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鳥料理レエヌ・ペドオク亭が!

2008年12月23日 | 読書ー雑記


以前から、喉から手が出るほどに欲しかったアナトール・フランスの『鳥料理レエヌ・ペドオク亭』を入手しました
ヒャッホーー!!
昭和15年発行の、もう骨董品なみのすごい状態の本ですが(経年のわりには美本)、まさか手にすることができるとは! でも今は読む暇がないので、正月に読みますよ♪♪

いやーしかし、地道に探せば、あるものですね。大事に取っておいてくれた古本屋さんに感謝です。ちなみにこれは、ネット通販ありの古書店で購入したのですが、お店の方の対応がとても温かくて心を打たれました。今時ああいう丁寧な応対って珍しいよなあ。日本の古本屋にも登録されている 【古書ことば】さんはおすすめですよ♪


アナトール・フランスと言えば、『天使の反逆』という長篇も同じように探しまわっているのですが、どうしても見つかりません。図書館にすら無い。『レエヌ・ペドオク亭』の方は、英訳のテキストなどはいくらか出回っていたので、私は最悪の場合にはそれを訳して読むしかないな…と暗い気持ちになっていたのですが、それはまだ良い方で、『天使の反逆』は英訳も見つからない。仏語の原書ならありましたが……仏語は英語以上に私の能力では判読不可能です。困った……!
ちくま文庫からずっと前に出た『天使と悪魔の物語』というアンソロジーに、『天使の反逆』の一部が収められていて、私はそれは持っているのですが、読めば読むほど続きが気になる!
ま、でも、これも諦めないで探し続けるか。そのうちにひょっとしたら……。

アナトール・フランス以外にも、実はエレンブルグの激レア本も取り寄せ中です。『嵐』の上下巻がやってくる予定。これもずっと前から読みたかったのですが、図書館には下巻しかなくて……(こういうのって、どうしろというんですかね?) とりあえず、これで一安心! エレンブルグは『ジャンヌ・ネイの愛』という、これまた激レア本を私は持っています(←自慢。羨ましがる人なんてほとんどいないだろうけど: つーか、エレンブルグって誰?って話ですか?)


それにしても、私はこういう忘れ去られた作品を読みたがるようになってつくづく思うのですが、これらの作品はその面白さにもかかわらず何故忘れられていくのでしょう。出版社の利益を考えれば、その時代その時代に合った、受け入れられやすい作品を中心に売り出していくのは当然だとは思うのですが、すでに「古典」と認定されるような作品については売る気がないなら権利関係を売却するなり放棄するなりして、ゆくゆくは青空文庫のように誰にでも共有できるような形にしてもらいたいものですね。ボランティア入力なら、私がやりますよ。あるいは、権利を手放すのは嫌だけど、出版にはコストがかかるから売れないものは出せないというなら、このご時世ですからダウンロード販売なんかも検討してほしい……。とにかくお蔵入りだけはやめてほしいです。
『天使の反逆』『レエヌ・ペドオク』なんて、初回の白水社の全集には入っていたのに、今世紀にリニューアルされた全集からは外されていて(『ペンギンの島』も!)、なにか薄暗い意図があるんじゃないかと、私などは勘ぐってしまいたくなります。以上、愚痴終わり。

アナトール・フランス『天使の反逆』『ペンギンの島』『レエヌ・ペドオク亭』、イリヤ・エレンブルグ『トラストDE』『フリオ・フレニトの遍歴』、カレル・チャペック『絶対子工場』などなど、その他絶版になって久しい多くの作品を読んでみると、その面白さに驚きます。「いいものだけが残る」とは必ずしも言えないのではないかと思います。それとも私の性向がマズイんですかね。そんなことはないと思うんですがね。まあ、多少破滅主義なところはありますが。

というわけで、グーグルさんなどはこの世のすべてを検索可能にする、書籍内容まで閲覧できるようにする、とかまるで狂気のようなことを言ってますが、私としてはそういう活動に対してはワナワナするほどに期待と熱狂の眼差しを向けずにはいられないんですねえ。
夢みたいなことを実践するところが、人間の美しいところではないでしょうか。いや、夢みたいなことを実践してしまえる人を、私は美しいと思うんですね。





探しています

2008年09月12日 | 読書ー雑記

アナトール・フランスの『天使の反逆』と『鳥料理レエヌ・ペドオク亭』
を探しているのですが、見つかりません。わりと一生懸命に探しているのに見つからない両者は、当然ながら、大昔から絶版状態。こないだ(といってももう10年近く前)復刊された白水社の全集のラインナップからも何故か外されているし……『ペンギンの島』も同様に外されていることといい、なにか陰謀めいてるな。


