやや難しい内容なのですが、そこがまた良いのでしょう。
いつかもっとわかるようになる日が来るかもしれないと思うと、また楽しくなります。
邦題の『そろそろ登れカタツムリ』というのは、この作品の最初に引用されている
かたつむり そろそろ登れ 富士の山 一茶
からとったそうです。原題を直訳すると『坂のうえのカタツムリ』となるところを、訳者の方の考えでこのようにされたとのこと。
私も『そろそろ登れカタツムリ』のほうが物語の内容にも合っていると思います。
それにしても妙にしっくりくる言葉の響きと思ったら、俳句だったのか、道理で。
すでに同じ人の『世界終末十億年前』を借りてきてあります。
はやく読まなくては。
《あらすじ》
偉大な力を持つ森の謎を究明する男と森を外から管理する男。
森のなかで子をはらみ森とともに生きる女たち。変態する「森」にもてあそばれる人間に未来はあるのか?
政治的圧力のなかで全貌が明らかにされるまで四半世紀を要した幻の作品のパラレル・ワールド。
《この一文》
”「あなたって人はまだ赤ん坊なのね。」彼女がいった。「この世には愛と食物と誇り以外にはなにもないということがどうしてわからないの。もちろん、なにもかももつれてしまって糸玉のようになっているのよ。でもどの糸をひっぱっても、かならず愛か権力か食物にいきつくはずだわ・・・」
「いや」ペーレツがいった。「そんなのはごめんだ」
「いいこと」彼女は静かにいった。「あなたが望むか望まないかなんてことはどうだっていいの・・・わたしはあなたに訊ねているのよ、ペールチク、なにを夢みているの? まだ他になにがいるのよ?」 ”
『滅びの都』(12月17日の記事を参照ください)に引き続き、2冊目のストルガツキイです。
相変わらず最初のほうは何だかよくわからなくて読むのが辛いのですが、少しずつ少しずつ、状況が把握できてくると、もう止まりません。
2冊読んでみて、ストルガツキイとはこのさきも長くつきあっていきそうな予感がします。
私にはやや難しい内容なのですが、そこがまた良いのでしょう。
いつかもっとわかるようになる日が来るかもしれないと思うと、また楽しくなります。
邦題の『そろそろ登れカタツムリ』というのは、この作品の最初に引用されている
かたつむり そろそろ登れ 富士の山 一茶
からとったそうです。原題を直訳すると『坂のうえのカタツムリ』となるところを、訳者の方の考えでこのようにされたとのこと。
私も『そろそろ登れカタツムリ』のほうが物語の内容にも合っていると思います。
それにしても妙にしっくりくる言葉の響きと思ったら、俳句だったのか、道理で。
すでに同じ人の『世界終末十億年前』を借りてきてあります。
はやく読まなくては。