漫画合宿で実際に使用された
手書きのリスト。
…ゴクリ(/o\;)
先日の漫画合宿の模様をまとめてみました。ユキさん、kajiさん、私(ノト)の3人が選んだ6冊(選考テーマは「自分が影響を受けた漫画」ということで)を以下に掲載しておきます。
それぞれの感想については、各自がリスト上の各作品について書き込んだ文章をそのまま載せてありますが、コメントがないものもあったので、それについては私の独断でお二人の会話に基づいて再構成したものもありますのでご了承くださいませ! (誤りや追加などありましたらご指摘願います☆)
というわけで、以下!
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☆☆☆ 第一回 漫画合宿 ~漫画を6冊持ち寄ってみた~ ☆☆☆
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★ ユキさんの6冊 ★
1.『I’s(アイズ)』(全2巻) 庄司陽子
(ひとこと紹介文)ヒューマンドラマ。
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kaji「ハードでシリアス。よみごたえあった。ハッピーエンド?で良かった。」
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ノト「心が引き裂かれるようなトラウマがあって、実際に引き裂かれたとして、それでも核となり得るような「その人」というのは存在するのか? 人格ということについて考えさせられるハードなドラマでした」
2.『つげ義春コレクション』より「大場電気鍍金工業所」 つげ義春
(ひとこと紹介文)青春。
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kaji「なんてゆーか、この突き放された感じがたまらんなー」
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ノト「たった13pの作品なのに、心が折れそう…なにこの冷たい悲哀は。でも絵がすごくいい。こんな漫画を描きたい」
3.『おひっこし』 沙村広明
(ひとこと紹介文)青春。
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ノト「なるほど、青春! すごくなじみの日常感があるような気もしましたが、作品中のユーモアは独特で面白かった。同時収録の「少女漫画家無宿」のノリはサイコーですね!」
4.『惨劇館』より「消える首」 御茶漬海苔
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ノト「こわい…御茶漬海苔先生の自画像(?)が超こわい…。お話はなにかすごく大事なことを訴えられたみたい(人を信じろ、みたいな)だけど、こわくてよく思い出せません」
5.『惨劇館』より「童鬼」 御茶漬海苔
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ノト「絵…絵がこわい。人間の心は時々おそろしい。おそろしくて悲しい」
6.『カリクラ』(第1巻) 華倫変
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ノト「得体の知れぬ迫力があった。作者が駄作と言っていた「燃えよアニメ!」が一番よかった…みたいな;」
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★ kajiさんの6冊 ★
1.『夢幻紳士〈幻想篇〉』 高橋葉介
(ひとこと紹介文)“夢幻紳士シリーズ” かっこいいですよ。
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ユキ「絵が好き。少し迷った気分におちいる感覚が心地いい」
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ノト「まいった! まいりました、しびれました! もうダメ! 素敵すぎる! うお~~~!!! なんて美しい絵! ロマンチック! たまらん!」
2.『ロストハウス』より「ジィジィ」「ロストハウス」 大島弓子
(ひとこと紹介文)世界の終わりを大島弓子が描くとこうなる。
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ユキ「「ジィジィ」:世界の終わりをいつも感じてたい気分に/「ロストハウス」:自分もそうなりたい」
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ノト「大島作品はすごく美しくてハッピーエンドだと思うのに、同時にとても胸が痛むというのは、どういうことなのでしょうか?」
3.『妖怪ハンター(水の巻)』より「産女の来る夜」「鏡島」 諸星大二郎
(ひとこと紹介文)何だかわからんけど…勢いがあるのが諸星テイスト。
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ユキ「「産女の来る夜」:ハッピーエンドに感動。「鏡島」:少しゾクッとくる。パラレルワールド感」
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ノト「(渚、しっかりおし! と言いたくなりますね←文庫全体の感想)独特の雰囲気。不気味なこともあまり怖さを感じさせないのが諸星作品の不思議!」
4.『神隠し』より「黄泉比良坂」 山岸凉子
(ひとこと紹介文)暗いし救いもないけど、何かいいんです!! これ!