『天使の反逆』は長篇小説ですが、その一部はかつてちくま文庫から出ていた『天使と悪魔の物語』のなかに抄訳として収められていて、私はそれは持っています。だが、続きが気になる。ちなみに、タイトルの通り、天使が神に反逆するという物語。

《この一文》
“「親愛なるモーリス、リュシフェールは神の側近く居たけれども、それでも神に仕えることを拒んだのです。書物の中に見出される真理というのは、決して事物がいかにあるかを我々にあかしてはくれないが、時に、事物がいかにあらざるかを見分けさせる真理なのです。この貧しいささやかな真理だけでも、これまで盲目的に信じていた神が信ずべからざるものであり、人間や天使はイアルダボートの嘘に騙されていたのだということをわたしに証明するに十分でした。」
 ―――「天使の反逆」(アナトール・フランス)より ”


ぐは!
はぁーー、読みたい!


『鳥料理レエヌ・ペドオク亭』は、アマゾンのマーケットプレイスには一点ありましたが、なにぶん古い本なのでやむを得ないとはいえ、状態のわりには高価過ぎる。でもいざとなったらここで買うでしょう。いくら稀少だからといって足もとを見られるのは私は我慢がなりませんが、どうしようもなければ仕方がないです。ちなみに錬金術な物語らしいですよ。あぁーー、読みたい!!


あまりの入手困難度に悶え苦しんでいるわけですが、なにもそれを読むだけならば、まずは購入することにこだわらず、図書館から借りてきたらいいじゃないかとついに私も思い至りました。

 と、こ、ろ、が、……無い! 

私の求めるレア本を数多く所蔵している市立図書館には、ありませんでした。まさか! そんな! 信じてたのに!
で、府立図書館の方も調べたところ、おお! ありました! しかし……「個人への貸出不可」とあります。……え? どういうこと……? 個人じゃなかったら誰ならいいのよ。このやろーー!



ふぅ。ますます苦悩が深まります。
というわけで、

★こんな私を哀れとお思いのみなさまへ(ダメもとでお願い)★

どこかの古書店でこの二冊を見つけたら、どうかご一報くださいませ!

あるいは、「もうすぐ復刊されるらしいよー」的な情報をお持ちの方も、是非ともお知らせください!

もしくは、「あ、それなら持ってるよー」という方、くださいっ!! もとい(…つい本音が;)、貸してください!



ついつい興奮してしまいましたが……まあ、運が良ければそのうちに読めるでしょう。やれやれ。




ひらめき

2008年07月04日 | 読書ー雑記



「休載」のお知らせをしたばかりだというのに、今日はなんだかいやに静かで夏のような日差しのわりに涼しい風が吹くなか読書をしていて、ふとひらめいてしまったことがあるので、ここはやはり書いておくことにした。

それに、「別に何でもないから、心配しないでください」と書いたにもかかわらず、「大丈夫ですか?」と心配するメールをいただいてしまったこともあり、人にきちんと伝えられない文章しか書けないでいるくせに、休んでいる場合では到底ないなと考え直したということもある。こういうまどろっこしい文を書くからいけないのかもしれない。


今日ひらめいたことというのは、こういうことだ。

今日の私はこのあいだようやく手に入れた白水社の『フランス幻想傑作集』を読んでいたのだが、どれもこれもあまりにも面白いので、後半にさしかかるあたりでは手がわなわなと震えてしまった。
読書は私にさまざまなものを与えてくれるが、ことにフランス幻想小説からは、純粋な歓喜や陶酔をもらうことができる。ゆらめく炎と影、絹の光沢、金、銀、真珠、色鮮やかな宝石、菫で飾られた棺、あるいは漆黒。ずっしりとした質感。目を開けたままでそんな夢を見ているような人々。なんて美しいのだろう。恐怖やみじめささえ、ここでは美しい。


ところで以前、「坂のある非風景」のMさんが、私をこのように評してくれたことがある。

 本の奴隷

なんというぴったりとした表現だろうと、私はすぐに気に入って、これまでに私が得たような得なかったようなどんな評価よりもこれは私にぴったりだと思った。うっとりしてしまう。これこそ私にぴったりだと思いたいのである。

