半透明記録

もやもや日記

お知らせ

『ツルバミ』YUKIDOKE vol.2 始めました /【詳しくはこちらからどうぞ!】→→*『ツルバミ』参加者募集のお知らせ(9/13) / *業務連絡用 掲示板をつくりました(9/21)→→ yukidoke_BBS/

女刑事

2012年05月04日 | 夢の記録





このあいだの夢。
SFサスペンス、ミステリ風味。
映画形式の夢でした。


*********************


主人公は背の高い女刑事(以下、登場人物は全員外国人)。女刑事はある事件を追っている。壁を白く塗られた木造の民家。六角形の玄関はすぐに居間へと通じている。居間までには壁はないが太い柱が通っていて、そこから金髪の痩せた女が刃物を持って襲いかかってくる。大勢の人間が違う時間に、その場所でひとりの女の犠牲になった。女刑事はその女を追っている。

ところで、女刑事は相棒であるか恋人であるか分からない男と電話で話している。女刑事の自室は、赤い絨毯、踏むと足が少し沈み込むほどの重く赤い絨毯が敷かれていて、女刑事は話しながら手で絨毯の表面を押している。
「お前は監視されているかもしれない」と男が言う。
女刑事は男と電話で話している。話しながら手で絨毯の表面を押してみる。男が「お前は監視されているかもしれない」と言う。
女刑事は男と電話で話しながら手で絨毯の表面を押し、指先が沈み込むのを眺めている。「お前は監視されているかもしれない」

女刑事は閉じた時間の中を行ったり戻ったりするようになっていた。犯行のあった民家の中は薄暗い。女刑事は、幾人もの人間がここでただひとりの女の手にかかった柱のそばに立ってみる。犠牲者たちが透き通った姿でひとりひとりあらわれ、そのたびに金髪の痩せた女が刃物を、時には鈍器を振りかざして柱の向こうから襲いかかってくる。女刑事は彼らと一体化しながら、最後の犠牲者から最初の犠牲者の場面へと時間を遡っていく。

ようやく、女刑事は女とふたりきりになる。柱の向こうから女が襲ってくる。女刑事は刃物をかわし、女に罪を犯させない。

女刑事は思い出す。そうだ、私はこの女を止めたかったのだ。なぜなら女がなぜあんなことを繰り返したのか、その理由を知っていたから。彼女は女刑事を愛していた。どうしてそれが刃物となってしまうのかは分からなかったが、彼女は女刑事を愛していたのだった。

女刑事が金髪女の手首を掴むと、女は痩せた面を上げて、はじめて女刑事と目を合わせた。大きな青い瞳が滲んで、女は美しく微笑んだ。


壁を白く塗られた民家の外はよく晴れていて、胸が裸で黒い翼を持った大きな鳥が、女刑事のそばをすっと横切って舞い降りた。玄関は開け放たれていて、犠牲にならなかった大勢の人々がぞろぞろと楽しげにそこから出て行った。その中には金髪の痩せたあの女もいたかもしれない。

背の高い女刑事は休暇中で、さらに背の高い男と並んでその腕に寄りかかるようにして、白い壁の民家のそばを歩いていく。その顔に美しい笑みを浮かべて。


映画を観終わった私は、公園の中を彼と並んでその腕に寄りかかるようにして帰るのだった。あの女刑事のように。


************************


というような夢でした。だいぶ忘れたので、細部については若干補強してありますが、おおむねこんな感じ。最後の「私」は私でした。これはどうやら特別な夢のようですね。
この夢を見ている間は、映画を観ているように鮮やかでものすごく面白かったのですが、起きてから振り返ると、やっぱり全然理屈が合わないものです。実際にこんな映画を見せられたらキレるな。