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ユキ「救いようがない気持ちは、どこかで自分と重なるものも感じるからおそろしい」
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ノト「あれ? 意外と明るくて爽やかなラスト! 激しい情念もここまで突き抜けると美しいと思います」
5.『百日紅』(上・下) 杉浦日向子
(ひとこと紹介文)めっちゃ好きで、おわってほしくない世界…
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ユキ「粋やな~~~。お栄さんがかっこいい」
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ノト「一瞬で江戸の時間と空間。あの時代はたしかにこんな感じのはず。お栄さんが描いた地獄絵の屏風の話が良かったなぁ」
6.『夢幻紳士〈逢魔篇〉』 高橋葉介
(ひとこと紹介文)物語の構成のうまさが神!! 絵はちょっとグロ注意です。
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ノト「夢幻が素敵すぎてどうにもなりません。瞳が美しすぎる…。多角的な視点で幾通りもの始まりがあり、それが最後で最初のシーンにぴったりハマるのが圧巻。映画のよう。2005年の世界でこのようなことが行われていた(このような漫画が描かれていた)なんて!!」
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★ ノトの6冊 ★
1.『ひとりにしないで』収録「僕の夢を見てくれ」 相模なつき
(ひとこと紹介文)「僕の夢を見てくれ」は最高の夢のお話。
→ 当ブログ過去記事は
こちら
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ユキ「全部が現実になれば…っていう夢のように感じたお話」
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kaji「「夢」の話ですねー!! 途中から現実か夢かわけわかんなくなる感じ。少女マンガで読めるとは。最後もなんか…夢オチっぽい」
2.『蛍火の杜へ』 緑川ゆき
(ひとこと紹介文)「蛍火の杜へ」は最高のロマンス。
→ 当ブログ過去記事は
こちら
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ユキ「「蛍火の杜」という話がすごく印象的。成長し続ける自分と一定に収まる者と。切ない」
3.『Papa told me』(第11巻) 榛野なな恵
(ひとこと紹介文)思い出の中の人はいつも美しい(特にep.45)
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ユキ「切ない。それにつきます。でもこういう一瞬のトキメキだったり期待だったり。それが好きかも」
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kaji「こんな名作があったんだー」
4.『ラブロマ』(第1巻) とよ田みのる
(ひとこと紹介文)超直球ラブロマンス!!
→ 当ブログ過去記事は
こちら
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ユキ「明るくて楽しい。やっぱこういうのはいいね」(←以上、ノトによる実況)
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kaji「星野くん萌えだ!! 笑えるけど感動する」
5.『窮鼠はチーズの夢を見る』/『俎上の鯉は二度跳ねる』水城せとな
(ひとこと紹介文)2010年の個人的瞬間最大風速! 愛とは何か!?
→ 当ブログ過去記事は
こちら
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ユキ「え…BL? ええ~…BLは初めて…。……。ハッピーエンドでよかったやん!」(←以上、ノトによる実況)
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kaji「ちょっと衝撃ですね(汗)濃い、濃いです、男と女よりも。恋愛は地獄だー?」
6.『虫と歌』 市川春子
(ひとこと紹介文)珠玉の幻想短篇集。
→ 当ブログ過去記事は
こちら
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ユキ「「日下兄妹」は何度も読み返してしまった!」
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という感じでした。今回の反省点としては、まず「6冊は多かった!」ということがありますが、上のリストを御覧のように、3人のそれぞれの好みや性格をほんのりとうかがわせるようなセレクションになっていたり、また自分では選ばないような漫画を初めて読むことができたりしたことは、実に興味深くまた勉強になりました。こういう試みは面白いですよね。
それで、これは私の雑感ですが、ユキさんの1冊目『I’s』とkajiさんの1冊目『夢幻紳士〈幻想篇〉』は、(以下ネタバレ注意!) ともに多重人格を扱ったものですが、それに対するアプローチの仕方が、前者はより現実的に、後者は幻想という装置を通して、と対照的なのが私には面白かったです。やはりこのお二方はよく似ている……(⌒_⌒)
それから、御茶漬海苔先生の『惨劇館』については、私は「ホラーはダメです! 絶対ムリ! こわいっ…」と泣き言を叫んでいたら、kajiさんが「大丈夫、御茶漬海苔はそんな怖くないよ(⌒_⌒)」と励ましてくださったので、どうにか読めました; たしかにそれほど怖くはなかった(いや怖かったけど、まあ…)です。
全体的にユキさんのセレクションは、精神修行のようなハードなものが多く(しょっぱなの『I’s』からして激シリアス)、なかなか鍛えられました。うーん、凄かった! 全部が全部、私が読んだことのないものばかりでとても勉強になりましたよ。
kajiさんの『夢幻紳士』の2冊は、美しくてビビりました。高橋葉介は一度読んでみたかったのでありがたかったです。『夢幻紳士』の夢幻さんは、まるで私の〈夢の人〉のような美しさで、もう参りましたね。kajiさんのセレクションもkajiさんらしさが現われているかと。
そして私の6冊ですが、何と言うか「色ボケなんか?」と突っ込まれても仕方がないようなラブロマンス偏重、キラキラと透明で美しいロマンスや幻想漫画を中心に選んでみました。しかしその中に『窮鼠』と『俎上の鯉』という地雷を仕込むあたりが私の底意地の悪さ。。。ふふふ。ユキさん、驚かせてしまってほんとスミマセンでした!
個人的な総括としては、私とkajiさんは割と読む漫画の傾向は近いものの、その読み方や視点に違いがあり、kajiさんとユキさんもまた読む漫画の傾向は近いが読み方や視点に違いがあり、しかし私とユキさんとは選ぶ漫画はものすごく違うのに、感動するポイントは驚くほどに一致する。という感触でした。面白い!
今回の漫画合宿では、すべての漫画それぞれについて深く話し合うだけの余裕を持てなかった(とにかく読み切るだけでヘトヘトに;)ので、次回はもう少し分量を減らそうということになりました。
まあしかし、こうやってお友達と好きな漫画を共有できるというのは楽しいものですよね! 時間があるときに、あの作品のどういうところがどんな風に好きで、どういう影響を受けたのかを個別にうかがいたいと私は思っています。
ユキさん、kajiさん、どうもありがとうございました♪♪