「本の奴隷」とは言っても、読むのが遅い私は、おそらく生涯にそれほど多くの本を読むことはできないだろうと思う。それにどちらかと言うと、いかに多くの本をというよりも、同じ物語を何度も何度も読むのではないかと思う。

たとえば尊敬できる友人がいたら、私はその人と会うたびにいつも同じ話をするだろう。ちょっとした内容の違いはあっても、主題は同じだと思う。そしてお互いに同じことを話し合うと分かっていても、やっぱり何度も会いたくなるだろうと思う。

それに似た感じで、私が本を読むときには私はいつも同じことを問いかけるだろう。いや、問いかけられているのはこの場合は決定的に私のほうだが(なぜなら奴隷である私に主導権はないから)、相手が話したいことも私が聞きたいことも中身はいつも同じだろう。そのときどきによって、多少違って見えたり聞こえたりするだけで。そして私が分かるまで飽きずに語ってくれるだろう。

そんなことを考えてうっとりとする。一刻もはやく「本の奴隷」になりたいものだ。


そういう私が今日『フランス幻想小説傑作集』を読んでいて、ふと思い付いた。
考えてみるとフランス小説に限らず、私の愛する物語の人物はだれも生活あるいは実質というものよりはむしろただのきらめきや夢想、あてのないもののなかに心を彷徨わせている人物ばかり。もちろん、物語というのはそもそもそのような性質を持ったものかもしれない。物として在るのは紙とそこに書かれた文字だけだが、そこにそれ以上のものを存在させようとするのが物語だと思える。それそのものでは腹もふくれない、あてもないものだ。
紙の上の文字を読むうちに、しかし私はまるでそのなかの人と区別がつかなくなるほどに埋没してゆく。目も眩む夢のような美しさも、その身を取り囲む掴みどころのない虚空も、すべて私のものになる。物のことを全て忘れてしまいながら、それをもっとはっきりと理解できたように錯覚してしまえる。
それで、ふと思い付いた。

 もしかしたら、この物語の作者たちは、
 私のような人間をこの中に住わせようとして
 これを書き残したのではあるまいか。


よくもこんなことを考えるものだと思う。でもひらめいてしまったから、記しておこうと思う。もしも私の呼吸するべきところが、本当にこのなかに存在するとするならば、私が望むように本当にここならば、それはなんと素晴らしいことだろう。いつかほんとうに「奴隷」になれるのではないだろうか。

少し馬鹿げているかもしれない。いや、かなり馬鹿げているかもしれない。「現実を見ろ」と言われそうだ。
しかし、ひらめきというのはいきなり核心を示すものだ。馬鹿げて見えるのも、それがきちんと証明されるまでのことに過ぎないのである。誰かの現実が物質の世界にあるのと同じように、ここが私の現実だったら? むろん、私とて実際の物を食わねば生きられないのではあるが。今は。……でも、いつかは?

そんなことを考えてまたうっとりとした。私はどのみち幸福に生きてゆけそうに思う。夢想家の昼下がり。




自選 世界文学全集

2008年03月03日 | 読書ー雑記

piaaさんが「自分で文学全集をつくるとしたら」という、面白いお題を提供してくださったので、さっそく乗ってみる。

うーむ。私ならどんな全集にするか。
やっぱり、こうなるでしょうね。



*『カンディード』『バビロンの王女』 ヴォルテール
*『悪魔のような女たち』 バルベエ=ドールヴィイ
*『ペンギンの島』 アナトール・フランス
*『類推の山』 ルネ・ドーマル
*『ペドロ・パラモ』 フアン・ルルフォ
*『百年の孤独』 ガルシア=マルケス
*『世界終末戦争』 バルガス・リョサ
*『砂男 他数篇』 ホフマン
*『みずうみ 他数篇』 シュトルム
*『第三の魔弾』 レオ・ペルッツ
*『はてしない物語』 エンデ
*『RUR』 チャペック
*『バラバ』 ラーゲルクヴィスト
*『狂人日記』『故郷』 魯迅
*『黒衣の僧・六号病室』 チェーホフ
*『われら』 ザミャーチン
*『フリオ・フレニトの遍歴』『トラストDE』 エレンブルグ
*『ロシア・ソビエトSF短篇集』
  (ボグダーノフの「技師メンニ」を絶対に入れる)
*『収容所惑星』 A&B・ストルガツキー
*『巨匠とマルガリータ』 ブルガーコフ


シュトルムだけ、やや浮いているでしょうか。しかし、なんとも偏った全集です。誰が揃えるんだろう、こんな偏ったのを…。引き裂かれた私の精神性が如実にうかがえるようなリストですね。
ちゃっかりリストにあげていますが実は、『百年の孤独』だけはまだ読んでいません(去年のうちに読むはずだったのですが;)。でもこれは名作に違いないので、はずせませんでした。いつか読みます。

それにしても、分量にばらつきがあるのが気になるので、もうちょっとアレとコレを足したりしてもよかったかも! と、つい真剣に考えてしまいます。
なんだかほかにもいろいろと忘れているような気がしますが、とりあえずこれだけ揃えれば、いつでもどれだけでも私と語り合えますよ♪ まあ別に私と語り合わなくてもいいのですが、いずれも感動の涙がほとばしり出るような作品ばかりです。あー、興奮。

ちなみに、私が欲しい全集はどういうものかと言えば、「私がまだ読んだことのない小説」を収めているもの。絶版となって久しいような激レア小説を(ロシア、東欧、フランス、南米小説あたりが望ましいですね)、どこかで出してくれないものか。【どうしても読みたい世界文学全集】というリストを作っておこうかな。何かの時に備えて(何の時だ…)。


またやってしまった

2008年02月20日 | 読書ー雑記
文字禍 な ヒヨコたち



古書をたくさん購入してしまいました。
どわー、どうしよう(/o\)アカジダ!

うぅ。
またいたずらに本屋さんをもうけさせてしまった…。
今回はだいぶお得に入手できた本があって、そっちはシメシメという感じなのですが、一方で、1冊5000円もする本も買いました。定価の何倍だろう…だが絶版なので、背に腹はかえられません。喉から手が出まくってましたからね。とても自分を抑えることができなかったですよ。さすがに、ちょっとどうかしていると思いますが。ハハハ! 
さらに笑えることには、まだほかにも買うべき本がある! ということなのですね。うーむ。重なるなあ。なぜあれもこれも同時に現れるのか…不思議だわ。でも逃すと次はもうないような気がするし。しかし…なぜそんな絶版本ばかり読みたくなるのかしら。というか、あんなに面白そうな本がなぜ絶版なのかしら。そうだ、そこが問題だ。私は悪くない。そうともさ。


そんなわけで、赤字がなんだ、そんなのは幻だ、蜃気楼だ!
と、息巻いてみるものの。はあ。
稼がなきゃ…。

発送してもらっているところなので、手もとに届くのが待ち遠しいです。
春になったら読むぞ~。


読書中

2008年01月13日 | 読書ー雑記
お正月にはこういう本を読んでいました。


エンゲルスの『空想より科学へ』が相当に面白かったです。
(読書感想、というか学んだことをまとめ中ですが超難航;)
エンゲルスは『賃労働と資本』(マルクス)を読もうとしたら、肝心の本論に対してのエンゲルスの前書きに割かれたページの割合が多めで、しかも熱い。傍点多過ぎ。それでちょっと面白いなーこの人、と思っていたのですが、今回のこの本もやっぱり面白かった。
しかし、そういう読み方をしていたためか、理論はあまり頭に入らず。部分的に猛烈に納得させられるところはあるのですが、要の部分がちょっと…。正月早々、己の理解力不足を反省させられましたが、ともかくこれは『資本論』を読まないと分からないのかも。うーむ、いつ読めるやら。

ピエール・ガスカールの『けものたち・死者の時』はまだ半分。読むうちに、やたらと肉の欲望が沸き起こります(この場合は、肉食の欲求)。お肉屋さんの話があるのですが、それ以外でも不思議と生々しい刺激を受けるようです。重くじっとりした物語が多いのですが、描写がなんとも鮮烈。絵みたい。とは言え、必ずしもカラフルではない。どちらかと言うと、いや、はっきりと暗い。最初はちょっととまどいましたが、なんかこの人は好きになるかもしれません。

ミルハウザーの『バーナム美術館』は10年くらい保管した末(またか)、ようやく読みはじめましたが、やっぱりまだ読み時ではなかったのか、3分の1くらいで挫折しております。面白くなってきたところで、急に場面が急変するので、今の私はそこにつまずいてしまっています。惜しい。ただ、この溢れるほどのイマジネーションの連なりは凄いと思う。文字の量も凄い。そのあたりはスティーヴ・エリクソンの感触にやや近いかも。(しかし今のところ私はエリクソンの方が合う)


読書の合間には漫画もかなり読みました。
むしろ、漫画をかなり読みました。

*『マダムとミスター』遠藤淑子(すごーく面白かった。想像以上に)
*『あめのち晴れ』杉原涼子(じわ~っと笑えました。全2巻?なのは惜しい)
*『海獣の子供』五十嵐大介(『魔女』が見つからない…)
*『中国の壺』川原泉(これまた予想以上に面白い。やっぱこの人は凄いな)

などなど。ほかにもいくつか読みました。
漫画はすぐに読めるところがいい。

だけど漫画は、読むのは楽だけども、やっぱり描くとなると大変なんだよなあ。
しみじみ。



それはあるいは真理である

2007年09月20日 | 読書ー雑記
私はときどき人から「どうやってそんな(見たことも聞いたこともない)本を読もうと思うのか?」というようなことを聞かれることがあります。

そういった質問に対して私は「読んでみたくなるから」という実に簡単明瞭な回答をいたすのですが、あまり納得してもらえないこともあります。たしかにこれでは納得できないかもしれません。

もっと詳しく言うと、図書館や本屋の棚の前をうろうろしていると、ひとりでにある書物が私の前に現れて「読め」と言ってくるのです。精神の世界なのです。そういう本は、読んで間違いはありません。それはもう絶対です。しかし、同じ本でも「読め」と言ってこないときもあります(そういうときのほうが多い)。不思議なんですけど。

上のような説明ではまだ納得できないでしょうか。もうちょっと言います。
あるいは私もごく普通に、いろいろな方がなさっている本の紹介を読んだりするので、「なるほどー」とか「面白そうー」とか思ったりするわけですが、そのなかでも特に「これは!!」というものが、そういう瞬間があるのです。そういう本も、読んで間違いはありません。それはほとんど絶対です。

そういうわけですから、私が読む本には面白くないものはないのです。いえ、面白いから読むのです。
では、読んでみて面白くなかったことはないのかと言われれば、実はあります。しかし、そういう本というのは、私が「それほど読みたくないけど、教養のために」とかなんとか消極的な気分で読んでしまっている場合に限ります。これはほんとうにそうです。
つまり、「読みたい」という気にさせる本というのは、もうすでにその時点で面白いので、読んでみてつまらなかったというようなことにはなりません。そして、多くの場合は、私の「面白そうだから読んでみたい」という期待以上に面白かったりします。そのあたりは、私はたいへんに幸運だと思います。

読書を好む多くの方からは賛同を得られるのではないかと思うのですが、そうでない方もこの説明で納得いただけたでしょうか。どうでしょうか。



ところで、こうやって読書をしてゆくと、ある決まった道筋ができてくるようなのです。

私はときどき下に挙げたような暇つぶしとしか言い様のないことを考えたりするのですが、

それはたしかに美しい』(2006年4月の記事)
美しさについてまだまだ考える』(上の翌日の記事)

こういうことを考えるから、そういう本を読むのか、それとも、そういう本を読むから、こういうことを考えるのかは分かりません。ですが、これらはたしかにひとつの繋がりを持っているのです。


先日もまたある物語と出会いました。
武者小路実篤の『真理先生』という小説です。ちなみに最近売れている漫画の『絶望先生』というのをこのあいだ読みました。それが面白かったからこちらを読んでみたくなったわけではないのですが。どこかでこの作品を紹介している文章を読んで、タイトルからして興味を惹かれたのです。

そして読んでみて私は、どうやらあるひとつの道の上を歩いている、あるいはその道から近いらしい脇道を歩いている自分を発見するのでした。私には、これ以上にすがすがしいことはないです。
物語の感想についてはまた後日。


結局のところ、私は怠け者なのでたいして調べもしなければ、探しもせずにぼんやりとうろつきまわり、しかし「何かいいものはないだろうか」と熱望しているところへ、物語は向こうから「お前、私を読みなさい」とやってくるのです。それがたまたま今ではあまり名の知られていない物語であったりすることが多いというだけのことです。そして、向こうからやってくるくらいですから、その物語には何か誇りとか自尊心とか溢れる自信のようなものがあるらしく、実際その通りに立派だったりするので「ほんとうだなー」とか「すごいなー」と言うだけなのですが、成長したがっている私は、私を成長させたがっている物語によって、ちゃんと成長しているのでした。そしてもっとその道へ近付いていく。


分かるような分からないようなことを言っていますが、しかし何かを愛好するというのは読書に限らずいずれもこういう感じになるのではないでしょうか。
楽しくてやっているうちに、なんかこういう風になってた。というような。当人以外にはそれがよく分からないんだけれど、というような。


というわけで、私は必ずしも無名の本をわざわざ選んでいるのではないということでした。むしろ選んでもらっているのは、決定的に無名である私のほうなのだということなのでした。
お分かり頂けたかしら……。

また買った

2007年06月02日 | 読書ー雑記
これが1万円分の古書です
はっきり言って、安い




また古本を買いました。興奮。はあはあ。
今回は、ランサムのツバメ号シリーズの最終3冊。
それからフランス短篇ものを2冊(ひとつは上下巻なので正確には3冊)。
それからエレンブルグの『十三本のパイプ』。
そして、これは私には初対面のレオ・ペルッツ『第三の魔弾』。

ギャーーッ!! 幸せ!
興奮しまくって、さっきまでK氏を相手にしゃべりまくってました。
うふふふ。

ランサムとエレンブルグとフランス短篇は、もう面白いことが分かりきっているので安心ですが、『第三の魔弾』はどうなのかと興味津々です。ちょっと調べたところによると、[コルテスを倒すために悪魔と契約して得た3発の弾丸をめぐる物語]だそうです。もう、このあらすじだけで、購入決定です。なにそれ、超おもしろそう! 

コルテスといえばメキシコの征服者。私はこのあたりにも微妙に興味があるところなので、ああ、はやく読みたい。とにかく読みたい。作者はスペインでもメキシコでもなくプラハ生まれのオーストリア文壇で活躍したベストセラー作家だったそうです。ユダヤ人らしい。エレンブルグといい、最近の私はユダヤ人づいています。でもって私はどうやら、「悪魔と………悪魔的な……悪の天才……」といううたい文句に弱いらしい。だけど、悪ってなんだ? つまりそれが知りたい。

この人はミステリーも書いていて、けっこう異色な名作らしいです。これは近くの図書館にあったので、あとで借りてきます。


ふう。どうにか落ち着きたいけれど、今はとても無理!
とりあえず、読みかけの1冊と、読まなければならない2冊を読んだあとに、これに手をつけることにします(多分。先走るかもしれませんが)。
5月は『フリオ・フレニト』ショックでほとんど読めなかったので、今月は読むぜ!
読みたい本がある、ということは、なんて幸せなんだろう。

走り出したい。



また一冊

2007年03月07日 | 読書ー雑記
前から欲しかった本をまた一冊入手することができました。

アナトール・フランスの『ペンギンの島』です。なんだか非常に面白そうなんです(『幻想文学1500』の解説によれば)。ヤフオクで安く出品されていたので、ライバルと激しく競り合うことになるのでは…と心配しましたが、別にそれほど注目されていた品ではなかったようで、あっさり落札できました。しめしめ。

今日、ようやく届いたので、さっそく《いつか読む本の塔》の上に積んでおこうと思います。その塔は、際限なく高くなっていくようですが、気にしない、気にしない。

買った

2007年02月09日 | 読書ー雑記
『悪魔のような女たち』ジュール・バルベー ドールヴィイ
『怪奇小説傑作集4<フランス編>【新版】』G・アポリネール 他
『東欧SF傑作集 (上)』カリンティ
『東欧SF傑作集 (下)』ネスヴァードバ


3連休前で気持ちが昂っていたためか、ついアマゾンで書籍を大量注文してしまいました。ああ、はやく、はやく届いて! 『怪奇小説~フランス編』はこないだ買ったばかりですが、これで2冊目。職場の女の子に貸したら、彼女はそのまま仕事をお辞めになったので。こんなことなら「差し上げます」と言っておくんだったー。

ガルシア=マルケスの『コレラの時代の愛』も買うつもりでしたが、それは次回に。来週あたり鳥類図鑑と一緒に買うことにしよう。……なぜ2回に分けるのか……。ほんとうは一気に全部注文したかったのですが、今日は昼休みに一度帰宅して注文していたので、冷静に考えている時間がなかったのですよ。いや、まあ、今からまた新たに注文してもいいんですがね…。


さて、興奮して4冊も買ってみたものの、3連休でどのくらい読めるのか。そもそも、まずは図書館から借りた本(やはり4冊くらいある)を読まねばならないし。それに、読書もいいけど、他にもしたいことがあるし(漫画喫茶に行く、とか)。


あー、そわそわ。